山王 20
湘北 14
沢北、流川の両校のエースが跳ばす展開で始まった決勝戦。
振り返れば、桜木に活躍の場は、ほとんどなかった。
2分間のインターバル。
湘北ベンチ。
「ナイスプレーです。」
安西は、流川に一言かけ、迎え入れる。
「うす。」
「流川君。」
晴子は、流川にタオルを手渡し、流川はそれを受け取った。
「ぬっ。」
その光景を見た桜木。
「リョーちん!俺にもっとパスをくれ!!」
「あぁ!?」
タオルで顔を拭っている宮城が答える。
「バカ。花道は、河田に抑えられてるだろうが。いれたくてもいれられねぇんだよ!」
「なぬっ。」
「今は流川が沢北と同等の動きを見せている。
ここで、インサイドから攻めることができれば、更に流川も動きやすくなる。
だから、花道の動きが重要になるんだ。」
「流川に活躍させるために動くのは納得できんな。」
「あのやろーに負けるよりはましだろ?流川との勝負は、勝ってからやればいい。」
宮城は沢北を指差す。
(はぁ、もう少し仲良くならねぇかな。)
「・・・。おい、キツネ!」
「ん。」
「一先ず休戦だ。勝負は、また今度してやる。」
(おめーと勝負なんかしてねぇ。)
「で、リョーちん、どうすれば?」
「おい!白田!」
「はっはい!」
宮城の下に白田が寄ってきた。
「点を決めるのは、お前だ!」
「なぬ!!それでは話が違うではないか!!」
「うるさい、最後まで話を聞け!」
宮城が続ける。
「福原のディフェンスはどうだ?」
「しんどいですよ。あんなにディフェンスのいい選手じゃなかったはずでしたけど・・・。
ただ、俺のフックは、あいつには止められない。」
「OK!作戦はこうだ。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「わかりました。任せておいてください!」
「当たり前だ!ハクタスが点を取るのは納得できねぇが、キツネよりはましだ!」
(うるせー、どあほう。)
「よし!いくぞ!」
「はい。」
「おう!」
宮城からの作戦を胸に秘め、桜木はコートに向かった。
第2Q開始。
ボールは、山王。
加藤の立ち上がりは、静かである。
『ダムダム!』
(あたっている沢北か、それともミスマッチの柳葉か、最初はどっちだ?)
「ん?」
「5番ダス!」
(ナンバープレー!!)
その瞬間。
『ビュン!』
「!!」
ボールは、宮城の顔すれすれのところを通った。
加藤の選択は、インサイド。
(インサイド勝負!!)
それは、宮城の思惑を一致していた。
『バス!』
ミドルで受け取ったのは福原。
シュート体勢に入る。
『サッ。』
絶妙なシュートフェイク。
白田は、あっさり引っかかった。
「しまった!」
「巧い。」
思わず観客席の黒川が叫ぶ。
『ダム!』
ワンドリで、白田を抜いた。
だが。
「あまいわ!」
桜木が、すぐさまカバー。
コースを塞ぐ。
『バス!』
「!!」
福原は、ボールを叩きつけるように、逆サイドにパス。
そこには、センター河田美紀男。
「快君、ナイスパス。」
『バス!』
ゴール下のシュートを決めた。
あっさりと湘北インサイドを切り裂いた山王のインサイドコンビ。
「山王、今度はインサイドで攻めてきたぞーー!!」
「もう山王のオフェンスは、とめられない!!」
山王 22
湘北 14
(福原・・・。巧くなったのは、ディフェンスだけじゃないか・・・。)
山王コートに戻る福原の背中を見つめる白田。
「桜木さん!僕たちのほうが、強い!」
「ぬっ、いうじゃねぇか!丸男の分際で!」
「僕は、桜木さんに勝って、No.1になるんだ!!」
「丸男は2番のほうがお似合いだ!」
(加藤のやろー、同じことを考えていた?いや、たまたまか?)
「さっきの話の通りだ。俺たちもいくぞ。」
「おう。」
(まずは、丸男を黙らせる。となると、やはり・・・。)にや。
「はい。」
(少し桜木先輩が心配だけど、作戦通り、いくぞ。)
湘北の反撃。
宮城のドリブル。
ボールは、柳へ。
リターンパスが宮城に入る。
『キュ!』
「来い!」
(いいぞ、花道!!)
『バス!』
トップから、ハイポの桜木へ。
「あっ、湘北もインサイドから仕掛けてきた!」
と中村。
「第2Qは、インサイド勝負の肉弾戦かしら。」
さらに、
『キュッ!』
(とった!!)
(やばいっ!)
白田は、ゴール下、福原を背負い、最高のポジションを奪った。
「桜木先輩!」
パスを要求する白田。
だが。
「くらえ!丸男!」
「桜木先輩!!」
「バカ!花道、パスだ!!」
『サッ!』
「!!」
『ダム!』
低いドリブルから、一瞬にして、桜木は河田を抜き去る。
(えっ!速い!!)
