世相の潮目  潮 観人

世相はうつろい易く、その底流は見極めにくい。世相の潮目を見つけて、その底流を発見したい。

ロシアゲートと森友・加計問題はメディアへの不信に終わる

2017年07月29日 | Weblog
国家への打撃というの点で米国のロシアゲートと日本の森友・加計問題を並べて議論するのは非常識ですが、両国のメディアへの打撃という点では同じものがあります。それは両者とも、政治的真実を追究するのではなく、政治的宣伝戦をしているからです。国民がそれが事実の報道ではなくて、政治運動だと知ればメディア不信に終わるのは必定です。

ロシアゲートについては、大統領選挙戦でトランプがロシアの支援を受けたと大手メディアは主張していますが、接触した(メール、電話、面談)事実が出ただけで、ロシアの介入で選挙結果を有利にしたとの証拠は未だ何も出ていないのです。

それを恰も大統領選挙で法律違反をしたかように報道した上で、世論調査をしたらトランプの支持率が戦後最低に下がったと大手メディアは報じていますが、これは大統領選挙期間中の大手メディアとトランプの宣伝合戦の続きを、今もしているに過ぎません。

多くの米国大手メディアの激しい攻撃にも拘わらず、トランプ大統領が30%台の支持率を維持しているのは、この宣伝戦でトランプ大統領が優勢に戦いを進めている証拠です。最近、トランプ大統領はこの宣伝戦をプロレス試合に見立てて、CNNマークを冠した相手を場外で殴打するシーンをYou Tubeで投稿しました。このYou Tubeは宣伝戦におけるトランプ大統領の勝利宣言なのです。

こうまで反論するトランプ大統領にも問題がありますが、同時に真実を報道する立場のメディアが誇張と嘘を交えて政治運動を繰り返すと、米国国民の多くは大手メディアの言うことは信用しなくなるでしょう。

日本の森友・加計問題はロシアゲートに比べるのも恥ずかしい位低レベルの政治問題ですが、安倍降ろしに手詰まりの野党と反政府系大手メディアは、これを安倍政権打倒の材料しているのです。ですから、国会審議においても、大手メディアの報道でも、森友・加計問題の真実を解明しようとの態度ではありません。

彼等は、安保法制改革、秘密保護法、テロ防止法などの政治的に重要課題で論争を挑みましたが、悉く敗退しました。政策論争では安倍政権に歯が立たないとなれば、好き嫌いのレベルで議論できる森友・加計問題を取り上げたのです。

政治問題をお友達、依怙贔屓のレベルで論じると、難しい理屈の分からない大衆でも容易に理解出来ます。依怙贔屓は悪いにきまっていますから、加計学園は忽ち依怙贔屓と宣伝されて、一部の国民の間では、行政的に正しい措置も「歪められた」と採られてしまいます。

朝日新聞、東京新聞、TBSのように安倍政権打倒を目指しているメディアが、好き嫌いの話題を流し続ければ、大衆の意見はそれに流されます。現に安倍政権の支持率は低下しています。

これらの大手メディアはこの宣伝戦で勝利したと考えているでしょうが、彼等の行動は政権への打撃以上に、ブーメランのマイナスの効果となって大手メディアに跳ね返ってきます。既にインターネット上で は、大手メディアの政治的偏向報道への批判が高まっています。

既に大手メディアの読者は減少傾向にありますが、事実の報道を忘れて政治活動に溺れるメディアには将来はないでしょう。トランプ大統領にツイッターでフェイクニュース(嘘情報)と攻撃されているニューヨークタイムスやCNNテレビは視聴者を失いつつあるとのことです。

大手メディアの衰退は自業自得ですから構いませんが、彼等のフェイクニュースに惑わされて、国民生活の安全と豊かさを実現している政治権力はどこにあるかを見失わないことを願っています。
(以上)
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小池都政へ疑問と不安 行政の不作為の罪は重い

2017年07月13日 | 政治


都議会が決定した豊洲市場への移転を議会の承認を得ることなく、小池知事は独断で移転延期を決め(平成28年8月)ましたが、都議会議員選挙の直前(平成29年7月)になって新たな事実の発見もないまま、当初の移転案に戻ると決めました。

残したものは豊洲市場への人々の不安感だけでしたと前回述べましたが、それだけではないのです。予定通り豊洲に移転していれば支払う必要のない補償金が毎日500万円づつ発生していて、これは全て都民の税金から支払われます。小池知事はオリンピック施設の問題では、ワイズ・スペンディング(賢い支出)を唱えましたが、豊洲問題では、やるべき事をやらないで、都民に大きな損害を与えているのです。

小池知事が提起した豊洲不安問題は、冷静に考えれば環境基準を間違って適用していただけで、最初から豊洲は安全でした。小池知事は、それを承知してからも、都会議員の選挙対策のために、安全だとの結果の公表を選挙直前まで引き伸ばしました。それは都民の税金が無駄使いされることを承知しながら、自分の政治権力を強化するためにしたことで、悪質の不作為でした。

振り返れば、日本の首都、東京の代々の知事は不作為で都民に迷惑を掛けるケースが多くありました。3期12年間(昭和42年~54年)の美濃部知事は一人でも反対者があれば何もしない知事で、環状道路と焼却炉の建設が停滞しました。青島知事(平成7年~11年)は前任の鈴木知事が用意した都市博覧会を中止しで、お台場を臨海都市として開発する計画を台無しにし、多額の借財を残しました。小池知事の前の桝添知事は、都民が期待しない都市外交を派手にやって、殆ど為すことなく交代しました。

これら三人の知事は知事選挙では圧倒的な多数の支持を得て当選したのですから、都民が政治家を診る目がなかったと言えばそれまでですが、結果は余りに無残です。

小池知事は、将来の日本の初の女性総理との呼び声が高く、予想通り高い支持を得て知事になりましたから、今度こそは都民の期待に応えてくれると思いましたが、緒戦で不作為のミスを犯してしまいました。

しかも、小池知事には豊洲市場移転問題の判断ミスについて反省の弁がないばかりでなく、オリンピク終了後の築地市場再開発という目くらまし案を示して得意になっています。今後の小池都政への疑問と不安は募るばかりです。
(以上)
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