U魂(ウコン)

◆『U.W.F』最強伝説を追い求める
36歳 おやじブログ

【第6闘議】 格闘聖典 復活②

2005-03-11 | コラム 闘議
その代償として桜庭本人は 、見るに耐えない四肢となり、
怪我とリハビリを繰り返す毎日である。プロレスラーとして
リングに上がっていた、桜庭本人が誰も責めていないので、
責任の所在は問うべきではないが、主催者であるDSEは
HEROを過労死させたと言わざる得ない。
後になり、桜庭頼り体質を改善する為、慌てて”ポスト桜庭”の
発掘に乗り出したが、どの策も急場凌ぎの感があり、継続しなかった。
BESTというプレ大会は、期待した選手たちの成果が出ず廃止。
PRIDEチャレンジとして、アマ選手からの発掘を目的とした
競技会も開催しているが、これも不定期で継続的とは言えない。
こうしたミドル級新人発掘作業の中で、試行錯誤を繰り返している内に、
突然、視点を変えて有力日本人選手が最も多いクラスである
中軽量級へとシフトし、武士道という大会を立ち上げた。
発表会見では、新しい階級で日本人選手の活躍の場を作りたい。
と発言していたが、後になって、元々、他団体で実績のあった
選手たちをPRIDEの”NEW HERO”と生え抜きで
あるかの如く仕立て上げて成功を収めた。
だが、PRIDEのメインカテゴリーの一つであるミドル級にも、
日本人HEROは必要不可欠であり、散々、苦労した割には
吉田秀彦を召集した策が功を奏し、その後は味を占めて中村・瀧本と
柔道家の乱発を始めてしまう。他ジャンルの格闘家がMMAの舞台で
どれ位のポテンシャルを魅せるのか?という興味は出るが、
繰り返されると飽きてしまう。

代表者の死、大晦日格闘技戦争による関係者や関係団体との離別、
ムーブメント任せの映画界への進出と少々のトラブルやピントが
外れても、選手たちの活躍と圧倒的なメディア力により、
PRIDEは拡大し続け、いかなる物も追い風に変え、
総合格闘技界を牽引してきた。しかし、ココに来て、復興した
”リングス前田日明”に対する焦りから4月3日に行われる
武士道では、自らの基本コンセプトをも覆し、前田日明のもつ
”強み”に怯え、明らかなリングスネットワークの”再興阻止”と
言える、捨て身のマッチメイクで選手確保に動き出した。
”自負あらば、恐れなし”演出・宣伝の手法などコンテンツとしての
運営能力は抜群のDSEだが、格闘技を”興行”ではなく
”競技”として考えた時、永劫の発展の為に最も重要な課題である
”次世代の発掘と育成”を疎かにしてきた最大の過ちに、遅ればせ
ながら気付き、業界の覇者として振舞ってもいられなくなった。
その要因は、前田日明という”最強聖典”の復活劇に他ならない。
揺るぎない信念を持ち、次世代に受け継ぐ作業を怠らず、
様々なモノとも戦い続け、世間との温度差・時間差が無くなった今、
前田日明が動き出した脅威は、今までのそれとは比べ物にならない。
しかし、復活したリングスが興行的にPRIDEを超え、
必ず大成するとは限らない。でも、リアリズムの世界で
根や芯の強い者が最後に負ける事は少ない。DSEが今の
アドバンテージを本物の信頼に変えるには、話題性だけでなく、
基礎や核になる”ポリシー”を見せればいい。
だから、ハッスルでHERO’sのロゴをパロディ的に使い、
相手を揶揄する幼稚な次元での対抗は、らしくないので止めた方がいい。
田村潔司の初参戦を境に、PRIDEを許し、楽しんできた僕の願いは
ライブドア&フジテレビと同様に提携して共栄の道を歩んで欲しいが、
どちらが世界最高峰のリングか?を決定するのは観客なので、体現していれば、
いずれどちらかに結果は出る。
少なくとも、利潤だけを考えた目先の潰し合いだけで、スポットの
当たり始めた総合格闘技という火をお蔵入り寸前の映画”殴者”の様に
消さないで欲しい。

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