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「生きがい」とは!
生きがいの意味は、戦前までは「公共善からの生きがい」・・・つまり「私の人生は他者、共同体や社会が価値ありと認めるがゆえに価値あり」とするものから、戦後、個人主義が進み、生きがいも人生に関わって生じる「生きる喜び」ないし、「生存の充実感」といった心の状態であり、それをもたらす対象を意味するようになったのです。すなわち、倫理・哲学的なものから、社会学・心理学的意味へ変化してきたと考えられます。それに加え長期化により高齢期が著しく長期化し、家族制度・地域社会の崩壊により、人間関係の希薄化、個人主義化が進むなか、“生きがい”は、特に高齢者の生活にとって心理的に重要な意味を持ってきたのです(和田,2001)。
高齢者すなわち、シニアにとって大切なものは「健康」「経済的支え」そして「生きがい」といわれています。このうち「健康」と「お金」は自らの意志で理想に近づけることはおのずと限界がありますが、「生きがい」は、自らの意思で実現可能なものともいえます。
シニアビジネスを考える上で、この高齢者の「生きがい」は最も重要なキーワードであると言えます。次回は「生きがいの名著」についてみていきます。
参考文献 : 和田修一 2001 「生きがいの社会学」 弘文社