うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#317 【流川の宣戦】

2010-06-07 | #11 湘北 選抜編
山王 14
湘北 10




スティール、そして連続シュートを成功させた宮城。


「もう1本!ディフェンス止めるぞ!!」

「おうよ!!」

「はい!!」


その気合は、湘北に勢いをもたらす。




「湘北が元気になってきましたで!!」

「宮城さんがいいムードを作ってますね。」

と上杉。

「このままいけば、逆転しそうですね。」

と黒川。


「いや、そうはいかないかもな。」

と仙道は下級生たちとは、反対意見だった。

『コク。』

福田も首を縦に振った。




加藤、柳葉、福原、加藤とボールは、細かく動く。


(パスを繋いで、最後は柳葉のところだろ!?)


ボールを持っている加藤の腕が、柳葉へ向けられる。


(やっぱり!)

宮城の視線は、柳葉に向けられた。


「!!」


だが、宮城の視界にボールは見当たらない。


「フェイクか!」



『ダム!』

加藤は冷静に、宮城の視線の逆方向からゴールに切れ込んだ。




「絶妙なパスフェイク!!」

「いけーー!!キャプテン!!」




『ダムダム!』


「シュートは打たせんぞ!タラ男!」

桜木が加藤の前に立ちふさがる。


「タラ男って誰ダスか!!」


その瞬間、加藤は桜木の頭上を越える優しいパスを放った。


「ぬっ。へなチョコパス!」


ふわーっと舞ったボールは、桜木の裏でポジションをとっている河田の下へ。


「グッ!」

桜木は、慌ててバックするが、河田の分厚い背中に進路を阻まれ、動けない。

ボールは、河田の伸ばした手の中にピッタリと収まった。


そして。


『シュパ!』


綺麗なゴール下のシュートが決まった。




「美紀男の初得点ーー!!」

「キャプテンのパス最高ー!!」




「河田、ナイッシュダス。」

「ふぁい。キャプテン。」

嬉しそうな表情を浮かべる河田。


(ようやく1本入った。よし、ここからもっと頑張るぞ!
僕がポジションさえ取れば、キャプテンがパスをくれるんだ!)



「おのれ!タラ男め。」

「すまねぇ。花道。今のは俺のミスだ。」

「リョーちん、気にするな。さっさと同点に追いつこうぜ。」

「OK!」

(花道に慰められるとはよ。)にこ。



「おい、てめー。攻める気あんのか?」

「そう焦るな。楽しみはこれからだ。」

「・・・。」

「お前の成長はよくわかったぜ。だが、まだまだだ。」

「・・・。」

(にゃろう。)


「悔しかったら、早く俺を本気にさせるんだな。」

「いますぐ。」

「楽しみにしてるぜ。」

ジワジワと燃え始める沢北と流川の戦い。




(沢北のやつ、試合前に初めから全力を出せといったおいたのに、まだ集中していない。
ムラがあるところは、やっぱり全く治っていないな。)

と堂本。




山王 16
湘北 10




湘北のオフェンス。


(試合は始まったばかり、焦ることはねぇ。)

宮城は、冷静にボールを運ぶ。


柳を見る。

完全に抑えられている。

(ちっ。さすがだな。柳の動きを的確に捉えてやがる。)


桜木は、ゴール下で激しく河田とポジション争い。

河田の重い体に、思うようにポジションが取れない。

(さすがの花道もてこずってやがる。ならば。)


白田に視線を向ける。


その瞬間。


「あれこれ考えすぎダス。」

加藤の手が伸びてきた。


宮城は咄嗟にフロントチェンジ。

これが功を奏し、加藤を交わす。

(おっ、ラッキー!)


「もう1本決めてやるぜー!!」

宮城が、三度ゴールを狙いにいく。


(パスくれ!パスくれ!パスくれ!パスくれ!パスくれ!)


そこにサイドから切れてくる流川が、パスを要求する。


(流川!)


宮城は、沢北をひきつけるようにドリブルをし、流川にパスを通した。




「流川だーーー!!」

「沢北のマークが遅れている!!」




流川はパスをもらうや否や、ジャンプシュートの体勢。



『ガシ!』

桜木は、河田を素早くスクリーンアウト。

(速い!なんで、こんなに速くスクリーンアウトができるの!?)



「外せ!キツネ!」

ゴール下で叫ぶ桜木。


(誰が・・・。)

「外すか!どあほう!!」

流川、ジャンプ。


「そんな単純なシュートを打たすかよ!」


流川の右から、沢北がシュートチェック。


「!!」

「!!!」

「なーーにーー!」



流川は、ボールを左手に持ち替える。

そして、手首を使って、左手でシュートを放った。


(スナップシュートか!だが、その距離から届くかよ!!)



