ウィッシュ研究所

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認知療法-1

2009-08-01 | 産業カウンセリング

スキーマ・・「人生の枠組み」と「認知の歪」
 いまカウンセリングでは行動療法とともに主流である「認知療法」は様々な応用が可能です。認知療法とは、《物の見方を変えてみる》方法・・例えば、コップの水の残量を見て「もうこれしかない」と考えるか、「まだこんなにある」と考えるか、心の持ち方を変えてみる療法です。それでそのキーとなる概念が「スキーマ」です。
「スキーマ」とは心理学では社会で学習・経験の蓄積のことで、人にとってはそのスキーマが人生の様々な場面での対処・行動する「枠組み・パターン」となっています。つまりスキーマは、生きるために必須の知識のわけですが、これがある状況においてはマイナスの影響を与えることとなるのです。「皆に嫌われている」「自分は弱い」「やせないとみっともない」などの“少ない経験から全てを判断”しようとする『過度の一般化』や、『絶対○○でなければならない」・・・のような「“黒か白か”的思考」、「強いこだわり」、「完全癖」などです。それらのいわば『認知の歪』と、そしてそれに加え、出来事に対して自動的にいやなことにつなげてしまう「自動思考」などの基となる根本的な思考のスタイル「心のくせ」も“スキーマ”なのです。認知療法は、いわばこのようにマイナス思考-抑うつ状況に陥っている人においては“マイナスのスキーマ”を再構築して“誤り”を気づかせ、“新しい考え方”の獲得をさせていくのです。

参考文献 : 武藤清栄 編著 1993 [「心のヘルスケア」 日本文化科学社  ,稲富正治
2005 「面白いほどよくわかる臨床心理学」 日本文芸社  



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