○五体俳句004・髪01・永田耕衣
○「後ろにも髪抜け落つる山河かな」(永田耕衣01)
○季語(無季)
【鑑賞】:五体とはいえないまでも髪は人間の一部です。あらゆる動物の毛のなかでも髪は人間の毛に限られます(たてがみという動物の毛もありますが髪の漢字は使いません)。また、あらゆる人間の毛のなかでも、髪は頭部の毛に限られます。髪の毛への人間の思いは老若男女を問わず深いものがあります。前後左右問わず髪は日々抜け落ちているのです。
○永田耕衣(ながたこうい)(1900~1997)
○好きな一句「夢の世に葱をつくりて寂しさよ」02
○季語(葱・三冬)
【Profile】:兵庫県加古川出身。三菱製紙高砂工場に勤務。17歳より多くの俳誌を遍歴した。「天狼」時代には根源俳句論を唱えた。「俳句評論」創刊に参加。1949年創刊の「琴座」が主宰誌として本拠となった。95年の阪神大震災も95歳で被災した。句集に「加古」「「驢鳴集」「吹毛集」「殺佛」「物質」「葱室」など。
永田耕衣掲載句
03野菊道数個の我の別れ行く(野菊・秋)〈方法13・幽体離脱2〉2010/10/21
04両岸に両手かけたり春の暮(春の暮)〈五体32・両手1〉2011/3/1
05腸の先ず古びゆく揚雲雀(揚雲雀・春)〈五体37・腸(はらわた)2〉2011/4/19
06コーヒー店永遠に在り秋の雨(秋の雨)〈93次元・永遠1〉2012/9/2
07枯草や住居無くんば命熱し(枯草・冬)〈五感112・熱感1〉2013/1/17
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