『パサ。』



沢北が振り向くと、静かにネットを揺らすボールが見えた。


「なっ!!」

「決めたぜ。」

「ふっ、さっきの言葉がだいぶ利いたようだな。」

「いいから、本気できやがれ。」

「よかろう。予定と少し違うが、あっ!!人の話を最後まで聞け!!」

すぐさま湘北コートに戻る流川であった。



(見せてやるよ。本物を。)にや。



沢北は不敵に笑った。




山王 16
湘北 12







続く。

#316 【集中した俺】

2010-06-05 | #11 湘北 選抜編
山王 14
湘北 6




第1Qも半分を終了していた。




「やはり、春風のところから攻めこまれているな。」

と黒川。

「湘北は、自分の相手をマッチアップするだけで、精一杯の状態。
春風のフォローに回ることができない。」

と上杉が答える。


「一層、ゾーンで固めてしまうのはどうや!」

「逆効果だ。山王の外角は悪くない。なにより、ベンチには烏山がいる。無謀だ。」

と福田。


「そうか・・・。仙道さんなら、どうはりますか?」


「俺か、俺なら・・・。」




「山王は、ジリジリ引き離してきましたね。」

「2人のスコアラーがしっかり仕事をしている。
対して、湘北は、彼らのディフェンスの前になす術がない。変化が一つほしいところね。」

「変化ですか・・・。選手交代とか?」

「湘北のベンチに、流れを変えられるような選手はいない。」

「開始早々厳しいですね。」


「どうしますか?安西先生。」

(早く手を打たないと、一気に持っていかれますよ。)




「ド素人。ゴールを守るんじゃねぇのかよ。」

「うるせー、キツネこそ小坊主ごときにやられおって。」

「やめろ2人とも。とにかく1本、止めるんだ。」

(とはいえ、どうやったら。)



柳は相変わらず柳葉にタイトにあたる。


加藤、沢北、加藤と小刻みに回ったボールは、外に開いた福原へと渡る。




「おっ!!今度は、福原だーー!!!」

「勝負するか!!」




『キュ!』


だが、柳葉が一気にインサイドに切れ込んだ。


(またか!?)

並走する柳。


福原がインサイドにボールを放り込む。




「また、柳葉だーーー!!!」

「インサイド勝負!!」

「このミスマッチは痛い!!」




『バス!』


柳を背に、ボールを受け取る柳葉。

素早いピボッドで隙を伺う。


『ダン!』


柳葉は、後方へ跳び、フェイダウェイの構え。


(届かない!!)



そこへ。


『ダン!!』



「どけ!サル風!!これ以上、チビ猿に好き勝手させるかーー!!」

ゴール下から、桜木が跳んだ。



「!!」



高い跳躍。

桜木の手の平が、柳葉のシュートコースを塞ぐ。

さすがの柳葉も一瞬の焦りを見せた。



だが。


『シュ!』


シュートモーションのままで素早くゴール下にボールを投げ込んだ。


そこにいたのは、フリーの河田。




「咄嗟にパスに変えた!巧い!!」

「河田がフリーだ!!」




「しまったぁ!」



『バシ!』


「!!」

「!!!」


驚いた表情を見せる湘北、山王の選手。



ボールを手にしていたのは。



「バレバレだぜ。」

宮城であった。


「おらーー!てめーら、いくぞーーー!!!走りやがれーー!!!」




「キャプテン!!」

「ナイス!スティール!!」

盛り上がる湘北ベンチ。




その頃、観客席の陵南。

「うぉぉぉーー!!仙道さんのいったとおりやで!」

10秒前、仙道のいった言葉。


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「俺か、俺なら、柳葉を止める。
まずは、一番あたっている選手のリズムを崩す。」


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「さすが、仙道さんや!桜木さんもよう動きました!!」

「フォローに回った宮城さんもさすがです。」

「ふっ。」にこ。




『キュ!』


『ダン!!』


『キュッキュ!』


『ダムダム!』



湘北の3線が動く。


いち早くスタートを切った柳。

すぐに追いかけた加藤。

流川、沢北も続く。

着地と同時に、桜木も駆け上がった。




「3対2--!!!」

「湘北チャンス!!」




左に流川と沢北。

右に柳と加藤。

中央から突破を図る宮城。



(ここは!)



『ダムダム!』


加藤が、柳を警戒しながら、宮城の前に立ちはだかる。

(沢北がマークする流川へのパスはないダス。つまり、自分か柳か、2つに1つダス!)


