ゲーム分析・人生脚本 交流分析では「ゲーム分析」というものも重要です。他者との関わり合いのなかでみられる一定の行動パターンに気づき、これから脱却する方法を見出すのです。ゲーム分析を行うにあたって、これに関わる交流分析のキーワードがあります。1.「ストローグ」~“働きかけ”についてです。これにはまず「悪いストローグ」があり、これについては①「ディスカウント」・・他人や自分に対して“存在を認めない”“ . . . 本文を読む
対話(やりとり)分析 前回(当ブログ,2009.7.6)のように“自我状態の区別が理解”できれば(言い換えれば“気づき”がなされると)、効果的な対話(やりとり)が出来るようになり、一方2人の対話において各自の自我がかみ合わないと、対話はうまくいきません。 たとえば、Aさんが「おしえて!」と子供の自我(C)で話した場合、それに対してのBさんの返答が「そんなこともわからないのか!」という親の自我(P) . . . 本文を読む
自我状況の分析・・「自分の中の3つの自我」 交流分析とは「TA」とも訳され、“精神分析の口語版”とも言われる自己分析(自分に気づく)法で、我が国でも1970年代から各分野で活用されています。 交流分析と言えば、「親の自我(ParentーP)」「大人の自我(Adult-A)」「子供の自我(Child-C)」の“自分の中の3つの私”の発見が有名で一般にもよく使われています。 自分の子供が“そそう”をし . . . 本文を読む
「動機」と「欲求-圧力理論」 先月のブログ〔2009年5月)の「ミステリーで心理学シリーズ」で最初に取り上げました「動機」はミステリーにおいて重要なキーワード・・「手口」「アリバイ」「トリック」等の中でも最も重要な条件であると思います。そこで今回再度“動機”を取り上げてみます。 動機の研究はミステリー、心理学、社会学を結ぶものでもあります。犯人の動機を分析するのにマレー(1938)の「欲求ー圧力理 . . . 本文を読む
トリックとアルゴリズム・ヒューリスティク 推理小説で重要なものは先に取り上げました「動機」「アリバイ」そして「トリック」です。特に「本格推理小説」ではこのトリックが中心となるものが多いのですが、前回取り上げた「アリバイ」もこのトリックの一つともいえます。トリックは主に犯人によって行われることが多いのですが、推理小説の醍醐味は、このトリックを探偵が紐解いていくことにあります。このトリックに立ち向かう . . . 本文を読む
アリバイと帰無仮説 松本清張の代表作「点と線」では、なぜ犯罪を行ったのかという「動機」と、それ以上の面白さを演出する「アリバイ崩し」が、“社会派ミステリー”ならではのリアリティのあるサスペンスの最高傑作を創り上げています。 「点と線」は(もう誰もが読んだり、TVドラマで観たりしているはずなのでネタバレしてもいいと思いますが、まだの人は「点と線」を読んでからこの後を読んでください!)アリバイとしての . . . 本文を読む
「人物相関図」について! 刑事ドラマでは、捜査本部での場面で「人物相関図」を使って、事件の人間関係を洗い出していきます。推理小説を読んでいく時もこの人物相関図を考えながら読んでいくと、物語の複雑な人間関係がよくわかり、真犯人を推理しやすくなるものです。 この人物相関図と似たものが心理学にあります。それは「ソシオメトリー」です。それは「ソシオメトリックテスト」や「行動観察」によって、誰が誰を好きか? . . . 本文を読む
「プロファイリング」について! プロファイリングとは、犯罪捜査において、犯罪の性質や特徴から行動科学的に分析し、犯人の特徴を推論することとされています。これはいわば「確率論」により「こういう犯罪の犯人はこのような人間多い」という犯罪者のプロファイリングを特にさしています(Wikipedia)。 「動機」至上主義が社会派の松本清張や高村薫であるとすれば、「プロファイリング」は、まさにトリックを暴くド . . . 本文を読む
「動機」・「動機づけ」について! ミステリーでは「動機」「アリバイ」「トリック」などが“キーワード”となりますが、まず初めに“動機ありき”でしょう。犯人の"心理面”での問題解決手段として、「その犯人以外犯行につながる動機を持つものは他にありえない!」とするものが「ミステリーの動機」であり、その動機を探り当てることによる犯人を特定してゆくのです。すなわちミステリーにおける動機とは、心理学的に言い換え . . . 本文を読む
シニアの生きがいの「意味」「場」「対象」について。 シニアの生きがいを調査するには、3つのアプローチがあります。1つは「生きがいの意味」を聞くこと、2つめは「生きがいの場」で、そして3つめは「生きがいの対象」を聞くことです。この3点をシニアに聞いてみると、他の世代とは違ったものが見えてきます。 まず、「生きがい」をシニアに質問した結果では、まず“生きがいの意味”では、「生きる喜び」や「生きる目標・ . . . 本文を読む
「生きがい」についての名著。 生きがいについては、哲学、社会学、心理学、医療からエッセイ、宗教までさまざまな分野から文献が発表されています。日本では「生きがい論」は単なる思いつきや、自分の信念を述べたもの、名言集、主義主張のもの、宗教色の濃いものなどが大半でした。その中で心理学関連には、神谷美恵子「生きがいについて」、宮城音弥「日本人の生きがい」、小林司「現代の生きがい」など優れた文献があります。 . . . 本文を読む
「生きがい」とは! 生きがいの意味は、戦前までは「公共善からの生きがい」・・・つまり「私の人生は他者、共同体や社会が価値ありと認めるがゆえに価値あり」とするものから、戦後、個人主義が進み、生きがいも人生に関わって生じる「生きる喜び」ないし、「生存の充実感」といった心の状態であり、それをもたらす対象を意味するようになったのです。すなわち、倫理・哲学的なものから、社会学・心理学的意味へ変化してきたと考 . . . 本文を読む
空と解脱 仏教とカウンセリングの関わりの3つ目は仏教の基本思想である「空」と、最終目標ともいえる「解脱」についてです。仏教は"こだわり”や“執着”を捨て去り、“心を空”にすると悩みや苦しみがなくなる、・・・つまり、“解脱”できると教えています。自分自身も周りのものも、すべて同じ「空」・・つまり自分の意識が作った実態の無いものにすぎないことを“実感”することなのです。比喩的に言い換えますと、こころは . . . 本文を読む
縁起 仏教は「人は全て“縁(えん)”によって成り立っている」と考えています。すなわち自分があるのではなく、“縁”=(まわり)が自分をつくっている・・つまり「まわりに生かされている」というのです。「縁起」とか「因縁」といいますと呪いや祟りのように使われますが、そうではなく、「自分は他人に生かされていること」を教えているのです。具体的に述べるとすれば、上の絵の意味することは“人の形”に見えますが、本当 . . . 本文を読む
仏性 今回は「カウンセリングと仏教」についてお話しします。いま、広く行われているカウンセリング諸理論は、フロイトの精神分析で100年、ロジャーズのクライエント中心療法で50年の歴史しかありません。そして、現在でもそれらの方法が確立されているとは言いがたい段階です。一方、仏教の創始者“ブッタ”は2500年も前から既にカウンセリングを行っているのです。そうして長い年月を経て、仏教は成熟した“こころの援 . . . 本文を読む