うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#190 【桜木の特訓】

2009-09-14 | #08 高校 新体制編
桜木に対する安西のレクチャーが行われている。


「もう一つ思い出してください。先程の試合です。
桜木君が、流川君とのリバウンド争いから、リバウンドを奪いました。」

「当然!!ハッハッハ!!」

スルーする彩子と晴子。

「はい、次です。シュートを打った桜木君は、見事に流川君にブロックされました。」

「ぬっ!!」

「見え見えね。」

「かっこいい。ポッ。」

「ハッハルコさん。顔が赤くなっている・・・。」


「もし仮に、桜木君が流川君が先程打ったタップシュートをしていたらどうでしょう?」

「今の場合、リバウンドはとれているんだから、ここでタップが打てれば、得点が奪える可能性がある。」

「彩子君のいうとおりです。
せっかく、リバウンドを獲ったにもかかわらず、ブロックされたら、全く意味がありません。
ですが、そのまま押し込むことが出来れば、ブロックされることもなく2得点を奪えます。」

「確かに、リバウンドに何回も飛ぶなら、1回目でそのままシュートを打てばいい。」

「はい。その通りです。」


「オヤジ!流川の真似はしねぇぞ!!」


「流川君の真似じゃありません。現に、桜木君は山王戦でも同じプレーをしている。無意識の中で。」

「なぬ。・・・。やはり天才・・・。体が勝手に動く・・・。」

「桜木君の新必殺技は、1回のジャンプで、1リバウンド、2得点を奪うタップシュートです。
どうでしょうか?」


「凄いよ!桜木君!!このプレーをものにしたら、ますますゴール下は強くなるよ!!」

「そっそうですか?ハルコさん。」

「確かに、1回の跳躍で、リバウンドを奪って、得点を決める。効率がいいわね!!」


(頭で考えるほど簡単じゃない・・・。)

流川が思う。



桜木の顔が、見る見る変わっていく。


自信と希望で満ち溢れた桜木が言葉を放つ。


「で、どうすればいい??オヤジ!!」

「ほっほっほ。やる気が出たようですね。では、よろしいですか?
タップシュートにとって、大切なものは、タイミングとボールコントロールです。
桜木君の場合、リバウンドに飛ぶタイミングは完璧です。
ですが、ボールコントロールは、ノーコンといってよいでしょう。」

「ノーコンまでいうか!」


『タプタプタプ・・・。』


「桜木君!」

「はっはい。」


「まずは、指先でボールを捉える練習をします。
ボールを持ち、指先で押し出すように、ボールを浮き上がらせます。
右手から左手、左手から右手へと交互に続けます。」

「これだけか?」

「まずは、これだけです。練習の合間はもちろん、時間のあるときにも行って下さい。
これで、自然とボールの中心を捉えることができ、コントロールもつきます。よろしいですね?」

「任せておけ!これで、リバウンド王に続き、タップ王の2冠制覇だな。ハッハッハ!」



そのころ、紅白戦も全試合が終了した。

宮城は、3勝をもぎとり、キャプテンとしても面目を守った。

流川は、1敗したことに納得が行かず、この日、練習後も残り、シュートを打ち続けた。

桜木は、紅白戦のことなど忘れ、新必殺技の練習に没頭していた。



それから、1週間後、桜木の成果が試された。




「桜木君、どうですか、調子は?」

「バッチリだぜ!見てくれ、このボールコントロール!!」


『トス!』


『トス!』


ボールを鮮やかに、左、右、左、右と浮き上がらせる桜木。


「うむ、安定しています。では、次の段階、入ります。」

「おう!!」

「ゴール下のシュートを打ちます。」

「オヤジ!それは、もう完璧だろ?」

「違います。右手のみで打ちます。シュートはボードにまっすぐあて、ジャンプはしません。
リバウンドは右手のみでキャッチします。やってみてください。」


『バン!』


『コロッ。』


「ぬっ!」


『バン!』


『バチ!』


「なっ!」


「どうですか?難しいでしょう?」

「うむ。少しな。だが、この天才桜木にかかれば、すぐにマスターできる!!」




それから、1週間後。

「だいぶ、安定してきましたね。」

「もうボードを外すことなければ、手から落ちることもねぇ!」

「では、タップシュートもやってみましょうか?晴子君。」

「はい。」

「リングに向かって、シュートを打ってください。」

「はい。」


『ガコン!』


晴子の打ったシュートがリングにあたり、小さく跳ねる。


「今です!桜木君!」

「おうよ!」


『トン!』


『ガコン!』


「むおーー!!この天才としてことが、外してしまったーー!!」


「今までと違い、リングに当たったり、ボードに当たったり、大きく跳ねたり、小さく跳ねたり、
ボールは様々な変化を起こします。
簡単にタップシュートが出来るものではありません。
これはいける!と思ったボールにだけ、タップで押し込み、他はリバウンドを奪ってください。」

「わかったぜ!オヤジ!!ハルコさん!頼みます!!」

「うん!いくよ!!」



『ガコ!』


(低い!!)


『バシ!』


リバウンドを掴む桜木。


「いい判断です。」



『ガコ!』


(遠い!!)


「おりゃーー!!」


腕を目いっぱい広げ、ボールを掴む。


「いいですよ。」



『ガコン!』


(これだ!)


『トン!』


指先に神経を集中させ、ほどよく跳ねたボールを指で弾く。


『シュパ!』


「入った!凄いよ!桜木君!!」

「いや、ハルコさんが素晴らしいシュートの外し方をしたからですよ!!」

「・・・。まぁ、いっか!」

手を繋ぎ、ぐるぐる回る桜木と晴子。

(幸せだーー!!晴子さんと一緒に練習が出来るなんて!!)



「うむ。まずは第一段階終了ですね。」


その後、白田を交え、より実践的な練習を行い、桜木は着実に、タップシュートを自分のものとしていった。


(もし左手でもできるようなら、更に天才の技が増える。自らに試練を課す。さすが、天才だぜ!)


『きらん!』


桜木の特訓は続いた。







続く。