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お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

きょうだいが自閉症だったら

2013-11-23 | about 英語の絵本


 自閉症児の身近にいる "もう一人の子ども"、それが彼らの「きょうだい」です。自閉症のきょうだいを、日夜、毎日、見つめている子どたちの視点で描き出された絵本には、素朴な説得力があります。

 たとえば、自閉症の弟イアンについて姉のジュリーはこう語ります。「自閉症があると、モノの見え方も聞こえ方も普通の人とは違うの。手触りや味覚や臭いも普通の人とは違うの。イアンの脳は普通の人とは違うふうに働いているから」
 
 でも、ジュリーに分かっているのはここまで。だから、わかっていても、もちろんイアンのことが大好きなんだけれど・・・時にイアンの行動が理解できずに困惑し、いら立ち、また人前では恥ずかしくも思ってしまったりするのです。(「Ian's Walk」)

Ian's Walk: A Story About Autism
Albert Whitman & Co


 きょうだいの、時にアンビバレンツな思いを率直に描いた絵本はほかにも出版されています。"Tacos, Anyone?"もおすすめの一冊ですし、"All About My Brother"も定評ある一冊です。

Tacos Anyone?/alguien Quiere Tacos?: An Autism Story/una Historia De Autismo Libro Dos
メーカー情報なし


All About My Brother
Autism Asperger Pub Co
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くまさん その3:絵本の古典

2013-11-22 | about 英語の絵本


 クマさん絵本の古典と言えば、まずは "Three Bears(邦訳:さんびきのクマ)" のお話がありますね。「夕ご飯のおかゆ(小さい時に読んでもらった絵本はスープだったような気もするのですが???)が冷めるまで、ちょっとお散歩に・・・」と親子でお出かけしたクマさんのお家に、お留守の間に女の子が入り込んでしまい・・・あとはきっとご存知だと思います。が、読み返してみると、おかゆかスープか、だけでなく、案外忘れていることがいろいろあって・・・きっと、もう一度楽しめます。

The Three Bears
HMH Books for Young Readers


 アメリカの赤ちゃんのベストフレンドといえば "Little Bear(邦訳:こぐまちゃん)" です。ロッキングチェアに座ったお母さんグマにだっこされた"こぐまちゃん”が描かれた表紙を眺めるだけで気持ちがほのぼのとする絵本です。シリーズでたくさんの続編が出版されているだけでなく、テレビシリーズにもなりました。人気のこぐまちゃんは,さまざまなグッズにもなりました。

Little Bear (I Can Read Book 1)
HarperCollins


 誰か買ってくれないかなぁ・・・とデパートで待ちくたびれていた、ぬいぐるみのクマちゃん:コーデュロイが主人公の絵本が "Corduroy(邦訳:コーデュロイ)" です。人気絵本は、大統領の読み聞かせのお供をしたり、文盲撲滅キャンペーンの推薦図書の絵本に選ばれたり、大活躍です。

Corduroy
Puffin


 




 クマさんの絵本は、きりがありませんね!
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ともだちが自閉症だったら

2013-11-21 | about 英語の絵本


 あまり知られていないのですが、アメリカは自閉症に関する研究、治療、教育などの先進国です。研究や治療が進んだ理由のひとつは、自閉症児の出生率の高さ(あるいは自閉症の確定診断率の高さ)。保健省(CDC: Center for Disease Controle and Prevention)の調査によれば、アメリカで生まれる子どもの平均100人から110人に1人が自閉症と診断されており、実は、これは小児がんの出現頻度よりも高い数値。女児よりも男児に数倍多く、女の子では240人に1人なのに、男の子では80人に1人という高率で、誰にとっても人ごととは思えない実態なのです。自閉症対策が国家的課題の一つになっていても少しも不思議ではありません。

 自閉症に焦点をあてた絵本も少なからず出版されています。

 まずは「自閉症とはなにか」を子どもにわかりやすく解説する絵本からご紹介します。たとえば "Since We're Friends" 。自閉症の男の子マット(Matt)についての絵本。マットの様子を、友達の男の子が読者に紹介しながら解説するというスタイルで書かれています。マットはバスケットボールの練習を指示された通りにするのがむずかしいんだ。マットは”大きな音”が苦手だよ。マットは話し相手が言うことを”おうむ返し”することもあるんだ。マットは驚いたり、分かりにくい指示で混乱したり、嫌なことがあると、騒いだり、訳の分からないおかしな反応をすることがあるんだよ。でもね、これはぜ~んぶ、彼が自閉症だからなんだ。マットが混乱したら・・・?大丈夫!そんなときは、どうすればいいか教えてあげればいいんだよ。だからボクは、いつも教えてあげる。だって、ボクらは友達だもん。

