ガンガン読んだ！ネタバレ有り！

ガンガン読んだ！

鋼アニメ宣伝ページ、声優とEDはアニメ雑誌と同じでした。
で、やっぱり何しろ嬉しいのがアイザックのオッサンの、キャラ設定ラフ画！
いや、ぜんぜん好みのキャラじゃないんだけどさあ。なんか悪役ヅラで新鮮味無いしさあ。
でも、荒川弘の絵だ、と、ただそれだけでシアワセになってしまうのよ～んv

作者の一言、ヒトコメチャンネル。お題は「世界で一番怖いもの」
荒川弘先生の回答は「山道で突然遭遇する出来たてホカホカの熊の糞はホント怖い。」
荒川先生はずーっとずーっと、一番怖いのは熊だ！とおっしゃっています。そんなに身近にいるんだなあ、熊…。

そして単行本２２巻は４月１１日発売！！
ガンガン合わせで、通常のコミックス発売日を前倒しです。
きゃー！楽しみ楽しみ！すっごい楽しみっっっ！

今月の本編は４４ページ。
先月の獣も４４ページだったので、荒川弘的にかなり多い月産枚数と思われます。が、絵に疲れを感じませんでした！線にイキオイがあるし、ギャグのキレも抜群！
以下、雑誌ネタバレです！





















マスタングが、かっこえええええーーーーーーーーーーーー！！

や、私、マスタングは大人でハンサムキャラとゆー認識はあるんですが、むしろこいつスカしやがって恥ずかしい奴だな、みたいな、そんなキョリ置いて眺めてる系なファンなんですが。

マスタングこそ、荒川弘のテンション高い時ほど格好良くなるキャラだったんだ！！と、今、気付きました！

何で最後のページがこんなに格好いいのか。
何で、格好いい！とビリビリ来てしまうのか。
それは前のページで、格好良く登場し、素人集団エドらとの格の違いを見せ付けているからだ。
前のページで、ホークアイに対して苛めっ子だからだ。
苛めっ子エンヴィーの上をゆく、優等生苛めっ子やってるからだ。
エンヴィーの台詞に一旦は「貴様のようなバカにやられるとは思えん」といなしているからだ。「貴様が！」とか喰い付いたりしないからだ。
常に上から目線の、むちゃくちゃスカした、すげえ嫌な、頭のいい奴を、やっているから。

だから、その表層が剥がれ落ち、彼の「熱さ」がばっと噴き出したとき、紙面のこちらの読者は、その焔が弾き出される前に、焼かれてしまうんだ。
ああ！
マスタング、すげえ、格好いい！！！！！


ばばん！と最終ページの。
きゃあああーーー！が。
ランファン再登場も。
ハボック再登場も。
本気出したアルも。
本気出したマスタングも。
どれもこれも、きゃあああーーー！なのが、もんのすごいコトだと思わないか？！皆！！

ばばん！と１ページまるまる使って、キーキャラ見せ場だぜ！って展開が、この立て続けでなお、有効だってーのが、すげえことなんだよ！
１ページばばん、なんて、この分厚いガンガンめくればいっぱいあるさ。それなりに読んでてそれなりに知ってるキャラがばばん！やってたら、ヒューカッコイイね！だろ？
が。
鋼はなんで、こんなにも、カッコイイのエネルギーが、高いのか。

この、演出力！
見せ場の手前の、腹の探り合いやら逃げてんのやら負けてんのやら、そういうのを、荒川弘は「楽しく」描ける。
グズグズが、ダレない。マスタングとエンヴィーの台詞掛け合いが、周りが戦闘中なのにダラダラくっちゃべってんじゃねーよ、とツッコミが入んない。つまり「冴えて」いる。
だから。
いざ！って時の見せ場が、ビリビリビリビリ、くるんだよ！！！


んでも。
荒川弘だから、さくっと横槍かもしんない。来月いきなり膝裏に小キックでカックンってされるかもしんない。
でもテンションマックスノンストップアクセル全開クライマックスだから、もうこのまま突っ走るかもしんない。
佳境だからこそ、先が読めない。
もちろん私は今でも、マスタングがエンヴィーを殺せない展開の方が好みだ。（拙ブログ過去記事）
だが、そんなことはどうでもいい！
荒川弘が繰り出す、次の一手が、何人の予想をも上回ることは、間違い無いのだから！
くぅぅぅーっ！
かっこいいぜ！マスタング！
かっこいいぜ！荒川弘っ！！



そして。うわあお！と思わせたキャラはもう一人。
ヨッキー！！！
大出世キャラ！荒川弘が最大に愛するキャラ！ちょび髭薄ら頭のセコ小市民！
そのセコさゆえにエドやアル以上に絶対に死なない結末が約束されたザコキャラ！
奴が！
奴がやってくれたよ！(笑)
どんなに「やってくれたよ！」だろーと、その文末に(笑)がつく！
それが、ヨキだー！

そんで、ヨキに跳ねられ、ハインケルに引き摺られてるアルが可愛いvvv
重い鎧を片手でひきずっちゃうライオン、さすが！兄さんだったら絶対できない技だわね(笑)

