東京23区のごみ問題を考える

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23区 令和2年度 清掃事業年報(リサイクル編) ~23区の資源回収量は約562,739トン(前年度比 約31,259トン増加)

2021年09月01日 10時22分20秒 | 東京23区のごみ

令和2年度の23区の資源回収量は約562,739トン
23区の人口は大きく開きがある。資源回収も総量ではなく1人当たりの回収量の比較を~



23区の令和2年度資源回収量が清掃一組HPに掲載された~
平成26年度から、あたらに「ピックアップ回収」という項目ができた。
ごみ集積所等に出された粗大ごみ、不燃ごみから、資源物を取り出してリサイクルする事業
ピックアップ回収は、千代田を除く22区で実施中(令和2年度)、

東京二十三区清掃一部事務組合 2021年8月31日

【参考】令和2年度清掃事業年報(リサイクル編)の閲覧〈特別区清掃リサイクル主管課長会資料〉(PDF:532KB)

令和2年度 資源回収の状況(概要)
令和2年度における23区の資源回収量(ステーション(集積所)回収・拠点回収、ピックアップ回収、集団回収)は、約562,739トンでした。
また、回収実績は、前年度と比較して量で約31,259トン、率にして約5.9%の増加でした。






令和2年度清掃事業年報(リサイクル編)」からグラフを作ってみた~

※23区の人口、「清掃事業年報」「清掃事業年報(リサイクル編)」いずれも、「『東京都総務局統計部発行「住民基本台帳による人口(日本人及び外国人)」の令和2年10月1日現在の数値』となっているのだが、清掃事業年報とリサイクル編に掲載されている人口は数値の異なる区がある。昨年もそれ以前も同様、今回も、一人当たりの排出量の計算は、それぞれに掲載された人口から積算した。(令和2年度は新宿、世田谷、豊島)(「清掃事業年報」の人口は「10月 【Excel】46KB」と同じ)


令和2年度は、行政回収の回収量は前年度よりも増加、集団回収は減少となった。
年々減少傾向の紙類も、行政回収は増加したものの、集団回収の紙類は減少が続く、、
新たな取り組みピックアップ回収は取組が広がって回収量も増加、

また、古着・布類の回収、蛍光管、小型家電の回収拠点は増えている~

 

●行政回収実績 品目別内訳

紙類が48%で一番多い

 
●ピックアップ回収実績

 

●集団回収実績 品目別内訳

集団回収は圧倒的に紙類が多く全体の93%




●23区の資源回収量推移

紙類の回収量がかなり落ち込んでいるものの、行政回収の紙類は上向きに、、
ピックアップ回収でもごみにせずに資源に、、、
古着や古布,小型家電にetc.、




●資源回収実績(行政回収)品目別推移

行政回収の紙類、回収量の激減はなんとか上向きに、、、
令和2年度の紙類は前年度よりも約2万トン増加した~





●資源回収実績(ピックアップ回収)品目別推移

令和2年度は、粗大ごみからのピックアップ回収は減少で、不燃ごみからのピックアップ回収は増加へ、
足立区、江東区は不燃ごみ資源化事業で、全量民間委託している。そして、板橋区も不燃ごみ資源化事業、びっくり!!



●資源回収実績(集団回収)品目別推移

集団回収の紙類は、令和2年度は約7千トンの減少




●23区 資源回収(品目別)実績(行政回収) 区別 





●23区 資源回収実績(ピックアップ回収) 区別 

各区ともがんばっていますね、すばらしい!!
練馬区が始めた頃は、そこまでするかと思ったものだが、、、
拠点回収を増やしても、ごみに出してしまう区民も多いので、、
粗大ごみのその他は布団など、不燃のみのその他は電池・蛍光灯・水銀含有物・陶磁器・金属類など


注) 1 粗大ごみの「その他」は、
 港区:木材・羽毛布団,
 世田谷区:羽毛布団,
 練馬区:布団,
 足立区:木材・布団です。
※大田区の羽毛布団:4,248枚は回収重量に計上せず。

