海南 71
湘北 72
第4Qが開始される。
安西は、流川に真田を無得点に抑えるよう、桜木には神を3本以内に抑えるように指示をした。
出来なければ、即交代。
安西は、意図的に「がけっぷち」を作ることで、2人の精神力の向上を図った。
ありえない展開に、湘北ベンチは困惑する。
だが、当人たちに困惑の表情はなかった。
「キツネはまだしも、この桜木が交代することはない!
キツネが抑えられなかったひょろ男を完璧に抑えてやるぞ!!ハッハッハ!!」
「どあほうは黙ってろ。」
(交代なんて、まっぴらごめんだぜ。)
安西の意図通りに、この試合、今までにない集中力と気合を漲らせていた。
2人にとって、試練の10分間を迎える。
海南のメンバーチェンジ。
-----------------------------------------------
SG…#11 上杉 海斗 185cm/1年
→
SG…#5 真田 壮太 185cm/3年
-----------------------------------------------
「真田さんのおでましやーー!!」
「真田をどこまで抑えられるかが、この試合の鍵となる。」
と田岡。
記者席でも、弥生が同様のことを話している。
「今大会初出場ですね。」
「湘北が勝つためには、彼を抑えなければならない。」
「誰がマークにつきますかね?」
「三井君のいない湘北なら、流川君しかいないわね。」
海南ボールから開始。
清田がドリブルをする。
「!!」
「安西先生・・・。流川で真田が抑えられますかな。」
とベンチの高頭。
「ふっ。真田と流川の対決か。面白そうだな。」
と仙道が笑う。
「仙道さんも注目する対決やーーー!!要チェックやーー!!」
「いちいち叫ばんでいい!!」
「湘北のディフェンスが変わったーー!!」
「神には桜木だーー!!」
「止められるのか!!」
「真田に流川だーー!!」
湘北はハーフコートマンツー。
神に桜木、真田に流川がマークする。
「けっ。赤毛猿に神さんは止められねぇよ。」
「去年の決勝リーグでは、止めてたぜ。」
「神さんは去年と比べ物にならないくらい、巧くなってんだよ!!」
『キュ!!』
清田のドライブ、宮城が真っ向から、受け止める。
『フッ!』
上体を上げる清田。
宮城も一瞬、上がる。
『ダム!』
清田のチェンジオブペース。
(まずい!)
「巧くなったね。信長君。」
仙道が微笑む。
清田の牧ばりのオーバーハンドランニングシュート。
『チィ!』
「なにっ!!」
白田のシュートブロックが、かすかにボールに触れた。
(インサイドは、俺が守る!!)
『ガン!』
ボールはリングに当たり、小さく跳ねる。
「リバウンドだーー!!」
宮城が叫ぶ。
「おうよ!!」
『バチィン!!』
「たけーーー!!」
「さすが、リバウンド王!!」
だが。
「あめーよ。」
と清田。
『パン!』
「ぬっ。」
桜木が着地した瞬間、桜木の手から、ボールが弾けた。
「叩いた!!」
「神のスティール!!」
「抜け目ない!!」
神は、ボールを奪い、すぐさまワンドリでリングの下を通り抜けるとバックシュートを放った。
「ひょろ男めーー!!返せーー!!」
『びよーーん!!』
リングの反対から、凄まじい跳躍を見せる桜木。
『バチーーン!!』
「えっ!」
驚く神。
神のバックシュートは、豪快にブロックされた。
「今のブロック、あり得ないぞーー!!」
「高すぎる!!」
「リングの反対側から、ブロックだと!!」
『ピィーーー!!』
「バイオレーション!!カウントーー!!」
「なんだとーー!!審判ーー!!」
「バカ!よせ!花道!!」
「桜木先輩。ゴール・テンディングですよ。」
「ゴール・テンディング??なんだそれは?」
「落下してくるシュートをブロックしてはいけないんです。
触れた瞬間、相手の得点になってしまうんですよ。」
「ぬっ。そうだ!そうだった!!確か、前も同じようなことをいわれたことがあるぞ!」
「少しは、勉強してくださいよ・・・。」
「天才ゆえに、体が反応してしまう。ハッハッハ!」
(でも、リングの反対から、放たれたシュートをブロックするとは・・・。
なんとも恐ろしいジャンプ力だ。)
「どあほうゆえに、忘れてしまう・・・。」
「なんだとーー!!流川ーー!!」
(ははっ。まさか、今のシュートに反応し、しかもブロックするとは・・・。
なんかいやなこと思い出しちゃうな。)
苦笑いの神。
清田と宮城。
「確かに、神の成長は認めるぜ!だがよ、花道だって、成長しているんだぜ!!」
「ふん。確かにそのようだが、頭の中は全く成長してねぇ。」
「ふっ。そりゃ、俺も同感だ。」
「先生、今のは?」
彩子が安西に尋ねる。
湘北のベンチが安西の口元に集中する。
しばしの沈黙。
『ゴクッ!』
「・・・・・・・・・。1本です。」
「のわーー!!1本目だーー!!」
「残り2本!!」
「桜木君!今のも1本だって!!」
「なぬ!オヤジめ!やはり、根に持っておるな!!」
(なんだ、残り2本って?)