そしてキンブリ。
余計な一言もしゃべることなく、ゴキ　ボリン、と。
雑魚悪役コーネロの最期を思い出しました。

あるキンブリーファンさんが、奴は素直に殺すなんてヌルすぎる、生死の境を永遠に彷徨うくらいが丁度いい、というようなことを、ずっとおっしゃっておられまして。（今月の感想でも。こちら）
この結末に、わあすごい、柳楽様の予想通りだ！と思いました。

常に読者の上をいく荒川弘ではあるけれど。
熱烈に強烈に特定キャラを愛するファンは、時として、荒川弘の行く道が一筋、見えることがある。
彼女にはこれが見えていた。ああ、わかる。きっと今、彼女は熱く静かに誇っている。
うん、誇ってくれ！
たかがマンガの展開にちょっぴり先に気付いたからって、なーんも役に立たないどーでもいいこと。でも、私が見た道は荒川弘も見ていたんだ、と、わかった時の高揚は、私も知っている。こっそりと。全くの自己満足で。限りなく幸福な。




話かわるけど。
セリムを「怖く」描くことに、荒川弘は慣れてきたなあ、って思う。
小さくて可愛い容姿に、恐ろしさを潜ませる、のに、もう大仰なコマ構成は要らない。
最期にキンブリを食らう大ゴマよりも、前ページのほうが、私は怖いと思う。
「常々言っていましたね」の、慈愛と錯覚するほど静かな笑み。ぺろりと、舌舐めずり。
もう、プライドの影ベタが無くとも。
セリムは、怖い。

こういう上達を見る度に、私は心底、荒川弘に惚れてしまいます…！


そして、次パートも冴えていた！
落下の描写から、オリヴィエの意識が戻り、ボトボト、ビシャ、と落ちる血。
これはもちろん、エドの脇腹に鉄骨がブッ刺さった、あの廃坑をなぞるコマ運び。
「アレックス・・・・・・」と驚愕させてページめくり、逆転の一発！
んもう！んもう！
この上手さ、このニクさが、格好いいんだからっ荒川センセっっ！！
エドが上からの落下物なら、スロウスは下からの錬成物。そして「表皮の下はいける！」と先月オリヴィエの確認を踏まえての、アームストロングの行動。
ああもーあったまイイーっ！

そんで、ギャグパートになった途端にキラリン☆が出てくるとこがまたイイ！
エドアルみたいなデフォルメキャラにならない分、アームストロングらはキラリンが「ここからギャグですよー」のしるし。読者は安心してギャグで脱力できるんだ。

「ドあほう！うちの屈強な奴らとあんな青っ白いガリガリを」
そりゃあオリヴィエ様とてアームストロング家ですもの。筋肉、お好きでらっしゃいますわよねえ(笑)

ところで「おそらくこれと同類だ」の左手が、アトム手（つかディズニー手）になってますがオリヴィエ様？あの、親指＋３本指、の。
そんな所で「アニメ作画キツくなったらこんくらい手ぇ抜いちまえよ」的エールをくださらなくても…。
これも、ホーパパ＆アル再開場面（あの、カラーの）のホーパパの手のように、コミックスでは修正入るんでしょうね（あの時はホーは６本指でしたが）。
雑誌派に最近転んだ皆様、こうゆートコロも要チェキです(笑)


メイよりシャオメイのポーズのが目がいっちゃう、メイのアクションシーン。
このパンダ、荒川弘先生がアニメで楽しみとおっしゃっておられましたが、メイのシーン担当になったアニメーターさんは、一枚一枚、パンダも同じポーズで描くんですよね？てかたまにパンダのが余分に動いてくれたりしたら、私そのシーンの動画さんに拍手送るわ！(笑)　楽しみにしてますわ～v

メイには保護者なスカーちんが可愛い。
そーだよスカメイだよやっぱ！メイにはアルよかスカーのがお似合いよ、あと５年もしたらメイちゃんもむっちりばいーん♪になるに決まってるんだからv

ゴリさんがバリーの肉切り包丁を引っ掴むコマもイイし、マスタングがホークアイに「素直な涙を」なんていぢめる台詞はもっとイイ！
あの極限のリザVSラストそしてロイVSラストを、マンガの外側からだけでなく、中に生きる登場人物さえ、茶化すネタにしてしまう。
それは読者が連綿と続く物語を思い返すきっかけにもなるし、また読者の想像が逞しければ、マスタングがホークアイに皮肉を言う事で「肩の力を抜け」と気遣っている…などと受け取ることもできる。
相対化は冷静さと自由をもたらす。

そうして今月も、主人公エドは頭が悪いまんまでした（涙）
続々と人形が出てくるんなら、倒すより拘束する方が楽じゃんか…。
でもいちいちゴリさんがエドを気に掛けてくれる展開は萌え萌えです。やんも、ゴリさんてばエドっちの大怪我からこっちずっと一緒してるから、ちみっこいのが心配でたまんないのねvうふv

さあ。来月はどうなるか。
優勢にみえる人間サイドも、実はお父様の手の平の上で踊らされているだけなのか。
セリム・プライドは本当にお父様の忠実な僕なのか。
ホーエンハイムはどこまで計算しているのか？
ブラッドレイは今どこに？
グリードリンは？ランファンは？イズミは？
「約束の日」はもうすぐに。さあ、鋼はますます目が離せない！！！