U魂(ウコン)

◆『U.W.F』最強伝説を追い求める
36歳 おやじブログ

【第3闘議】 師匠 ノゲイラ ③

2004-09-28 | コラム 闘議
このヒョードルとの試合について、周囲と僕は意見が
かなり食い違う。確かに、ヒョードルは強かった。
が、試合結果はどうだろうか…KO?TKO?いや、
最終ラウンドまで縺れ、ヒョードルの”判定勝ち”だった。
ノゲイラは極められなかったのはではなく、ヒョードルに
決めさせなかったのだ!と言いたい。
圧倒的に劣勢の中、普通の選手ならば、ダメージと共に心が折れ、
タップアウト若しくはレフリーストップになる状況で、彼は防御と
反撃を最後まで試み、フルラウンドを闘い抜いたのだ。
しかし、終了を告げるゴングにノゲイラは結果を聞かずとも、
自ら両手でマットを叩いて涙した。
そして、彼はバックステージに帰る通路で『今までの何倍も
練習してやる。もう一度チャンスが欲しい。』と関係者に
泣きながら話したそうだ。

ヒョードル戦後の彼に対する評価は、ガタ落ちだった。
皆、言いたい放題で気分が悪かった。
『ノゲイラの攻撃は、もう、通じない。』と大勢の人が言った。
しかし、この軽視の声を師匠は自力で覆した。
それも無敵を誇る”もう一人の兵”ミルコを相手に。
あの試合、『1Rのゴングがなければ、ミルコの・・・』と
言う人もいるが、ノゲイラはミルコのハイキックを受けたが、
過去の対戦者の様に”失神”していなかった。
確かに、このラウンドは、ミルコが計算通りにミドルキックと
左ストレートを有効に使い、ノゲイラを確実に追い込んでいた。
しかし、ノゲイラは、その猛攻を耐え凌ぎ、決めさせなかった。
そして運命の2R、鍛え抜かれた腹筋と背筋を最大限に生かし
超人的なバネでスイープを試みるミルコが、体を反転させマットに
手を着いたスキをノゲイラは見逃さず、その腕を引き込み
見事な”逆十字”へと…1R終了時には、誰もが予測しなかった
大逆転を勝ち取る。
この勝利の瞬間にノゲイラがとったポーズは、ヴォルク・ハンを
彷彿とさせる”天を仰ぐポーズ”で、全身に後光が射していた。

(後に、この試合のVTRを見ると小池栄子が幾度となく
藤原紀香的な、耳障りな奇声を上げる。やはり、ゲストには
”物言わぬハセキョー”が一番だと悟った瞬間でもあった。)

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