2 不燃ごみの「その他」は 
 中央区:不燃ごみ受け入れ分,
 江東区:不燃ごみ受け入れ分,
 港区:コード類・蛍光管,
 新宿区:びん・缶・ペットボトル・スプレー缶・乾電池・蛍光管・水銀使用製品、
 文京区:水銀使用製品、
 台東区:陶磁器類・ガラス類・水銀使用製品・コード類・電池・ライター・缶類・可燃物等,
 墨田区:陶磁器類・蛍光管等、
 大田区:電池・ 蛍光管,
 世田谷区:蛍光管・スプレー缶・ライター,
 中野区:スプレー缶、缶類、コード類、可燃物、蛍光管、管球類、電池、ライター、びん、ガラス、陶磁器類、ダンボール、
 北区:プラスチック・びん・紙類・繊維・電池・ガラス・ライター・蛍光管・電球・かさ・陶磁器類・塗料缶・体温計・血圧計、
 荒川区:蛍光管・コード類・電池類・ガラス類等、
 板橋区:缶類・蛍光管等・電池・ライター・びん・ガラス・陶磁器類・ダンボール・スプレー缶等、
 練馬区:蛍光管、 
 足立区:びん・ガラス・蛍光管・電池類・陶磁器類・紙類・繊維・プラスチック等、
 葛飾区:蛍光管

 
●23区 資源回収実績(集団回収) 区別

集団回収は古紙が中心





 

23区の紙類の回収状況

紙類回収量の減少について、
行政や回収業界は、「古紙持ち去り」が主な原因かのように言われ続けていたが、今では、中国の古紙など輸入規制で、古紙持ち去りのメリットもなくなったのだろうか?最近は持ち去りはあまり言われなくなった。

紙類の生産と消費の減少や、古紙回収の多様化などあれど、それでも、国内の古紙の回収量は、消費量を上回っている。中国以外の国への古紙輸出も増えてきてるが、古紙価格の下落などで、古紙回収事業者は採算割れ、集団回収が停止する地域も、古紙回収業界も「集団回収事業非常事態」も、、、

集めた古紙が、製紙会社で使われずにだぶついては困る、、
集団回収の停滞で、古紙がみすみす可燃ごみになるのも困る、、、、
ということで、なんとか、古紙が焼却されずに再生資源として活かされることを願うのだが、、



●紙類回収実績の推移

回収量の激減は、なんとか持ち直していたが、、、
令和2年度は、行政回収の回収量が集団回収を上回る、

行政回収は前年度よりも約2万トンの増加、集団回収は約7千トンの減少、、


●【紙類】行政回収分類 

令和2年度、「新聞」は横ばい、「雑誌・雑がみ」「段ボール」は増えている。
多くの区で、「雑がみ」回収にも力を入れている~





●【紙類】集団回収分類 

令和2年度、新聞は減少、段ボールは増加、




●区別 【紙類】 行政回収・集団回収実績

☆中野、荒川、目黒は行政回収を止めて集団回収に一元化。
世田谷区の紙類回収は、行政回収が8割を超えている、、
多くの区では、集団回収に力を入れているが、その割合も集団回収の回収量減少で、、、、、、





●行政回収実績推移

令和2年度、中野、荒川、目黒以外の区は、すべて前年度よりも増加している




●集団回収実績推移


令和2年度千代田区と板橋区で増加、その他は減少、、、
目黒、中野も増加、、、




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☆23区 プラスチックなどの回収状況

全ての区で古紙、缶、びん、ペットボトルの回収は行っている。

プラスチックに関しては、容器包装プラスチックの回収を行っていない区も、食品トレイや一部のプラスチック類の回収はしているが、、、


● 行政によるペットボトル回収

赤枠のある区は指定法人ルート、
しかし、各区の回収量と、容リ協会上期、下期の申込とかなりの差がある区は、独自ルートでも売却しているのだろう。葛飾区は葛飾区・全国清涼飲料連合会『ボトルtoボトル取り組み』 2021年度から、、




● 集団回収によるその他回収

荒川区は、基本的に、資源は集団回収なので、ペットボトルも集団回収で集める。
たぶん、集団回収分ペットボトルも、指定法人ルート。荒川区の集団回収はかなり特殊なので、民民というより、かなりの行政関与型。集団回収にかなりの報奨金を出しても、行政回収よりもコストはかからないのだろう?


●23区プラスチック製容器包装(ペットボトルを除く)
これ以上は増えないのか、23区の容器包装プラスチックの回収量






参考

令和3年度 容リ法指定法人ルートのプラスチック製容器包装落札結果、23区の再商品化事業者は~ 2021年04月08日

●23区 容器包装プラスチックの分別収集実施区の実績量の経年推移

23区、プラスチックの分別回収実施区の回収量、現状維持または減少傾向だったのだが、、なんと、令和3年度は、新宿、江東、品川、目黒、杉並、練馬、葛飾、江戸川で大きく増加の契約、、、製品プラスチックの一括回収もありなのか? 練馬区は約500トン増加の5,100トンの契約量