Since We're Friends: An Autism Picture Book
Sky Pony Press


 "A is for Autism, F is for Friend..." それから"My Friend with Autism" などもお薦めの絵本です。

A Is for Autism, F Is for Friend: A Kid's Book on Making Friends With a Child Who Has Autism
Autism Asperger Pub Co


My Friend with Autism
Future Horizons Inc



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くまさん その2:アライグマの親子

2013-11-20 | about 英語の絵本


 日本では動物園でしか見たことがなかったアライグマも,カリフォルニアでは、街中の住宅街にもしばしば出てきます。悪気はないのでしょうが、人間の目にはいたずらで困り者。庭を荒らすだけでなく、ペットの水を飲んでしまったり、ゴミ箱をあさったり・・・。

 でも、家族仲が良く、しょっちゅう親子一緒です。夜道を一列になって歩いているのなどを見ると、やっぱり、あら、かわいい!こういうとき、決まってお父さんが先頭で、子どもたちを間にはさんで、最後尾はお母さんです(・・・というのは、大きさからの推測ですが>笑!)。

 そんなアライグマは絵本にもしばしば ”家族で登場” します。

 学校に行きたくない!とぐずる男の子を、お母さんがやさしくなだめて学校まで送ってくれるお話 "The Kissing Hand" は就学前後の子どものバイブルです。

The Kissing Hand
Tanglewood Pr


「さぁ、もう寝る時間ですよ」とお父さん、お母さんに言われても「まだ眠たくない!」とぐすぐずしてみせて、子どもたちの圧倒的な共感を誘うお話 "Bedtime for Frances(邦訳:おやすみなさいフランシス)" の主人公フランシスもアライグマです。

Bedtime for Frances (Trophy Picture Books)
HarperFestival


 写真集は今はどれも高価になってしまい、ちょっと手が出ませんが、なにしろ愛らしいので、ご参考までに。

Just Racoon Photos! Big Book of Photographs & Pictures of Racoons Vol. 1
Big Book of Photos






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”share” は大事!でも、むずかしい!

2013-11-19 | about 英語の絵本

 "Share"は(日本語に直訳すれば”分かちあう”でしょうか)、実にさまざまな場面で用いられる単語です。そして、この "share" は、アメリカの子育て上の最大の課題のひとつにして、もっとも重要な躾のキーワードのひとつです。

 小さな子の暮らしなら、お菓子を分けあう時はもちろん、ひとつのおもちゃや遊具をみんなで一緒に使う時も(日本語だと順番にね、と言うようなときですね)、ひとつのベッドで一緒にお昼寝するときも "Share" すると言います。

 もっと抽象的に「自分の感情や経験、なつかしい思い出や悲しいトラウマ体験などを(誰かに)話して聞かせる」ときも "Share" といいます。誰かの打ち明け話を聞いて「(思いきって)話してくれて、ありがとう」と言う時には "Thank you for sharing your feeling (experience) with me" と言います。

 さて、でも「Shareすること」は、時にはちょっと「我慢すること」とセットになりますね。友達とお菓子を食べるのは楽しいけれど、みんなで分けたら自分の分は少なくなってしまう・・・。だから、大事で、だから、むずかしいのですが。

 そんな子どもの複雑な心境を、大好きなクッキーの分けあいを題材に,実にユーモラスに、ハラハラどきどきの、実感あふれるお話に仕立てているのが "The Doorbell Rang" です。

 玄関のチャイムが鳴るたびに友だちがやってきて、クッキーを分けあう人がだんだん増えて・・・徐々に自分の取り分が減っていくのを見ながら、ドキドキハラハラする子どもたち。

 最後の場面では、読み手の子どももも一緒にハッと息を飲むほど緊張します。そして、それから「ああ、よかった!」とホッとする最後のオチまで、親子そろって楽しめる絵本です。

The Doorbell Rang
Greenwillow Books


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