(いくぜ!加藤!!)



『ダムダム!!』


(突っ込んでくる!!)

ドライブと判断した加藤は、重心を低く構えた。



だが。



『キュ!』


「!!!」


『サッ!』


『シュ!!』



『ザシュ!!』


宮城がジャンパーを沈めた。




「うぉぉーーー!!」

「宮城が自ら決めたーー!!!」

「湘北の久しぶりの得点だーー!!」




「夏までの俺だと思うなよ。へっ。」

加藤に一言言い放つ。



「宮城さん、ナイッシュ!」



「打ってきたダス。」

「続けて入るとは思えないジャンプシュートだな。」

と沢北。

「不細工ダス。だが、宮城の強気のジャンプシュート、少しは警戒したほうがいいダスね。」

「あぁ、湘北の可能性は全て潰す。」




「宮城君、苦手と言われているジャンプシュートを決めてきましたね。
しかも、1本ほしい大事な場面で。」

「お世辞にも綺麗とはいえないジャンプシュートだったけどね。
でも、夏からの成長。冷静な判断。そして、この全国大会を勝ち抜いてきた自信が、彼を一回り大きくしたわね。」

「宮城君!No.1PGまで、あと1勝だよ!頑張って!!」




山王 14
湘北 8




『シュパ!』


「どうだ!!」




「宮城の連続シュート!!」

「湘北がノッて来たぞーー!!!」




「どうした、リョーちん!!練習でも滅多に2本連続はねぇのに!!」

「うるせーー!!集中した俺は、すげーんだ!!花道!また頼むぞ!!」

「まかせろ!!」



加藤の選択は、インサイドの河田。

河田は、この日初めて、桜木に挑んだ。


だが。


「うわぁ!」

「あまーーい!!」

桜木のディフェンスの前に、シュートを外す。


リバウンドを奪ったのは、白田。

速攻を止められるも、勢いづいた宮城は止まらない。

流川のリターンパスを受け取った宮城は、気合でミドルシュートを決めた。




「宮城さんが全開やでーー!!!
まるで、IHの借りを返すような動きやーー!!」




「宮城君!頑張れーー!!加藤君を超えていますね。」

「今のところはね。」

(だけど、そう簡単にはいかないわ、きっと。)




キャプテン宮城が、湘北に勢いを引き込んだ。



山王 14
湘北 10







続く。

#315 【本物】

2010-06-04 | #11 湘北 選抜編
山王 2
湘北 2




沢北、流川が1本ずつを決め、スタートさせた選抜決勝戦。


両校のエースの得点とあって、山王、湘北ともに大きな盛り上がりを見せていた。




「サーワキタ!サーワキタ!サーワキタ!サーワキタ!」

「ルカワ!ルカワ!ルカワ!ルカワ!」




「ぬぬぬっ。うるさい!!」

苛立ちを隠せない桜木。

「花道!沢北と流川は前座に過ぎねぇ!だろ?」

「ふっ。そうだったな。このエース桜木を際立たせるためにな!ハッハッハ!」

(ゲームコントロールよりも花道のコントロールのほうが骨が折れるぜ。)


「さぁ、ディフェンスだ!」

「おうよ。」




湘北は、山王同様、ハーフマンツーで構える。



『キュッキュ!』


『キュ!』




「ほう。その手で来ましたか。まずは、一角潰しですね、安西先生。」

髭をさする堂本。




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<<回想>>

決勝戦前夜。

湘北が宿泊する旅館『めんたいこ荘』のロビーのソファーに一人座る安西。


「柳君。」

「ん!?」

安西は、前を通り過ぎる柳に一声かけた。


「どうですか?決勝戦を前に心境は?」

「いつもと変わりません。ただ・・・。いえ、何でもありません。」

「少し話しませんか。」

「はい。」

静かにソファーに座る柳。

(こうしてみると、やっぱりカーネルにそっくりだな。)


「・・・。」

「・・・。」

しばしの沈黙。


そして、安西が口を開く。


「今大会、自分より小さい選手を相手することはありませんでしたが、君は明日、決勝の舞台に立つ。
これはどういったことだと思いますか?」

「はっはぁ?」

いきなりの質問に戸惑う柳。

「それは、君が彼らよりも勝っていたから。私はそう思います。」

「はっはい。」

「柳君には、大きい選手にも勝てる力がある。」

「・・・。」

しばらく沈黙して、柳が口を開く。


「ですが、明日の相手は、高校屈指のオフェンス能力を誇る柳葉さんです。
正直、抑えられるかどうか・・・。点も奪えるかわかりません・・・。」

柳は、心底で思っていた言葉を安西に投げかけた。


「柳君には、柳葉君よりもスピードと体力があります。やれるはずです。」

「しかし。」

「むしろ、自分より小さい相手に抑えられた柳葉君はどう思うでしょうか?
きっと、悔しさでいつものプレーが出来ない上に、オーバーペースになってしまうのではないでしょうか?
ディフェンスにおいても自分より速い選手をマークするのは難しい。
何より、彼には経験がない。」

