第20代安康天皇 菅原伏見西陵
安康天皇陵は奈良・平城宮跡の西1kmくらいのところ、第二阪奈道路・宝来IC近くにあります。(撮影:クロウ)
安康天皇は允恭天皇の子である。 一方仁徳天皇と日向の髪長姫との間に生まれたのが大草香皇子と若日下部命である。 安康天皇は大草香皇子と対立し、大草香皇子の子・眉輪王によって殺され、この時、難波吉士日香香とその子が殉死する。 安康天皇は大草香皇子の死後、彼の妻だった長田大郎女を妃とした。 長田大郎女は履中天皇の皇女であり、中磯姫ともいう。 連れ子の眉輪王は幼くして、自分の父・大草香皇子が安康天皇に殺されたことを知ると天皇の寝首を斬って葛城の大豪族・円大臣のもとに逃げた。 安康天皇暗殺の知らせを聞いた允恭の子・幼武皇子(後の雄略天皇)は、兄を疑い殺すと、葛城円を囲んだ。 円大臣はかねてから幼武皇子が望んでいた娘・韓媛を仕えさせ、五箇所の屯倉を幼武皇子に献上したあと、眉輪王を匿ったからには幼武皇子に応戦する他はなく、見事に戦いきった後、眉輪王を殺して、自害した。これにより幼武皇子は雄略天皇として即位した。倭王武とされる雄略天皇に比べると安康天皇への関心は低く、陵も雑な扱いを受けており、宮内庁は戦国期の城跡を陵と指定しているらしく、当時の古墳最盛期を考えると、立派な前方後円墳であったと考えられる。
春日大娘皇女
宮主宅媛 ┣橘仲皇女
葛城高額媛 ┣雌鳥皇女 荑媛(葛城蟻臣娘) ┣白香皇女
┣神功皇后170-269 ┣菟道稚郎子 ┣ 飯豊青皇女440-484┣武列天皇
息長宿禰王┃ ┣矢田皇女 ┣ 億計王(24代仁賢天皇)449-498
┣ 15代応神天皇-394(誉田別尊) 黒媛 ┣ 弘計王(23代顕宗天皇)450-487
1414代仲哀天皇┃ ┣ 市辺押磐皇子-456
┣ 麛坂皇子 ┣ 16代仁徳天皇257-399 ┣ 御馬皇子
┣ 忍熊皇子 仲姫命┣ 17代履中天皇319-405(阿智使主、平群、物部が舎人)
大中姫 ┃ ┣ 住吉仲皇子(安曇連、倭直の海人族が舎人)
品陀真若王┛ ┣ 18代反正天皇336-410
┣ 19代允恭天皇 -453
┣ 磐之媛命 ┣ 木梨軽皇子━━━━━━━━━━┓
┃ 仁徳天皇 ┃長田大郎女 ┃
┃ ┃ ┏ ┃┻眉輪王┣ ┃
┃ ┣ 大草香皇子┣ 20代安康天皇(穴穂皇子)401-456 ┃
┃ ┣ 若日下部命┣ 軽大娘皇女━━━━━━━━━━┛
┃ 日向髪長媛 ┃ ┣ 境黒彦皇子 和珥童女君
甘美内宿禰 ┃ ┗ ┃━┓ ┣ 春日大娘皇女
武内宿禰 ┣ 葛城葦田宿禰 ┣ 21代雄略天皇418-479
┣葛城襲津彦-347┃ ┃ ┣ 磐城皇子 ┃
┣巨勢小柄宿禰 ┃ ┃ ┣ 星川稚宮皇子┃
┣蘇我石川宿禰 ┣葛城玉田宿禰┃ 吉備稚媛 ┣ 22代清寧天皇444-484
┣平群木菟宿禰 ┃ ┣葛城円 ┣ 八釣白彦皇子 ┣ 稚足姫皇女
┣紀角宿禰 ┃ ┗毛媛 ┃ ┣葛城韓姫
┣羽田矢代宿禰 ┣黒媛 ┣ 坂合黒彦皇子 葛城円
┣葛城蟻臣 ┏忍坂大中姫
┣荑媛 ┗衣通姫(そとおりひめ)