プラスチック製容器包装は、平成18年度から実施の杉並、中野に続き、着実に実施区は増えたものの、もうこれ以上の実施はないかもしれないとも思ったが、、指定法人ルート での実施は大田区が離脱で12区+文京区となった。(文京はやる気があるのかどうかわからない) 23区中の12区実施で約52%の実施率。人口カバー率でも51%の実施率しかない。ところが、令和2年度の板橋に続いて、令和3年度は豊島も契約、、

リサイクルにしても、ごみ量と同様に、分別収集量の増加が望ましいのかどうかは意見が分かれ るが、とくにプラスチックについては判断が難しい。そして、容リ法、指定法人ルートの場合は、計画量(契約量)と、実績の乖離をできるだけなくすように求 められる。計画量などが、再商品化委託料金の算出基準に係わるのだろう。(再商品化費用を容器包装プラスチックの生産・利用事業者から集める際の。)これ までは、多く集めて、再商品化量が少なかった場合は、事業者に戻していたが、今は、その余剰分は、「市町村への資金拠出」として配分される制度になってい る。ということで、計画と実績の乖離が少なくなるように、市町村も、年々実態を見極めながら無理な計画量を出さなくなった。ごみ化したプラスチックで、D ランクになっても困るし、なんともやっかいな、容リプラの資源化。


●容リ協会との容器包装プラスチックの契約量と実績量

 




●23区 蛍光管、乾電池、布類、廃食油、使用済小型家電の回収(行政回収)  
※紙類、びん、缶、ペットボトル、容器包装プラスチック類を除く品目

蛍光管も、小型家電の拠点回収も、実施区も拠点数も前年度よりもずいぶん増えている。
江東区は、「平成28年9月19日から蛍光管や乾電池等の水銀を含んだ廃棄物はステーション回収」となる。とはいえ、ステーションでのピックアップというか、パーカー車に入れないように取り分けて別車で回収。

平成32年以降は廃蛍光管等は埋立処理はできなくなる、、

気になるのは23区は「有害ごみ」の区分がないので、水銀含む廃棄物も区によってさまざまである。拠点回収やピックアップ回収は増えたけど、今も、「不燃ごみ」の扱いの区はある。しかし、東京都は、平成32年までのできるだけ早い時期に、廃蛍光管等の埋立を終了する」とした。各区とも、廃蛍光管等の分別回収が必要になるのだが、、令和2年度時点では、ステーション回収、拠点回収、ピックアップ回収で、蛍光管の回収実績のない江戸川区はどうなっているのか?

国内で製造される乾電池も、水銀ゼロとはなっていても、廃棄される乾電池はまだまだ水銀を相当含んでいる製品もある。(参考:中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案) 不燃ごみ中の総水銀・含有重金属など

●23区 蛍光管・乾電池 回収状況(令和2年度)

 

●23区行政回収(製品プラスチック、スプレー缶、電池、蛍光管、陶磁器など)

陶磁器の回収も、墨田区や中野区でニュースになっていたので、増えるかと思ったが、ステーションも拠点でも回収はなし。しかし、不燃ごみからの陶磁器のピックアップ回収は台東区、墨田区、中野区、足立区、北区、板橋区、足立区と前年度よりも増えた~

●23区 布類、古着回収の状況 

古着回収も定着してきた、
江東区は、区民まつりでの回収、区内施設での定期的に巡回回収を実施している。

 

とりあえず~


関連(本ブログ) ごみ量等は↓↓
23区清掃一組 「清掃事業年報(令和2年度)」 -23区のごみ量は約256万トン前年度より約21万トンの減少2021年08月24日

 


 

参考までに、、、

江東区民なので、、、
江東区のごみ量とリサイクル量で年度推移をみてみると、、、

ちなみに江東区の人口は、23区の中でも人口の増加激しく、、、
平成12年は384,855 人、令和2年は526,631 人と,人口は約14万以上の増加、
区収集ごみ量は110,999トンから93,237.35 トンと 約2万トン減少している~

●江東区のごみ量推移(区収集ごみ)

 

●江東区 リサイクル量推移

資源回収は、容器包装プラスチックはじめ、各種品目の行政回収を推進しているが、、、
やはり、紙類の回収量減少で全体の回収量、1人あたりの回収量に大きな変動も、、、
集団回収のほとんどは古紙回収である


●江東区 リサイクル実績(行政回収)種類別推移

 

●江東区 電池・蛍光管回収実績推移

なにが言いたいかというと、、、
水銀含む廃棄物の回収、拠点回収や店頭回収だけでは回収量はあまり期待できない、、、
やはり、、可能な限り、集積所、ステーション回収が望ましい、、
とはいえ、蛍光管などは日常的にでてくるものではないので、この先はどうなるか?
平成30年度以降、ずいぶん減少傾向が続く、、

 

とりあえず~
 
 
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