「経験?」

「自分より速い選手とマッチアップするという経験が。」

「・・・。」

「そういった意味でも、私は柳君に分があると思っています。」

「先生・・・。」

「明日、期待していますよ。」

「はい。」


(少しでも、俺の不安を拭い去ろうと・・・。先生、ありがとうございます。)

柳は、深く頭を下げるのであった。



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柳は、柳葉にタイトについた。


「・・・。」

無表情で柳を見る柳葉だったが、かすかに口元が笑ったように見えた。

(俺の全ての体力をディフェンスに注ぎ込んででも、この人をとめてやる!)


「サル風のやつ、初めから跳ばしているな!」

ゴール下から、声を出す桜木。


(ふっ、柳のやつ。自らの考えか?)

と宮城。




「1年に止められるほど、柳葉の刃はにぶっちゃねぇぞ!」

山王ベンチの烏山。




「いくダス!」

加藤が動く。


『ダム!』


『キュ!』


柳葉も動く。



(スピードは俺のほうが上!)

食らいつく柳。


柳葉はマークを外せない。




「いいぞ!柳!!」

湘北ベンチ安田の声援。




逆サイドの沢北は動かない。


「てめー、攻める気あんのか?」

「まぁ、焦るな。いいもん見れるぞ。」

「・・・。」



『サッ!』


柳葉が、右手を上げて、パスを要求する。


『ダン!』


加藤のパス。


『バシ!』




「柳葉にボールが渡ったーー!!!」

「柳葉が来るぞーー!!」




対峙する柳と柳葉。


(横の動きなら、ぜったい負けない!!)


『スッ。』


無表情から、瞳を動かす柳葉。

柳の意識が瞳につられる。


その瞬間。



『キュ!』


ドライブが放たれた。



(!!!)


「!!!!」



「こらぁーー!!サル風!簡単に抜かれるな!!!」



「くそぉー!」

柳葉に追いつこうとサイドステップを繰り出す柳。


だが、柳葉は急ストップ。


間合いを作る。


そして、ジャンプシュートを放つ。


高さは比なれど、そのジャンプシュートは、沢北と同等といっても過言ではない鮮やかなジャンプシュートであった。


「!!」

もちろん、柳は対応することができなかった。



『シュパ!』


リングに触れることなく、ネットを揺らす。




「柳葉ーーー!!」

「ナーイシュ!柳葉ーー!!」




柳葉のシュートを見て、流川が驚いた。


(あんにゃろうも・・・。)


「いいもん見れただろ?あいつも本物だぜ。」にこり。

と沢北。



「・・・。」にこ。

一瞬、微笑む柳葉。

「・・・。」

(まじで凄い。俺はこの人に勝てるのか・・・。)




「柳葉は、沢北にも松本にもなれる山王至上最高のSGだ。
いくらスピードのある柳であっても、柳葉をとめることはできん。」

にこりと笑う堂本に対して、安西はコートをただ見つめるのであった。




山王 4
湘北 2







続く。

#314 【ぶっ倒す】

2010-06-03 | #11 湘北 選抜編
選抜優勝大会 決勝戦


山王 2
湘北 0




沢北の先制点。




「サーワキタ!サーワキタ!サーワキタ!サーワキタ!」

「サーワキタ!サーワキタ!サーワキタ!サーワキタ!」

盛り上がる山王応援団。

会場の観客をも巻き込んだ。




「沢北君が、1本決めただけで、すっすごい応援ですね・・・。」

「それほど、山王は選抜4連覇にかけているってことね。
これは、湘北も相当やりづらいわね。」

(いや、むしろ湘北を倒すことにかけているのかもしれないわね。)




