歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

黒アルバトン

2005年11月03日 | ◆小ネタとか突っ込みとかつぶやきとか
「鋼の錬金術師」◆
腹黒アル好きさんに5つの質問(腹黒アルバトン)に答えてみました!
バトン元は有耶無耶の錬金術師様。
ハガネノココログ様、裏ヒビ様もお答えになっています。


Q1.あなたの中での腹黒アルの位置づけはどの辺り?
敢えてズレた答えを書きますが・・・私はアルを腹黒だとは思ってないんですよ~。
いわゆる「腹黒い」台詞も、「男の子だなあ」と感じます。
あれをね、釘宮エンジェルヴォイスで読むと確かに腹黒く感じるけど(笑)、私の原作アル声は違うんだもん。もっと男の子らしい声。
もちろん、釘宮さんの声も好きですよ!アニメアルはあの声だからこそ。
というわけで、私の中での腹黒アルは、原作から一歩離れてちょっと味付けして楽しむ、という位置にあります。(パロディの黒アルは(黒アルも)大好物♪)


Q2.アルが腹黒だなあと心底感じた科白は?(ネタバレ可)
「だから聞かなかったことにしろって言ったでしょう」
3巻、賢者の石の材料が生きた人間と分かったあと、ロスに向かって。
これの前は「違いますよ。暗号、解いてしまったんです」ですよ?ですます口調ですよ?!
これは目を疑いましたよ!しかもため息-3とかついてるし!

もう一つ。
「そこはほら。大佐殿がうまくやってくれるでしょう?」
11巻。スカーと戦ってホムンクルスを誘き出す作戦で、ロイに憲兵の牽制を命ずる(!)場面。
これさ、「大佐がうまくやってくれるでしょう?」だって、十分、14歳の少年が地位ある30歳に向かって言うか?ってな偉そーな物言いだってのに。
「大佐殿」ですよ、「どの」!!うわあすごいよアル!さすがだアル!

けどね。
確かに腹黒いっちゃ黒いけど。
私にはこういう科白で、「あ、仲良しになったんだ」って思えるんですよ。

ロスとブロッシュにしても。賢者の石の、つまりは錬金術の忌まわしさを知られて(賢者の石がキレイな物では無いことを、アル達は薄々予想してたと思うの)、エドが機械鎧だと知られて(あの落ち込んでる二人に少佐が急襲かけるまで、ブロッシュらはエドが義手だと知らなかったんだよね。つまり文献解読してる10日間ずっと気付かれない距離をとっていたわけだ)。
それで、アルにとってロスとブロッシュは「余所の人」じゃなくて「仲間内」になったんだと、だから急にタメ口なんだと、私には思えるんだ。

大佐にしても。エド抜きで相対して、共に戦い、「兄さんとすごく似てるんだ」と気付いて、それまでの隔たりが(大人と子供とか、軍人と一般人とか)消えたんだと思うの。
そんでエドに対するのと同様に(笑)、偉そうに指示しちゃうんだと。

アルはだって、14の男の子だよ?
最初はとりあえずお行儀良く余所余所しく距離を置いてても、大丈夫となったらいきなりタメ口。そんなんフツーじゃん。
だから、こういう科白を「腹黒だなあ」なんて、思わない。


でも「腹黒だなあと心底感じた科白」も、ある。
10巻で、アルが大佐を見舞った後。フュリーに言った科白。
「大人だったら・・・禁忌を犯してまで元の身体に戻ろうなんて考えないよ」
ちょっと間を置いてから。
胃の辺りがぞわってした。
そっか。アルは、元の身体に戻る時、再び「禁忌を犯す」ことを、すでに覚悟してるんだ。
アルは、この旅路の果てに、元の身体に戻るという希望と並んで、再びの禁忌という闇を見ている。
それでもなお「一緒に元の身体に戻る」という約束を、兄と結んでいるのだと。共に禁忌を犯すことも含めて。
黒い、というより暗い、ですね。


Q3.また、腹黒だなあと思った行動は?(ネタバレ可)
7巻。ドルチェットにいきなり足蹴り食らわせるところ!
「でも知らない人についてっちゃいけないって師匠に習ったよ」とか油断させといてこの行動。さすがエドの弟なだけあります。
「知らない人にいきなり暴力をふるっちゃいけない」とは、習わなかった、と。そうですねあの師匠ですもんね。
その癖、8巻で「兄さんと同じケンカ馬鹿扱いされた」って素でショック受けてるあたり、いやあ黒いなあ、って思います。


Q4.腹黒アル向きのダークテイストなお薦めの楽曲がありましたら教えて下さい。(ミュージシャン名、アーティスト名明記)
ごめんなさい。音楽に疎いので思いつきません。


Q5.今後、腹黒アルにどのようなことを期待していますか?
エド抜きピンでの活躍を!
いやもう、7巻のグリード達との場面でも10巻のリザをかばう場面でも12巻収録予定話の対スカーでも、いっぱい活躍していますが。
もっともっと、エドの弟としてだけでなく、アル個人としての活躍が見たい。
作品世界における少年としての成長だけでなく、漫画キャラクターとしての成長の余地が、アルにはまだまだあると思うの!!

