いよいよ終末の日が近づき、メシア(キリスト)が直接地上を支配するとき、その国を千年王国という。千年王国に入るための条件を「悔い改め」といい、10ほどの条件があるという。その条件の一つ、つまり前兆が第一次世界大戦であるらしい。オーストリアの王・フランツ・ヨーゼフ1世(1830年-1916年)の子・ルドルフ皇太子は男爵令嬢マリー・フォン・ヴェッツェラと謎の死を遂げた。そこで、フランツ・ヨーゼフ1世の弟・カールの子・フランツ・フェルディナントは次の王継承権を握った。
1914年6月28日、オーストリアのフランツ・フェルディナントは共同統治国ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボを訪問した。このときボスニア出身のボスニア系セルビア人の民族主義者によってフランツ・フェルディナントと妻・ゾフィーが暗殺された。この暗殺事件(サラエボ事件)により、オーストリア=ハンガリーは7月23日にセルビアに対し最後通牒を発し、セルビアとの外交関係を断絶、1914年7月28日、オーストリア=ハンガリーはセルビアに宣戦布告したのである。
当時最大の工業国であったドイツはオーストリアに協力し、セルビアはロシアに協力を求めたが、ロシアのニコライ2世は日露戦争の敗北で信用を失っていた。また、グリゴリー・ラスプーチンという帝政ロシアの祈祷僧が、ニコライ2世の息子の血友病を治癒させたから、皇帝夫妻から絶大な信頼を勝ち取り、クレムリン宮殿内の貴婦人や、宮廷貴族の子女から熱烈な信仰を集めるようになる。彼が女性たちの盲目的支持を得たのは、彼の巨根と超人的な精力によるという。かくして本来セルビアに協力するはずもないロシアが、ラスプーチンの判断によってセルビア協力を承認したことで、第一次世界大戦は勃発するのである。因みにこの祈祷僧の孫が現在のロシア大統領・ウラジーミル・プーチンである。