神は、意味がわからない。
桜木に許されたシュートは、残り2本・・・。
海南 73
湘北 72
続く。
湘北 72
第4Qが開始される。
安西は、流川に真田を無得点に抑えるよう、桜木には神を3本以内に抑えるように指示をした。
出来なければ、即交代。
安西は、意図的に「がけっぷち」を作ることで、2人の精神力の向上を図った。
ありえない展開に、湘北ベンチは困惑する。
だが、当人たちに困惑の表情はなかった。
「キツネはまだしも、この桜木が交代することはない!
キツネが抑えられなかったひょろ男を完璧に抑えてやるぞ!!ハッハッハ!!」
「どあほうは黙ってろ。」
(交代なんて、まっぴらごめんだぜ。)
安西の意図通りに、この試合、今までにない集中力と気合を漲らせていた。
2人にとって、試練の10分間を迎える。
海南のメンバーチェンジ。
-----------------------------------------------
SG…#11 上杉 海斗 185cm/1年
→
SG…#5 真田 壮太 185cm/3年
-----------------------------------------------
「真田さんのおでましやーー!!」
「真田をどこまで抑えられるかが、この試合の鍵となる。」
と田岡。
記者席でも、弥生が同様のことを話している。
「今大会初出場ですね。」
「湘北が勝つためには、彼を抑えなければならない。」
「誰がマークにつきますかね?」
「三井君のいない湘北なら、流川君しかいないわね。」
海南ボールから開始。
清田がドリブルをする。
「!!」
「安西先生・・・。流川で真田が抑えられますかな。」
とベンチの高頭。
「ふっ。真田と流川の対決か。面白そうだな。」
と仙道が笑う。
「仙道さんも注目する対決やーーー!!要チェックやーー!!」
「いちいち叫ばんでいい!!」
「湘北のディフェンスが変わったーー!!」
「神には桜木だーー!!」
「止められるのか!!」
「真田に流川だーー!!」
湘北はハーフコートマンツー。
神に桜木、真田に流川がマークする。
「けっ。赤毛猿に神さんは止められねぇよ。」
「去年の決勝リーグでは、止めてたぜ。」
「神さんは去年と比べ物にならないくらい、巧くなってんだよ!!」
『キュ!!』
清田のドライブ、宮城が真っ向から、受け止める。
『フッ!』
上体を上げる清田。
宮城も一瞬、上がる。
『ダム!』
清田のチェンジオブペース。
(まずい!)
「巧くなったね。信長君。」
仙道が微笑む。
清田の牧ばりのオーバーハンドランニングシュート。
『チィ!』
「なにっ!!」
白田のシュートブロックが、かすかにボールに触れた。
(インサイドは、俺が守る!!)
『ガン!』
ボールはリングに当たり、小さく跳ねる。
「リバウンドだーー!!」
宮城が叫ぶ。
「おうよ!!」
『バチィン!!』
「たけーーー!!」
「さすが、リバウンド王!!」
だが。
「あめーよ。」
と清田。
『パン!』
「ぬっ。」
桜木が着地した瞬間、桜木の手から、ボールが弾けた。
「叩いた!!」
「神のスティール!!」
「抜け目ない!!」
神は、ボールを奪い、すぐさまワンドリでリングの下を通り抜けるとバックシュートを放った。
「ひょろ男めーー!!返せーー!!」
『びよーーん!!』
リングの反対から、凄まじい跳躍を見せる桜木。
『バチーーン!!』
「えっ!」
驚く神。
神のバックシュートは、豪快にブロックされた。
「今のブロック、あり得ないぞーー!!」
「高すぎる!!」
「リングの反対側から、ブロックだと!!」
『ピィーーー!!』
「バイオレーション!!カウントーー!!」
「なんだとーー!!審判ーー!!」
「バカ!よせ!花道!!」
「桜木先輩。ゴール・テンディングですよ。」
「ゴール・テンディング??なんだそれは?」
「落下してくるシュートをブロックしてはいけないんです。
触れた瞬間、相手の得点になってしまうんですよ。」
「ぬっ。そうだ!そうだった!!確か、前も同じようなことをいわれたことがあるぞ!」
「少しは、勉強してくださいよ・・・。」
「天才ゆえに、体が反応してしまう。ハッハッハ!」
(でも、リングの反対から、放たれたシュートをブロックするとは・・・。
なんとも恐ろしいジャンプ力だ。)
「どあほうゆえに、忘れてしまう・・・。」
「なんだとーー!!流川ーー!!」
(ははっ。まさか、今のシュートに反応し、しかもブロックするとは・・・。
なんかいやなこと思い出しちゃうな。)
苦笑いの神。
清田と宮城。
「確かに、神の成長は認めるぜ!だがよ、花道だって、成長しているんだぜ!!」
「ふん。確かにそのようだが、頭の中は全く成長してねぇ。」
「ふっ。そりゃ、俺も同感だ。」
「先生、今のは?」
彩子が安西に尋ねる。
湘北のベンチが安西の口元に集中する。
しばしの沈黙。
『ゴクッ!』
「・・・・・・・・・。1本です。」
「のわーー!!1本目だーー!!」
「残り2本!!」
「桜木君!今のも1本だって!!」
「なぬ!オヤジめ!やはり、根に持っておるな!!」
(なんだ、残り2本って?)
神は、意味がわからない。
桜木に許されたシュートは、残り2本・・・。
海南 73
湘北 72
続く。