『キュ!!』
『ダン!!!』
そして、白田に見向きもせず、高く舞った。
ボールを片手で掴み、渾身の力を右腕に注ぐ。
「くらえ!ヤマオー!!」
「高いーー!!」
「花道!!」
「うぉぉーー!!!」
『ガシィィ!!』
体育館には、桜木がリングを掴む音が響き渡った。
山王 22
湘北 14
続く。
湘北 14
沢北、流川の両校のエースが跳ばす展開で始まった決勝戦。
振り返れば、桜木に活躍の場は、ほとんどなかった。
2分間のインターバル。
湘北ベンチ。
「ナイスプレーです。」
安西は、流川に一言かけ、迎え入れる。
「うす。」
「流川君。」
晴子は、流川にタオルを手渡し、流川はそれを受け取った。
「ぬっ。」
その光景を見た桜木。
「リョーちん!俺にもっとパスをくれ!!」
「あぁ!?」
タオルで顔を拭っている宮城が答える。
「バカ。花道は、河田に抑えられてるだろうが。いれたくてもいれられねぇんだよ!」
「なぬっ。」
「今は流川が沢北と同等の動きを見せている。
ここで、インサイドから攻めることができれば、更に流川も動きやすくなる。
だから、花道の動きが重要になるんだ。」
「流川に活躍させるために動くのは納得できんな。」
「あのやろーに負けるよりはましだろ?流川との勝負は、勝ってからやればいい。」
宮城は沢北を指差す。
(はぁ、もう少し仲良くならねぇかな。)
「・・・。おい、キツネ!」
「ん。」
「一先ず休戦だ。勝負は、また今度してやる。」
(おめーと勝負なんかしてねぇ。)
「で、リョーちん、どうすれば?」
「おい!白田!」
「はっはい!」
宮城の下に白田が寄ってきた。
「点を決めるのは、お前だ!」
「なぬ!!それでは話が違うではないか!!」
「うるさい、最後まで話を聞け!」
宮城が続ける。
「福原のディフェンスはどうだ?」
「しんどいですよ。あんなにディフェンスのいい選手じゃなかったはずでしたけど・・・。
ただ、俺のフックは、あいつには止められない。」
「OK!作戦はこうだ。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「わかりました。任せておいてください!」
「当たり前だ!ハクタスが点を取るのは納得できねぇが、キツネよりはましだ!」
(うるせー、どあほう。)
「よし!いくぞ!」
「はい。」
「おう!」
宮城からの作戦を胸に秘め、桜木はコートに向かった。
第2Q開始。
ボールは、山王。
加藤の立ち上がりは、静かである。
『ダムダム!』
(あたっている沢北か、それともミスマッチの柳葉か、最初はどっちだ?)
「ん?」
「5番ダス!」
(ナンバープレー!!)
その瞬間。
『ビュン!』
「!!」
ボールは、宮城の顔すれすれのところを通った。
加藤の選択は、インサイド。
(インサイド勝負!!)
それは、宮城の思惑を一致していた。
『バス!』
ミドルで受け取ったのは福原。
シュート体勢に入る。
『サッ。』
絶妙なシュートフェイク。
白田は、あっさり引っかかった。
「しまった!」
「巧い。」
思わず観客席の黒川が叫ぶ。
『ダム!』
ワンドリで、白田を抜いた。
だが。
「あまいわ!」
桜木が、すぐさまカバー。
コースを塞ぐ。
『バス!』
「!!」
福原は、ボールを叩きつけるように、逆サイドにパス。
そこには、センター河田美紀男。
「快君、ナイスパス。」
『バス!』
ゴール下のシュートを決めた。
あっさりと湘北インサイドを切り裂いた山王のインサイドコンビ。
「山王、今度はインサイドで攻めてきたぞーー!!」
「もう山王のオフェンスは、とめられない!!」
山王 22
湘北 14
(福原・・・。巧くなったのは、ディフェンスだけじゃないか・・・。)
山王コートに戻る福原の背中を見つめる白田。
「桜木さん!僕たちのほうが、強い!」
「ぬっ、いうじゃねぇか!丸男の分際で!」
「僕は、桜木さんに勝って、No.1になるんだ!!」
「丸男は2番のほうがお似合いだ!」
(加藤のやろー、同じことを考えていた?いや、たまたまか?)
「さっきの話の通りだ。俺たちもいくぞ。」
「おう。」
(まずは、丸男を黙らせる。となると、やはり・・・。)にや。
「はい。」
(少し桜木先輩が心配だけど、作戦通り、いくぞ。)
湘北の反撃。
宮城のドリブル。
ボールは、柳へ。
リターンパスが宮城に入る。
『キュ!』
「来い!」
(いいぞ、花道!!)
『バス!』
トップから、ハイポの桜木へ。
「あっ、湘北もインサイドから仕掛けてきた!」
と中村。
「第2Qは、インサイド勝負の肉弾戦かしら。」
さらに、
『キュッ!』
(とった!!)
(やばいっ!)
白田は、ゴール下、福原を背負い、最高のポジションを奪った。
「桜木先輩!」
パスを要求する白田。
だが。
「くらえ!丸男!」
「桜木先輩!!」
「バカ!花道、パスだ!!」
『サッ!』
「!!」
『ダム!』
低いドリブルから、一瞬にして、桜木は河田を抜き去る。
(えっ!速い!!)
『キュ!!』
『ダン!!!』
そして、白田に見向きもせず、高く舞った。
ボールを片手で掴み、渾身の力を右腕に注ぐ。
「くらえ!ヤマオー!!」
「高いーー!!」
「花道!!」
「うぉぉーー!!!」
『ガシィィ!!』
体育館には、桜木がリングを掴む音が響き渡った。
山王 22
湘北 14
続く。