観客席の陵南も同様の意見であった。

「これはまた、山王もえらい応援やで。」

「この応援に飲み込まれないように、自分たちのリズムを作る。
それが、山王を倒すための最初の試練ですね。」


『コク。』

上杉の言葉にうなずく福田。




「サンノー!サンノー!サンノー!サンノー!」

「サンノー!サンノー!サンノー!サンノー!」




「でも・・・。本当に凄い応援だな。観客の8割以上は、山王を応援しているような・・・。」

と戸惑う黒川。

「大丈夫やろか・・・。桜木さんたち・・・。」

「大丈夫さ。あいつらは、そんなたまじゃない。」

仙道は笑って答えた。




「サンノー!サンノー!サンノー!サンノー!」

「サンノー!サンノー!サンノー!サンノー!」




「花道!ボール。」


エンドラインから宮城にボールが渡る。


「ったく、庶民どもが無駄な応援を。」

「全くだぜ。勝つのは俺たちだ。やつらにも理解させてやろうぜ!」

「おうよ!だまらせてやるぞ!」



宮城が素早くボールを運ぶ。


山王は、ハーフコートマンツーの構え。

ハーフラインを越えたところで、激しく足を動かす。


「宮城。No.1ガードは、この加藤ダス。」



『ダムダム!』


「お前は深津と違って、よくしゃべる。それにそのダスも違和感があるぜ。無理してんだろ!」

「貴様には関係ないダス!」



『ダム!』


『キュッ!!』


『キュ!』




「うぉぉぉーー!!いきなり宮城が突っ込んだーーー!!!」

「いや、加藤も負けていない!!」




『ダムダム!!』


『スッ!』


桜木が、ローポからハイポにあがる。


『キュン!!』


「!!」


そこへ、針の穴を通すような鋭いパス。


「ナイスパス!」


後ろには山王の壁、河田美紀男。


「来い!桜木さん!!!」

「ふん、生意気な!」



『キュ!』


ワンフェイクを入れた宮城が、桜木のハンドトスを受けようと切れ込んだ。


(速いダス。)


桜木の脇を掠めるように、宮城がきれる。



「ぐっ!」

「白田!」

カバーに入ろうとする福原を白田が体で抑える。

(お前だけには負けるわけにいかないんだ。)


「美紀男!宮城ダスーー!!」

「ふぁい!」



『スッ!』


「!!!!」

「!!!」


『クル!』


「あっ!!」

「フェイク!!」


桜木は、宮城へパスするのではなく、ゴールに向かい回転し、シュートを狙った。



「くらえ!ヤマオーー!」


桜木の手からシュートが放たれる。




「おおぉぉーー!綺麗なジャンプシュートやで!!」

叫ぶ彦一。

「腕を上げたな。」

微笑む仙道。

「ぬっ。桜木め。」

しかめっ面の福田。




『シュ!』


「!!」にや。



『ティン!』



「ぬっ!」


「あっ!!」

「!!」



「小坊主!!!!」



「あまいよ。」にや。



沢北の指は、桜木のシュートに触れた。



「美紀男!リバウンドだーー!!」

「ふぁい!!」


「おのれー!小坊主!一度ならまだしも二度までも、この天才の邪魔をしおって!!!」

「桜木の怖さはよくわかっているからな。」にこ。

「おっ。よくわかっておるな。」

ニンマリと笑う桜木。


「いいから、花道!リバウンドだーーー!!!」



ゴール下、河田がリバウンドを奪おうと跳ぶ。


(この試合、桜木さんよりリバウンド取る!)



だが、その後ろから、高い跳躍を見せる影が一つ。



『トン!』



「へっ!?」



212cmの河田の後ろから、ボールに触れる指。


舞い上がるボール。


『スポッ。』


リングを通過した。



桜木と沢北が同時に声を出す。



「流川ぁーーー!!!!」




「すげーー!!!河田よりも跳びやがったーー!!!」

「桜木のジャンプボール以上じゃねーーか!!」

「いや、タイミングだ!タイミングで高さを超えた!」

「しかも、巧いタップシュート!!」




「天才のタップシュートを真似るとは!ごらーー!流川ー!」

「しゃべる時間があるなら、試合に集中しろ。どあほう。」

「偉そうに!!キツネめ。」

怒る桜木。

冷静な流川。


「今のは、俺が眼を離したから、決められただけだからな!!
この先、そんなシュートは許させねぇぞ!!」

「本気のてめーをぶっ倒す。手抜くんじゃねーぞ。」

「年上にいう言葉か!」

ムキになる沢北。

冷静な流川。



再び、桜木と沢北は同時に声を出した。



「てめーをぶっ倒す!!」


「ふーー。」

流川はすかした。



流川のタップシュートで同点。

複雑な三角関係は、早くも波乱模様であった。




「面白くなりそうだな。」にこり。

(俺もあの場にいたかったぜ。)

仙道は、寂しそうに笑うのであった。




山王 2
湘北 2







続く。