お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

てんごくへいった いぬ

2010-12-09 | about 英語の絵本

Dog Heaven

冒頭から私ごとで恐縮ですが、実は、今年の春、永年一緒に暮らした愛犬を亡くしました。スパニエル系の雑種のメスで、キャンディといいました。月並みな表現ですが、ほんとうに家族同然でしたので、だんだん弱っていくのを見るのも実に辛かったのですが、やはり亡くしたあとはもっと辛いものがありました。

キャンディが私の腕の中で息絶えたとき、不思議な感じがしました。呼吸が止まった瞬間、キャンディがはっと驚いたような感じがしたと思ったら、一瞬ののち、今度はなぜか「大喜びで、全速力で走って行った・・・」という気がしたのです。

キャンディは猟犬だったので、若いころはそれはそれは俊足で、玄関から飛び出したり、海岸でちょっと放したりすると、もう一目散にだーっと走り出して、どんどん行ってしまって、いつも私をパニックさせました。でも、年をとってだんだん走らなくなり、最後は歩くのも大変になっていたのですが、死んだ直後には、若いころのように私の手をすり抜けて全速力で走って行ったという感じがしました。死んだ瞬間にキャンディがハッとしたのは「また自由に走れるようになった」ことに気づいて驚いたのじゃないでしょうか。

そして残された私は、キャンディが子犬だったころに我を忘れて全速力で走りだしてしまい、後で振り返っては困っていた時のことを思い出し、(ここで待っててやらないといけないのじゃないかな、あわてて探しにもどってくるのじゃないかな・・・)という気がしたのです。もちろん、帰ってはこなかったのですけれども・・・。

そんな私に友人が贈ってくれたのが、今日ご紹介する絵本「The Dog Heaven(いぬは、てんごくで・・・)」です。実を言うと、この絵本を読んで、またひとしきりぽろぽろ泣いたのですが、とても慰められたことも確かなので、ペットを亡くした方のためにご紹介することにしました。

犬は、死ぬと、走って天国に行きます。
もちろん、飛んで行くこともできるのですが、
犬は走るのが大好きなので、走っていけることになっているのです。
天国には犬が思い切り走れる広い広い丘や野原があり、
犬たちは、どこまでも、どこまでも、心ゆくまで走っていけます。

思う存分走りまわったら、天使に犬のビスケットをもらいます。
天使は、犬が欲しい時にはいつでもあげられるように、
ビスケットをたくさん持っています。
天国では犬たちは、いつでも、いくらでも大好きなビスケットをもらいます。

犬がたくさんいて、どの犬も本当に愉しそうです。

そして、絵本の最後は
飼い主が天国にやってくると、犬たちは、天国の門まで迎えに行きます
・・・と終わります。

キャンディはお留守番ばかりさせても文句も言わず、ずっと私たち家族にあったかく寄り添って暮らしてくれて、悪いことなんか何もしませんでしたから、きっとまっすぐ天国に行ったと思います。

でも、私はどうかなぁ?という気がするので(そんなに善人じゃないし>笑!)、天国の門でキャンディがずっと待ってたら、ずっと待たせちゃったら、どうしよう・・・と、読後は、バカなことを考えました。

作者は以前このブログでご紹介した「しんせきがやってきた(Realatives Came)」の作者シンシア・ライアント(Cynthia Ryant)です。この絵本は珍しくシンシアが絵も描いています。子どもが描いたような、シンプルでのびやかな作風で、色もきれい。ペットを亡くされた方へのプレゼントにお薦めです。

猫が大好きなあなた、猫と暮らしているあなたに贈る「ねこは、てんごくで・・・(Cat Heaven)」の絵本もあります。こちらもシンシアの作・画です。是非。






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