お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

6歳でもセクハラ?

2013-12-27 | with Art

 6歳の男児が授業中にクラスの女の子の手にキスをして「一日の自宅謹慎(テクニカルには停学)」になり、メディアで大きな話題になりました。

 事件の当事者が6歳の学童であったために、世論の反応はさまざま。「6歳の子どもに”セクハラ”の適用なんて早すぎる」「そもそもセクハラのコンセプトが説明できないのではないか?」という声もあり、「女の子に対する好意を表現しただけなのに処分なんて過剰反応」の意見もあり、もちろん「子どもでもセクハラはセクハラ。小さいときからきちんと教え、対応すべき」との意見もあり。

 ハラスメントの基本の考え方は「その行為の”受け手”がどのように感じるかがもっとも尊重されるべき」というものですから、この場合、女の子が嫌だと思ったのであれば(仮にその場で嫌だとはっきり言えなかったとしても)、たとえ男の子に悪意がなく、むしろ好意や親しみを表現しようとしたのだとしても、やはり”してはいけなかったこと(=ハラスメント)”にあたると考えられます。

 「ひとがいやがることはしてはいけない」という、一見単純に思われることを教えるにも、世界中から多種多様なひとが集まって暮らすアメリカでは、人種、国籍、宗教、文化の違い等々、知らなければいけないこと,配慮しなければいけないことがたくさんあり、思わず知らずに嫌な思いをさせてしまったときに「どうすべきか」を知っておく必要があります。

 ハラスメント教育は、アメリカの職場では職務上のトレーニングの「基本のキ」で、ガイドラインもきっちりできあがっているし、また、繰り返し研修させられる内容です。でも、小学校でのハラスメント教育は、まだ今後の課題だということがはっきりしました。アメリカ教育界の今後の対応が注目されます。

 「ひとがいやがることはしない」のはもちろん大事なことですが、一方では、嫌なことは嫌とはっきり言えることが大事です。単純なことですが、相手は気づかないだけかもしれないし、また、言わないとわからないからです。

 でも、ノーを言うのは案外むずかしい、ですね? 

 事情は、日本人だけでなく、実は、あっけらかんと見えるアメリカ人でも同じ。

 "Noni Says No"は、親しい間柄だからこそ,時にかえって言いにくい「ノー」を考える絵本です。

Noni Says No
Tundra Books
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