あ、腹黒アルじゃなくてただのアルへの期待になっちゃった。


以上。
なんか、質問の趣旨と異なる回答ばかりとなりましたが。
書いててとっても楽しかったです~!




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5 コメント

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アルだって主人公。 (聖部 翔)
2005-11-03 13:16:01
こんにちは、歌猫さまの視点の鋭さにはいつもホレボレさせられます。

一ヶ月前の記事だろうとおかまいなくトラバっちゃうのは私も同じなので、相互トラバも平にご容赦くださいませ。



で、腹黒アルとは外れちゃうんですが、

>「大人だったら・・・禁忌を犯してまで元の身体に戻ろうなんて考えないよ」

ココ! 私もすっごい引っかかりました!

兄は少年漫画の主人公として人を殺すポジションにはいないと思ってますので、兄弟別離フラグ立っちゃったかと心配しました。

が、『名前の無い墓』で「誰一人失わない道」で「身体を手に入れる」って言ってくれたので、そんな生易しい道でもないだろうけど、アルのこの姿勢が変らない事を信じたいと思います。





それでは、今日は文化の日に相応しく、対人距離感に着目して、原作を全巻読み直してみようと思います。
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TBありがとうございます (歌猫◆管理人)
2005-11-05 06:45:29
聖部様こんにちは!

こちらこそトラバありがとうございます!



>「大人だったら

エドが闇を吐露するときって、歯、くいしばっちゃうんだけど、アルはもっと淡々としてるんですよね・・・。うおん!切ないよう!

とんがったエドと柔らかいアルの差がそんな所にも表れてるなと思います。



エド好きなのにアルについて語るとやたら長くなっちゃいます(笑)。エドは主人公で皆に分かってもらってるけど、アルは自分を含めてまだまだ理解されてなくて、だから書きたくなるんだわ、うん。



鋼全巻読み返し!あー、したいしたい!

この記事書いてる時も、科白の確認にページ開いてそのまま読みつづけそうに何度なったか(笑)
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少年アル (彩比乃みゆり)
2005-11-06 23:37:45
こんばんは。

コメントとTB有難うございます(泣)。

前の記事だったので読んでいただけて、嬉しくって踊り狂い(馬鹿)です。

歌猫様の鋭い視点にはいつも感動してしまいます。



>アルはもっと淡々としてるんですよね

淡々と言うのに、行動派だったりする一面があるので、それが黒く見えたり見えなかったりするんでしょうか…?



>アルはだって、14の男の子だよ?

何だか当たり前なんですけど、改めてハッとしてしまいました。

そうなんです。学校に行ってたら中学生…(日本なら)

エドもだけど、年齢の事を考えたら考えられないような経験をしたいるわけで。

急いで大人にならなくちゃいけない部分もあっただろうと思います。でも、少年の部分も持っていたりして。

…そんな事考えたら苦しいです。



科白の確認にページ開くのは結構悪魔の囁きですね。

そのまま読み耽りますよ。

私も鋼全巻読み返したいと思います。
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ありがとうございました! (さや)
2005-11-07 20:30:43
コメントありがとうございました!

こちらにもお邪魔させていただこうと思います。



いやーこれで、書いて欲しいと願っていた方々には書いていただけて望外の喜びです。

とりあえず言ってみるもんだと(笑)



歌猫さまの視点、すごいなあと思いながら拝読しておりました。

誰でもとりあえずぶっちゃけちゃうエドとちがって、アルは自分と他人との間に明確な一線を引いていて、それを超えてきてもいい、と思った人に対しては毒舌になるのですね。それはすなわちアルの愛情表現なワケで。

ああ、愛しいなあ、アル…。



さしあたっては今週末、どんなアルに会えるのかがとても楽しみです!

それまでドラマCDでも聴き返しておこう…。

(今日久しぶりにオグダーレ聞いたら、釘宮アルがかわいすぎてどうしようかと思いましたよ…)
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コメントありがとうございます! (歌猫◆管理人)
2005-11-08 04:04:21
みゆり様、さや様、コメントありがとうございます!

それにしても「凄い偶然」は、すごかったですね~いやー本当、素敵な偶然ってあるんだなあ!



アル。うん、腹黒アルって一面も、確かにあると思います。腹黒って、まんま真っ直ぐ!なエドにはできない芸当だし、胡散臭い外面さえ演出に使えるロイやリンも、逆に腹黒にはなれない。

腹黒な言動でいけば、やっぱりアルが一番!

でも、私の中の腹黒アルは、パロディなんですよねえ。弱々しいエドとかヘタレなロイとかと同じに、原作には無いプラスアルファの楽しみ。(原作ロイはヘタレではないと思うの。ウカツではあるけどさあ!)



アルって、ぽやぽや天使ちゃんから最強裏ボスまで、すんごいキャパ広いですよね(笑)。

だからこそ私は、のびやかな田舎で育った、錬金術と兄に対するプライドは高いけど、あとはごく普通の男の子、という部分をクローズアップして見たくなるんですよ~。

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