うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#319 【インサイド】

2010-06-12 | #11 湘北 選抜編
山王 20
湘北 14




沢北、流川の両校のエースが跳ばす展開で始まった決勝戦。

振り返れば、桜木に活躍の場は、ほとんどなかった。




2分間のインターバル。



湘北ベンチ。

「ナイスプレーです。」

安西は、流川に一言かけ、迎え入れる。

「うす。」

「流川君。」

晴子は、流川にタオルを手渡し、流川はそれを受け取った。


「ぬっ。」

その光景を見た桜木。


「リョーちん!俺にもっとパスをくれ!!」

「あぁ!?」

タオルで顔を拭っている宮城が答える。


「バカ。花道は、河田に抑えられてるだろうが。いれたくてもいれられねぇんだよ!」

「なぬっ。」

「今は流川が沢北と同等の動きを見せている。
ここで、インサイドから攻めることができれば、更に流川も動きやすくなる。
だから、花道の動きが重要になるんだ。」

「流川に活躍させるために動くのは納得できんな。」

「あのやろーに負けるよりはましだろ?流川との勝負は、勝ってからやればいい。」

宮城は沢北を指差す。

(はぁ、もう少し仲良くならねぇかな。)


「・・・。おい、キツネ!」

「ん。」

「一先ず休戦だ。勝負は、また今度してやる。」

(おめーと勝負なんかしてねぇ。)


「で、リョーちん、どうすれば?」

「おい!白田!」

「はっはい!」

宮城の下に白田が寄ってきた。


「点を決めるのは、お前だ!」

「なぬ!!それでは話が違うではないか!!」

「うるさい、最後まで話を聞け!」

宮城が続ける。


「福原のディフェンスはどうだ?」

「しんどいですよ。あんなにディフェンスのいい選手じゃなかったはずでしたけど・・・。
ただ、俺のフックは、あいつには止められない。」

「OK!作戦はこうだ。」

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

「わかりました。任せておいてください!」

「当たり前だ!ハクタスが点を取るのは納得できねぇが、キツネよりはましだ!」

(うるせー、どあほう。)


「よし!いくぞ!」

「はい。」

「おう!」


宮城からの作戦を胸に秘め、桜木はコートに向かった。




第2Q開始。


ボールは、山王。

加藤の立ち上がりは、静かである。


『ダムダム!』


(あたっている沢北か、それともミスマッチの柳葉か、最初はどっちだ?)

「ん?」


「5番ダス!」


(ナンバープレー!!)



その瞬間。



『ビュン!』


「!!」

ボールは、宮城の顔すれすれのところを通った。


加藤の選択は、インサイド。


(インサイド勝負!!)


それは、宮城の思惑を一致していた。



『バス!』


ミドルで受け取ったのは福原。


シュート体勢に入る。


『サッ。』


絶妙なシュートフェイク。


白田は、あっさり引っかかった。

「しまった!」




「巧い。」

思わず観客席の黒川が叫ぶ。




『ダム!』


ワンドリで、白田を抜いた。



だが。



「あまいわ!」

桜木が、すぐさまカバー。

コースを塞ぐ。



『バス!』



「!!」



福原は、ボールを叩きつけるように、逆サイドにパス。


そこには、センター河田美紀男。

「快君、ナイスパス。」



『バス!』



ゴール下のシュートを決めた。


あっさりと湘北インサイドを切り裂いた山王のインサイドコンビ。




「山王、今度はインサイドで攻めてきたぞーー!!」

「もう山王のオフェンスは、とめられない!!」




山王 22
湘北 14




(福原・・・。巧くなったのは、ディフェンスだけじゃないか・・・。)

山王コートに戻る福原の背中を見つめる白田。


「桜木さん!僕たちのほうが、強い!」

「ぬっ、いうじゃねぇか!丸男の分際で!」

「僕は、桜木さんに勝って、No.1になるんだ!!」

「丸男は2番のほうがお似合いだ!」



(加藤のやろー、同じことを考えていた?いや、たまたまか?)

「さっきの話の通りだ。俺たちもいくぞ。」


「おう。」

(まずは、丸男を黙らせる。となると、やはり・・・。)にや。


「はい。」

(少し桜木先輩が心配だけど、作戦通り、いくぞ。)




湘北の反撃。


宮城のドリブル。

ボールは、柳へ。

リターンパスが宮城に入る。



『キュ!』



「来い!」


(いいぞ、花道!!)



『バス!』


トップから、ハイポの桜木へ。




「あっ、湘北もインサイドから仕掛けてきた!」

と中村。

「第2Qは、インサイド勝負の肉弾戦かしら。」




さらに、



『キュッ!』


(とった!!)

(やばいっ!)


白田は、ゴール下、福原を背負い、最高のポジションを奪った。


「桜木先輩!」

パスを要求する白田。



だが。



「くらえ!丸男!」

「桜木先輩!!」

「バカ!花道、パスだ!!」



『サッ!』



「!!」



『ダム!』



低いドリブルから、一瞬にして、桜木は河田を抜き去る。



(えっ!速い!!)



『キュ!!』



『ダン!!!』



そして、白田に見向きもせず、高く舞った。

ボールを片手で掴み、渾身の力を右腕に注ぐ。



「くらえ!ヤマオー!!」



「高いーー!!」

「花道!!」



「うぉぉーー!!!」



『ガシィィ!!』


体育館には、桜木がリングを掴む音が響き渡った。




山王 22
湘北 14







続く。