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子ども2人不登校でした

回想その11〜大学合格と食事会〜

結局、共通一次の総合点は 地元の大学に入るのにちょうど良い点数だった。

二次試験で挽回できる自信もなかったので、第一志望校を諦め、地元の大学に願書を出した。

二次試験の勉強は全くやる気が起こらなかったが、無事に合格した。

かくして、下宿して家を脱出するという2年越しの私の策略は失敗に終わった。

私は大学受験を『敗北』と思っていたのだが、友蔵と毒子はそんなことはつゆも思わなかったようだ。

なぜなら私の合格祝いに豪華な食事会が開かれたからだ。

私の記憶では、子供の頃に家族で外食したことなんて片手で数えても指が余るくらいだ。
少なくとも、中高時代には一度もなかった。

それなのに、いきなり地元で一番格式の高いホテルのフランス料理のディナー🍽に連れて行かれたのだ

今になり親の立場で考えると、友蔵と毒子はよほど嬉しかったのだろう。

塾も行かずに自分で勝手に勉強して、県立高校から国立大学に合格したなんて

しかも大学は自転車で通える距離だから下宿代も交通費も要らない。

何というコスパの良い娘だ!!

私が親だったら大喜びだよ💢

毒親の元から飛び出したいと必死に勉強した結果、毒親を喜ばせてしまうことになるとは、何という皮肉…



毒子は私に入学式のスーツのほかに、高級ホテルのディナーを食べに行くのに恥ずかしくないようなワンピースを買ってくれた。

モノトーンで細かい千鳥模様のワンピースを着て、友蔵と毒子と3人で、高級フレンチのコースを食べに行った。

そこに兄がいないことに、当時の私は何も思わなかった。

あんな家庭で育ったから仕方がないと思うが、兄は私よりもコミュ障で変人だったので、誘われても来なかっただろう。

しかし、今思い返すと兄が大学合格した時はお祝いの食事会など開かれなかった。兄はきっと面白くなかっただろう。




家ではいつも口汚く罵り合っている友蔵と毒子が、レストランではよそ行きの顔をして普通の夫婦のように振る舞っていた。

毒子は「私はテーブルマナーを高校で習ったから知っている」と自慢して、フォークとスプーンは外側から順番に使うのだと勿体ぶって教えた。

友蔵はフランス料理なんぞ初めて食べたかのようにぎこちなくガチャガチャ音を立ててフォークとナイフを使っていた。

もちろん私も初めてのフランス料理だった。

ウェイターの前で上流家庭のふりは流石に無理だが、ふだん喧嘩などしない普通の家族の芝居をしているようだった。

とても変な感じがしたが、私はそのような芝居は嫌ではなかった。





続く







コメント一覧

uparin
@tochika @tochika さん
コメントありがとうございます。
親孝行するつもりなんてなかったのに、親孝行になってしまったのは皮肉ですが、今思うと結果的によかったのだと思います。
兄のことは当時は気にも留めていませんでした💧。今振り返るとアレ?兄がいなかったなぁと…
昔から存在感の薄い人でした。

誕生日や記念日を大切にするかどうかは家庭によって大きく違いますね。
私はどちらかと言うと記念日を忘れる人です。子どもの誕生日も大きくなるとお祝いしなくなりましたね。男だからケーキとかも喜ばないし。

銀座マキシム・ド・パリ!!私でも名前を知っている名店じゃないですか!高そうですね〜💸
閉店しちゃったんですね。残念😅
tochika
uparinさん、こんばんは。
合格おめでとうございます(^^)/
お祝いにフランス料理とは素敵ですね。
ご両親の嬉しさ、喜びが伝わります。親孝行しましたね。
目標とする大学とは違っていても、なにか幸せを感じます。

と同時に、お兄様のことが心配になります。
ご両親はuparinさんをより大事にしていたのかもですね。

私は大学合格しても何のお祝いも無かったですよ((+_+))
誕生日などもいつもと変わらず...ウチの家庭は(両親は?)そういう感じでしたから。
家族全員に忘れられている年もありましたね(>_<)

ちなみに私がフランス料理店へ初めて行ったのは30歳過ぎてからです(#^.^#)
義父が校長先生に昇進したお祝いに、義父母と私と妻の四人で東京銀座にあるマキシムドパリというお店に行きました。
この世にこれほどにお洒落でゴージャスなお店が...こんなに美しくも美味しい食べ物があったのか!?と驚いたものです。
それと、ワインの知識が無いために怖いほど高額なので驚きました。
メートルさんにワインリストを見せられたら...最低でも数万円~100万円ぐらい。
(コース料理が一人数万円でしたが、それよりも高価!)
見栄を張って一晩でかなりのお金を使いました(汗)
いつかまた行ってみたいと思っていましたが、2015年に閉店したので思い出のレストランとなりました。
uparin
@kazenonei-ro ネイロさん
お祝いしていただいてありがとうございます😊
自分でもよく頑張ったと過去の自分を褒めてあげたいです。

演技でもいいから子どもの前では親は仲良いふりをして欲しいものなんだなぁ、と思いました。
喧嘩ばかりしているように見えても、子供には分からない夫婦の絆はあると思いたいですね。
うちの両親なんてもう60年近く一緒に暮らしているわけだから。
見合いとはいえ、お互い気に入って結婚したんだろうし、若い時は仲の良い時期もあったでしょうし。
老いてもなお喧嘩ばかりなんて悲しいです😢
uparin
りんさん、それはショックだったでしょうね。でも結果オーライでしたね!
親にとっては娘が地元に残ってくれるのは嬉しいですよね。息子だとまた話は別かも知れないけど。
私も親とフランス料理を食べに行ったことなど日頃は思い出すこともなく、ブログ書きながら、そういえば行ったなぁと思い出しました。いま親の気持ちで考えると、よほど嬉しかったんだろうなぁ〜…と思います。
kazenonei-ro
おはようございます。
ウパリンさん すごい。頭いい!
大学合格おめでとう🎉
過去の時間をリアルタイムのように喜ぶ私(笑)

ご両親とのホテルでの会食
よかったですね。
きっとよそゆきの顔をしているとは思いながらも、どこかで
実は夫婦愛があるのかもしれない
喧嘩は多いけれども、実はそれと同時に子供にはわからない絆があるのかもしれないと
安心できたんでしょうかね。

私はいまだにそんな期待をどこかに持っています。
そうやって両親の夫婦のあり方を肯定しようとしています。
真実はわかりませんよね。
分からないままでいいと思うようになりました。
白黒つけず、別れていないことだけを見て
それを選んでいるんだと冷静に見続けています。

やっぱり、両親が仲良くあってほしいと願いつづける気持ちはずっとありますよね。
rin082209221107
まるで 小説のワンシーンみたい。
私は 受験したけど 滑り止めまで不合格で、
失意のドン底へ。 出願出来る大学を探して、受験 合格。県外だったので 家から出るつもりになってた。それが 家から通える公立の短大に合格(発表が遅かった)結局 そこに行くことになったの。その短大は、就職に強いこともあり、母は とても喜んで、デパートに入学用スーツで、買ってくれたな。
uparinさんと 同じだなって思い出したよ。
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