うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#363 【リバウンドを制するものは】

2010-09-21 | #12 大学 新人戦編
横学 29
白金 39




タイムアウト後、仙道、三井のラインできっちりと点を決めた横学大。



「よし!いけるぞ!!村松が抜けた分、中が空く!!」

「おう!!」

三井の声に、選手たちが答える。



(こっから、流れを引き寄せることができれば・・・、まだ追いつける!!)


三井は決して諦めない。




白金のオフェンス。


『ダムダム。』

トップの牧。


対峙する仙道は、微妙に右サイドに寄っている。


(仙道め。誘っているのか。
だが、そんな中途半端なディフェンスで俺を止められると思っているのか!)



『ダム!!』


『キュ!!』



発動。


牧が仙道を抜きにかかる。



『バッ!!』


仙道、立ち塞ぐ。



『キュッ!』


(バックロール!)



『キュ!』



「!!」


と見せかけ、牧はそのまま突っ込んだ。


並走する仙道。



(ここを止めれば、流れが来る!!)



仙道の想いは、他の選手も理解していた。



三井が神に張り付くようなディフェンス。


(パスアウトはさせねぇ。)



黒木がファウルぎりぎりのディフェンスを見せる。


(ずいぶん、荒いディフェンスするようになったやんか。)



『ダン!!』


牧は得意のオーバーハンドレイアップシュートの体勢。




「行ったーーー!!」

「一人!!」

「強引だーーー!!!!」




『ダン!』


仙道も跳んだ。



長い腕が牧のシュートコースを塞ぐ。



『シュ!』



牧の強引なシュートが放たれた。



『キュッ!』


『キュ!』



土屋が、粕谷が、荻野が、一斉にゴール下になだれ込む。



『チィ!』



仙道がわずかにボールに触れた。



「リバウンド!!」

牧が叫ぶ。



「おう!!」


「!!!」



仙道が振り返る視線の先には。


秋田と品川。


荻野、土屋、粕谷。


横学大のゴール下は、白金が優勢であった。




「仙道が牧についたせいで、仙道はリバウンド戦線から外された。」

「そして、粕谷が加わった白金は、ゴール下への幅を利かせている。」

「牧の強引なシュートは、全て計算済みだったか・・・。」




品川には、完璧なまでの荻野のスクリーン。


(悪いが、森重と比べたらまだまだ力は劣っている。)


土屋、粕谷、秋田が跳んだ。



『パン!』



ボールは、誰のともいえない指先に当たり、再び舞い上がった。



そして。



『バチィン!!』



「!!!」

「なに!!」

「!!!」

「!!」



「品川!!!」



絶対的な不利な状況の中、ボールを掴んでいたのは、品川だった。

2度目のリバウンド争いで、荻野のスクリーンアウトがわずかに外れた瞬間、
リバウンドを奪ったのであった。



(俺が、ゴール下を守らないで誰が守る!!)



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<<回想>>

横浜学芸大学体育館。


「シイナ、いいことを教えてやろう。」

「ん、なんだ?突然。」


2年前、桜木が横学大に特訓に訪れていたときの話である。



「センターは、自分のゴール下を死守することが最大の使命である!!」

「何を今更。当たり前のことだろ。」

「そして・・・。ここが重要だ。それだけでは、試合に勝てない。いや、目立つことはできない。」

「なっなんだ、それ。」

「試合に勝つためには、そして目立つためには、リバウンドが重要だ!こんな言葉がある・・・。
リバウンドを制するものは、試合を制す!!」


「リバウンドを制するものは、試合を制す・・・。」


「この天才の名言だ。しっかりと覚えておくように!!ハッハッハ!!」


赤木の名言を自分のものとしていた桜木。

そんなことは知らない品川。


「リバウンドを制するものは、試合を制す・・・か。桜木にしては、いい言葉だな。
Cにやる気を起こさせる言葉だな。」

「だろ!ハッハッハ!!」



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「リバウンドを制するものは、試合を制す!!!」

叫ぶ品川。



「ん!」


三井が違和感を感じた。



「仙道ーー!!」


品川が再び叫ぶ。



「戻れーーー!!!」

牧の指示。



『キュ!!』


『キュッキュ!!』



コートが慌しく動き出す。



『パシ!』


ボールは、仙道に渡った。



仙道、三井、黒木の3線が繰り出された。


牧、神の海南コンビが迎え撃つ。



(この1本で流れを変えたいはず!ならば!)


牧は神に合図を送る。



『コク。』


神は、三井に張り付いた。


(ちっ。俺にはボールを持たせねぇってか!!)



流れを掴む一手。


まずは三井の3Pを封じる。


これで、横学の3線も事実上2on1となった。


いや、むしろ牧は1on1と考えていた。



(必ず来る!!!)



『ダムダム!!』



仙道のドリブルが、体育館に響き渡る。



「仙道さん!!」



フリーに近い黒木が仙道を呼んだ。


だが、パスは出さない。




「ギリギリまで牧を引き寄せてパスを出すか?」

「自分でいくケロか?」




3Pライン。



仙道のスピードは落ちない。



「来い!!!!」



牧がこの日、一番の声をあげる。



「言われなくても!!!」



仙道が答える。



真っ向勝負。



仙道は1on1を選ぶ。



そして。



跳んだ。




横学 29
白金 39







続く。