Teddy Bear Postman
「ゆうびんやのくまさん」は、カードやプレゼントをクリスマスに間に合うようにと村中に届ける、郵便屋さんのくまさんの、忙しいクリスマス・イブの一日を描いた絵本です。
村の人みんなに無事に配達を終えたくまさんは、家に帰って暖炉の前でくつろいでお茶を飲み(お茶です!イギリスのお話ですから!)、それからツリーの下を見て「僕のプレゼントには、何が入っているのかな・・・」と思いながら眠りにつきました、というお話。
この「僕のプレゼントには何が入っているのかな・・・?」と想いながら眠りにつく、というなんともいえない余韻が子どもは大好きです。
今では、きれいにデザインされた特製のクリスマスカードが、音楽まで添えられてeメールで届く時代になり、残念ながら、郵便受けを覗く楽しみが減ってしまいました。
娘に「ゆうびんやのくまさん」を読み聞かせていた頃は、まだクリスマスカードや年賀状がすべて郵便でやり取りされていた時代でした。いまはインターネット世代の申し子のような娘も、生まれはインターネット以前だったのか・・・とあらためて感慨深いものがありますが、同時に、彼女が子どもを育てる時には郵便屋さんってどうなっているかしら?と考えてしまいます。
この古典的なイラストが可愛いくまさんの絵本は「働くくまさんシリーズ」の一冊で、郵便屋さんのほかに、庭師のくまさん、石炭屋のくまさん、パン屋のくまさん、などのお話があります。いずれもいかにも"古き良き時代"のイギリスのお話ばかり。
庭師のくまさんが庭木を鳥の形に刈り込むなどというのは、いかにもイギリスらしい描写ですし、石炭屋さんという職業もまたしかりです。
でも、実際の暮らしでは見かけない職業でも、子どもは案外気にしません。
石炭屋さんなどは私でも見たことがないのですが、それでも、石炭屋のくまさんが街中の家に石炭を配達してまわり、荷車から石炭置き場に石炭を「どかん、どかん」と投げ入れる、という場面の繰り返しには、子どもを惹きつけるものがあり、読み聞かせる私も、聴く娘も、この「どかん、どかん」の繰り返しが大好きで、郵便屋さんと並んで、石炭屋さんのくまさんの絵本も愛読書のひとつでした。
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