お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

再考‥‥世界の見る NIPPON 2010

2010-12-22 | from Silicon Valley
Photo: NY Times, January 31, 2010

アメリカで最も影響力のある新聞、ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)が、週末の"旅特集"で日本を取り上げ、トップページの数段抜きのリードに続けて見開き2面分の紙面をさいて取り上げた"いまどきのJAPAN”。トピックは、先週このブログで書いたような日本の先端技術でも、原宿ファッションでも、秋葉原でも、マンガでもなく、ましてや伝統文化の歌舞伎でも、お茶やお花でもありませんでした。特集のテーマはラーメン!題して「一期一食 One Ramen at a Time」。

全国の有名ご当地ラーメン紹介地図に並んで、東京では早稲田大学にほど近い、看板も店名も掲げていない、まさに知る人のみぞ知るラーメン店(がんこ)から一見お洒落なバーかと見まごうばかりのラーメン専門店(BASA)まで、記者自身が現地を訪問して試食した体験ルポ付き。読む前に予想したような通り一遍の解説などではありません。最近の事情に疎い私などは、日本人だと言うのが恥ずかしくなるくらい、見たことも聞いたこともないところばかり。実にディープな解説です。

ラーメンは日本の消費者の洗練された舌が育てた食文化、と記者。一度はダサいと顧みられなくなった時期もあったラーメンが、いま再び"クール"と見なおされている由。記者は「(ラーメンこそ)東京でぜひ試してみたいもの(Fun to Try!)」と強力に推薦。

「Fun to Try!とは言うは易しなのだ。実は・・・」と記者は続けます。東京のような大都会では、誰でもありとあらゆる経験ができるとはいえ、ろくに街の事情に通じていない輩は「知る人ぞ知る」場所にはちょっとやそっとではたどり着けないと。しかし、と記者はさらに続けます。探索の末にたどり着いて食す一杯のラーメンは、探しあぐねて迷い歩いた数十分の苦労をたちまち笑い話に変えてくれる!と。

確かに、最近アメリカでも、日本のラーメン・ショップが増えていて、ここシリコンバレーにも続々と専門店ができています。なるほど、まさにトレンドです。

ニューヨークタイムスが注目したのはラーメンだけではありません。一日前の1月30日には、日本の牛丼(Beef Bowl)を例に、吉野家、すき家、松屋のディスカウント競争を詳細に報じて、長引く不況下、価格引き下げ競争に歯止めがかからない、と日本のデフレをレポート(牛丼の経済学 Beef Bowl Economics)。

言われてみれば確かに、それもこれも日本のトレンド。いまどきのJAPANに違いはありません。が、それにしても・・・見開き両面の紙面を割いてまで紹介される現代日本がラーメンだけ、経済記事が牛丼だけ、というのは、やっぱりちょっと情けない・・・と感じるのは私だけでしょうか?

(2010年2月3日の記事を再掲しました)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする