お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

さいしょは な~んだ?

2011-01-27 | about 英語の絵本

First the Egg

今日の絵本はロ―ラ・V・シーゲル(Laura Vaccaro Seeger)の「First the Egg(はじめに たまご)」です。素晴らしい絵本です。が、どう説明すれば、この素晴らしさをわかっていただけるか…説明のしようがなくて途方に暮れてしまう絵本です。

お話?お話はいたってシンプルです。

はじめは たまご
それから にわとり

はじめは おたまじゃくし
それから かえる

はじめは たね
それから はな

はじめは あおむし
それから ちょうちょ

………(中略)

はじめは にわとり
それから たまご

それぞれのページに二つの単語だけ。見開き2ページでたった4語。美しい色と力づよいタッチで描かれた絵が、その短いテキストを饒舌に補って、"たまごからひよこ、ひよこからにわとり"への変身を、"たねから芽が出て花が咲く"までのプロセスを、実にくっきりとわかりやすく描ききっています。

デザインもお洒落で、切り取られたページの一部が、最初はたまご、次はひよこに……の楽しい作りは、きっと小さな子どもを喜ばせ、創意工夫の楽しさも教えそう。おまけに、もっと面白いのは表紙とカバー! 最初は見落としてしまうかも?ですが、表紙とカバーには「はじめは たまご‥‥」と「はじめは にわとり‥‥」のぐるっと回るコンセプトが両方描かれているんです!(…って書きながら、今日は、我とわが表現の無力をつくづく感じています。だって、これ、読んだだけじゃわからないでしょう?ですよね?)

というわけで、実物をご覧いただく以外にない!というのが結論です。ほんとうに優れたアートの前には言葉は無用!を実感させられる絵本でもあります。どうぞ、手に取ってご覧ください! すばらしい「『絵』本」です!

この絵本は、2008年のカルデコット賞(Caldecott Honor Book)とドクター・スースことテオドール・スース・ガイゼル賞(Theodor Seuss Geisel Award)をダブル受賞していますが、一覧一読するだけで「受賞なるほど!」とうなづけること請け合い。作者のローラは、この他にも数々の優れた作品で、多くの賞を受賞しています。たとえば「Lemons Are Not Red (レモンはあかくない)」ではAla Nortable Book Awardを、「Dog and Bear(いぬとくま)」ではBoston Horn Book Awardを受賞しています。いま、アメリカでもっとも注目されている絵本作家の一人です。




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