世相の潮目  潮 観人

世相はうつろい易く、その底流は見極めにくい。世相の潮目を見つけて、その底流を発見したい。

小笠原諸島のサンゴ密漁対策は適切  小笠原訪問付記

2014年11月20日 | 現代
小笠原諸島沖に中国のサンゴ密漁船が大挙押し寄せたことは大手メディアが伝えていますが、海上保安庁の特殊警備隊がヘリコプターを使って中国漁船を急襲し、排他的経済水域(EEZ)内との領海内の中国漁船の船長を逮捕した話は週刊誌だけが報じています。

嘗てロシアや韓国が日本漁船にしたように、領海内でしたら漁民を拿捕し漁船を没収する権利が日本国にあります。海上保安庁の船が尖閣の防衛で手が足りないなら、海上自衛隊の艦船を出動することも出来ると考えます。

中国のサンゴ密漁船が APEC の開催直前に押し寄せたことについては幾通りかの憶測話がありました。尖閣の領有権を話し合わないなら、こんなことも出来るのだよと小笠原まで船団を動員したという脅し話から、いや APEC 開催に傷をつけるため習近平の政敵が嫌がらせをしていると言う話までありました。

しかし、最後は中国側から密漁漁船を取り締まるとの声明が出されましたが、これは小笠原諸島で日本政府が強硬な措置を実施した効果が現れたのです。中国が尖閣の将来を小笠原で演じるなら、日本も尖閣の将来はこのように漁船拿捕を行いますと示したのです。

だから週刊誌の報道が事実だとすると、日本側が毅然たる態度を示したことは良い結果をもたらしたのです。当然のことと言え中国側も自国の漁船の盗賊行為を放置できなくなったのです。何故一般紙がこの事実を殆ど伝えないのか不思議な現象です。

ご存じのように小笠原諸島は2011年にユネスコの世界自然遺産に登録された島です。これまで大陸と繋がったことのない海洋島であるため、昆虫や植物が独自に進化を遂げて独特の生態系を保持している島々です。何よりも美しい自然と温厚な島民の住む島です。中国の政治的野心で、この世界自然遺産の島が壊されないことを願うものです。

去る9月、小笠原諸島の父島を訪問する機会があり、美しい景色と島民の暖かい歓迎を受け来ましたので以下にその写真の一部を掲げます。
(以上)



1.三日月山中腹より二見港を見る。


2.三日月山展望台より遙かに霞む母島を望む。


3.父島の美しい小港海岸


4.穏やかで美しい父島二見港の夕景


5.父島二見港を出奔する客船飛鳥Ⅱを見送るため併走する漁船たち


6.見送る人々は最後に疾走する船から海にダイビングする。
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首相に議会解散権のあることの意義

2014年11月15日 | 政治
メディアの多くは安倍首相の今回の総選挙を大義のない選挙といい、野党は消費税先延ばし選挙、アベノミクスの失敗隠蔽選挙とネガティヴ・キャンペーン行っていますが、それらは選挙準備が整わないため不満を述べているだけです。民主主義において民意を汲み上げる、最大の手段が総選挙であることを忘れた議論です。

民主主義国家で首相が解散権を持つのは日本ぐらいで、英国やドイツでは首相に解散権はありません。日本の首相が短期間に交代する欠点はありますが、重大な政策を新たに決定するとき、既存の政策を変更するとき、適時に首相が民意をくみ取る事が出来る、柔軟性がある制度が首相の解散権です。

首相に解散権があるということは、政治家ならば与党も野党も常時国民の声に耳を傾け、いつ何時総選挙があっても、民意に応えられる努力をしているべきだということであり、極めて優れた民主主義制度なのです。

そうであれば、総選挙となったら何を争点にするかが、政治家の頭に直ちに浮かび上がらなければなりません。消費税先延ばし選挙、アベノミクスの失敗隠蔽選挙という問題意識しか持てない政治家は失格でしょう。

と言いますのは、安倍政権は2年間の間に論争を呼ぶ重大な決定を幾つか下し、今後の国会で審議する筈です。例えば特定秘密保護法、集団自衛権問題などの是非を問うだけでも選挙を行う大義は十分にあります。消費増税については、実施してしまえば後で国民がノーと言っても取り返しはつかないので、事前に民意を問うのは少しも間違っていません。

社会保障と財政再建のために諸費増税をするとの三党合意に自民党も縛られるので総選挙で消費増税を問い直すのは政策論として論理的でないとの意見が自民党内にも出ていますが、三党合意の一部3%分は既に実行したのであり、その結果について疑問が出てきたのでこの際三党合意の是非をを再び国民に問うのは少しも矛盾していません。

三党合意は国民との約束であり、約束は守るべしとかたくなに主張するのであれば、実施しても何ら悪影響はない、国会議員の定数削減と経費節減の約束を第一に主張すべきでしょう。このことには触れずに、消費増税の約束だけを声高に主張する国会議員は真っ当な人たちでしょうか?
(以上)
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