日明の笑顔

3/30（日）に密かに行われた日明兄さんプレゼンツ
THE OUTSIDERの旗揚げ興行を観に行った友人と
電話で話す。彼はＲＩＮＧＳ全盛期を共有した友人。
開口一番、『来なくて良かったよ…ガキの喧嘩だ。
見世物だ。観戦すると言うより、野次馬になった気に
させられた。何でそうなるのかな…日明兄さん。』
誤解の無いように、お伝えしておくが、彼は僕より
全然、格闘技に精通している。ベテランファンで、
出場選手を冒涜したい訳ではない。
そんな彼曰く

確かに、イベントコンセプトには魅力がある。しかし、
中には”不良（ワル）”として無理矢理にニックネームを
付けられた格闘技経験者と、本当に俗世間で通称名を
持っている”喧嘩上等”が混在していたらしい。まぁ、
無茶苦茶な話だ。でも、だからこそ、オモシロイのかも。
会場の空気は、今までのどんな興行より、殺伐としていて
リングが決闘場に見えた。それは、まるで有名観光地の
混雑するバス駐車場の様だったらしい。次々に訪れる
幾多の学校同士が牽制し合うバチバチの雰囲気。

でも、まぁ、格闘技の原点は”強さ”の誇示であり、元不良、
元暴走族であっても、己の力量と努力次第で、頂点を
取れる単純明快でシンプルな世界。過去にも、そんな
経歴を持った王者も沢山いた。だから、この大会は嫌い
ではない。しかし、修斗アマチュア大会などと比較すると
余りに試合毎のレベル差が有りすぎた。『格闘技は殺し
合いではない。』と常々、公言してきた日明兄さんが、
ここに来て放った変化球…。チカラの解放先を求め彷徨う
若者に、目標となる場を提供するのは、”社会貢献”的
見地で言えば、格闘技界のイメージ向上に繋がる一歩
かもしれないが、正直、ジレンマが残る。

そのジレンマとは、”日明兄さんらしくない”発想だと彼は
言った。アマチュアから出直して来い、格闘技をなめるな！と
金子賢に口上を述べた人が、こんな大会を主催するとは…。
単純に行動を共にしてきた悪魔将軍”谷川”氏に感化された
のか？それとも、日明兄さんがＲＩＮＧＳ再開に行き詰まり、
格闘技人生を見つめ直した時、ふと、思い出した過去や
原点に通ずる何かが閃いたのか？謎である。そして、彼が
言った感想で一番、耳に残ったのが『でも、日明兄さん、
ここ最近で一番、嬉しそうな顔していた。』これを聞いて、
僕は俄然、観たくなった。会場内でのオヤジ狩りの危険が
伴っても、何がそこにあるのか知りたくなった。