10月も中旬を過ぎましたね~。夜が寒くて目が覚めるようになってしまいちょっと寝不足気味です。
さて、今回は予告通り読書感想文を書いていこうと思います。今回取り上げるのが貴志祐介さんの『十三番目の人格 ISOLA』です。ってまた貴志さんの作品かよって思われるかもしれませんが、貴志さんの作品ってワタクシと相性いいみたいですっかりハマっております。ではではいってみましょう。
貴志祐介著『十三番目の人格 ISOLA』
1996年4月18日発行のホラー小説です。元は「ISOLA」のタイトルで第3回日本ホラー小説大賞佳作に選ばれ、後に「十三番目の人格 ISOLA」に改名され角川ホラー文庫より出版されました。ちなみに『ISOLA 多重人格少女』の名前で映画化・漫画化もされています。
あらすじ
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。(Amazon当該商品ページから引用)
感想
人の心を読むことができる主人公と多重人格の少女に潜む最悪の人格”イソラ”との対決はなかなか楽しかったですね。まぁ主人公が超能力者という設定は賛否あるでしょうが、相手が多重人格者なので”心の声”を聞くことに物語が進展していくため、うまく機能していたと思います。
多重人格者の心の中で交わされる別人格同士の会話を心を読んで聞くという演出は個人的には好きです。この演出だけでも物語がミステリアスになりますし、人格同士の会話を通じて小出しにされる読者へのヒントによってあれこれ物語の展開を考えることができて楽しかったです。
また相変わらず読みやすい文章や構成だったのでワタクシのような人間でもスラスラ読み進めることができました。”イソラ”の正体のアイデアやその謎に迫る展開には引き込まれ、面白く読むことができました。
ただ”イソラ”がホラーものの敵としては幾分狂気が足らない、あえていうなら普通の殺人犯程度の狂気(本を読んでもらえばわかると思います)なもんだから『黒い家』のラスボスに比べるとどうも迫力が足らない。”イソラ”の能力でもっとスケールの大きい大災厄でも巻き起こすなどのもっとどす黒い狂気を露わにしてくれないと正直もの足りなかったですね。
そこそこの長編ですが、読みやすい文章なので意外にハードルが低い作品です。序盤に保険会社の業務の詳細が長々続く『黒い家』よりも読みやすいですね。
それにしても”イソラ”の正体に関する貴志さんのアイデアは素晴らしいですね。オカルト的なものを科学的なものを混ぜて読者に「これなら現実にもありそう」と思わせる発想には脱帽です。
ちょっとネタバレですが、本作は全然すっきり終わらないんです。むしろバッドエンドと言ってもいいかもしれないのですが、その終わり方が続編を期待させるんです。続編書いてくれないかな?と密かに思っております。
ISOLA Trailer
2000年に映画化されているようですが、だいぶ設定が変更されているとのこと。観たいような観たくないような・・・・。原作付の映像化ってだいたい自分の中の想像の上をいくものがなくてガッカリするんですよね~。
黒澤明監督のお孫さんが出てるらしいですね。ていうか芸能界にデビューしてたんだ、知らんかった。
ということで今回は以上です。次回はスカパー課題アニメの11月号その①『火の鳥 鳳凰編』の感想を書いていく予定ですので、乞うご期待。
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さて、今回は予告通り読書感想文を書いていこうと思います。今回取り上げるのが貴志祐介さんの『十三番目の人格 ISOLA』です。ってまた貴志さんの作品かよって思われるかもしれませんが、貴志さんの作品ってワタクシと相性いいみたいですっかりハマっております。ではではいってみましょう。
貴志祐介著『十三番目の人格 ISOLA』
1996年4月18日発行のホラー小説です。元は「ISOLA」のタイトルで第3回日本ホラー小説大賞佳作に選ばれ、後に「十三番目の人格 ISOLA」に改名され角川ホラー文庫より出版されました。ちなみに『ISOLA 多重人格少女』の名前で映画化・漫画化もされています。
あらすじ
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。(Amazon当該商品ページから引用)
感想
人の心を読むことができる主人公と多重人格の少女に潜む最悪の人格”イソラ”との対決はなかなか楽しかったですね。まぁ主人公が超能力者という設定は賛否あるでしょうが、相手が多重人格者なので”心の声”を聞くことに物語が進展していくため、うまく機能していたと思います。
多重人格者の心の中で交わされる別人格同士の会話を心を読んで聞くという演出は個人的には好きです。この演出だけでも物語がミステリアスになりますし、人格同士の会話を通じて小出しにされる読者へのヒントによってあれこれ物語の展開を考えることができて楽しかったです。
また相変わらず読みやすい文章や構成だったのでワタクシのような人間でもスラスラ読み進めることができました。”イソラ”の正体のアイデアやその謎に迫る展開には引き込まれ、面白く読むことができました。
ただ”イソラ”がホラーものの敵としては幾分狂気が足らない、あえていうなら普通の殺人犯程度の狂気(本を読んでもらえばわかると思います)なもんだから『黒い家』のラスボスに比べるとどうも迫力が足らない。”イソラ”の能力でもっとスケールの大きい大災厄でも巻き起こすなどのもっとどす黒い狂気を露わにしてくれないと正直もの足りなかったですね。
十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫) | |
貴志 祐介 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
そこそこの長編ですが、読みやすい文章なので意外にハードルが低い作品です。序盤に保険会社の業務の詳細が長々続く『黒い家』よりも読みやすいですね。
それにしても”イソラ”の正体に関する貴志さんのアイデアは素晴らしいですね。オカルト的なものを科学的なものを混ぜて読者に「これなら現実にもありそう」と思わせる発想には脱帽です。
ちょっとネタバレですが、本作は全然すっきり終わらないんです。むしろバッドエンドと言ってもいいかもしれないのですが、その終わり方が続編を期待させるんです。続編書いてくれないかな?と密かに思っております。
ISOLA Trailer
2000年に映画化されているようですが、だいぶ設定が変更されているとのこと。観たいような観たくないような・・・・。原作付の映像化ってだいたい自分の中の想像の上をいくものがなくてガッカリするんですよね~。
ISOLA 多重人格少女 [DVD] | |
貴志祐介 | |
PI,ASM/角川書店 |
黒澤明監督のお孫さんが出てるらしいですね。ていうか芸能界にデビューしてたんだ、知らんかった。
ということで今回は以上です。次回はスカパー課題アニメの11月号その①『火の鳥 鳳凰編』の感想を書いていく予定ですので、乞うご期待。
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