
Excuse Me!
もう"赤ちゃん"ではないけれど、"幼児"と呼ぶにはちょっと早い、2-3歳くらいの子どもたちをアメリカでは Toddler(英和辞典風に言うと"よちよち歩き"の子)と呼びます。今日ご紹介する絵本 "Excuse Me!"(失礼!)の著者カレン・カッツ(Karen Katz)はこの年齢の子どもたちに絶大な人気のある絵本作家です。
"Excuse Me!"(失礼!)は幼い子のためのマナーの本です。こう書くとなんだかお説教臭い感じがしますが、表紙のイラストをご覧になってもおわかりのとおり、鮮やかな色使いと輪郭のくっきりしたイラストの愛らしい絵本。そのうえ各ページにポップアップまでが仕掛けられています。
見開きページいっぱいに、子どもに馴染みの光景が描き出されていて、短い質問が書かれています。例えば、「あ、ゲップしちゃった!何て言えばいいのかな?(You burped, What do you say?)」。そこで、答の書いてあるポップアップをめくります。すると、出てくるのは"Excuse Me!(失礼!)"
何回も「読んで!読んで!」とせがまれること請け合いの本です。数回繰り返すうちに子どもたちはすっかり暗記してしまい、質問を読んであげると、得々としてポップアップをめくりながら答を言うのを楽しむようになります。そして不思議なことに、すっかり暗記してしまっても、何度も何度も「読んで!」とリクエストされる人気絵本です。
カレンはもともとはデザイナーでした。エスニックなファブリックの模様や織柄などに強い関心を寄せながら、コスチュームのデザインを手掛けたり、キルト作家として活躍したり、ファブリックをデザインするアーティストとして活躍していた彼女が絵本作家に転向したきっかけは、グアテマラから養女をもらったことでした。
「赤ちゃんを授かったことはまるで魔法のようでした‥‥その感動をなんとか表現したくて、絵を描き、コラージュし、色づけして、それにお話をそえているうちに‥‥気づいたら、素晴らしい絵本ができていたのです」と語っています。こうしてできた最初の絵本が "Over the Moon"(お月さまの向こうから)でした。以来、カレンは20冊を超える絵本を創作しました。赤ちゃんは彼女を絵本作家にするためにはるばるやってきたのかもしれませんね。
赤ちゃんのためのハロウィーンの絵本もあります。題して「赤ちゃんのカボチャはどこ? Where's Baby's Pumpkin?」合わせてお楽しみください!
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