釣れづれNickey

時々行く釣りや身近な出来事などのレポートです。つれづれなるままに、心にうつりゆくよしなし事を・・・。

自分だけなぜこんなに悩み・悲しみがあるんだろう・・・という人へ

2006年02月15日 | Weblog
でんでんむしのかなしみ (作:新美南吉)

一匹の でんでんむしがありました。
ある日、その でんでんむしは

大変なことに気が付きました。


『私は今までうっかりしていたけれど、私の背中の殻の中には、
悲しみがいっぱい詰まっているではないか。』


この悲しみは、どうしたらよいでしょう。

でんでんむしは、お友達のでんでんむしの所にやって行きました。

『私はもう、生きていられません。』 
と、そのでんでんむしはお友達に言いました。

『なんですか』 
と、お友達のでんでんむしは聞きました。

『私は、なんという不幸せなものでしょう。
私の背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっているのです』
と、はじめのでんでんむしが話しました。

すると、お友達のでんでんむしは言いました。
『あなたばかりでは、ありません。私の背中にも悲しみは、いっぱいです』

それじゃ仕方ないと思って、はじめのでんでんむしは、
別のお友達の所へ行きました。

すると、そのお友達も言いました。
『あなたばかりじゃありません。私の背中にも悲しみは、いっぱいです』


そこで、はじめのでんでんむしは、また別のお友達の所へ行きました。

こうして、お友達を順々に訪ねていきましたが、
どの友達も同じことを言うのでありました。


とうとう、はじめのでんでんむしは気がつきました。

『悲しみは誰でも持っているのだ。私ばかりではないのだ。
私は私の悲しみをこらえていかなきゃならない』

そして、このでんでんむしはもう、嘆くのをやめたのであります。

(でんでんむしのかなしみ 新美南吉 作)


いかかでした??
コメント (1)
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