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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#403 【2年生の実力】

2011-01-17 | #13 神奈川 国体編
【青】

PG…柳 春風 172cm/2年/湘北
SG…山岡 拓真 185cm/3年/陵南
SG…緑川 航 185cm/2年/湘北
SF…天沼 健一 182cm/3年/翔陽
 C…桜木 花道 196cm/3年/湘北
 C…大泉 大丸 191cm/3年/海南



【白】

PG…清田 信長 182cm/3年/海南
SG…清田 秀吉 175cm/1年/海南
SF…上杉 海斗 186cm/2年/海南
SF…上杉 空斗 186cm/2年/陵南
PF…白田 豊 195cm/2年/湘北
 C…黒川 大蔵 193cm/2年/陵南




青 4
白 2




山岡が大泉とのコンビプレーで、上杉空斗の上からジャンパーを決めた。



「清田さん。」

「あぁ、やられたらやり返せ。っていうか、おまえらホント良く似ているな。」


「外見だけですよ。バスケは俺のほうが上です。」

と空斗。


「見せてみろよ。」にっ。

「了解。」にこり。



『ダムダム!』


トップでドリブルをついている清田。


(さぁ、次はどうしますか?)

パワー、スピードに対応すべく態勢を整える柳。


(随分と警戒しているようだが。)

と薄ら笑う清田。



(ここは、予定通りに。)


すんなりと空斗にパスを出す。



『パシ!!』



「早速、リベンジ?上杉ちゃん。」

「ええ。」にこり。



この試合、2度目の陵南師弟対決。


お互い手の内は知り尽くしている。



『キュ!』



軽いピボッドから、空斗の体が左右に揺れた。



小刻みなフェイント。



『バッ!』



『ダムッ!!』



勢いに任せた空斗。


インサイドに突っ込む。



『キュ!!』



応戦する山岡。



(まだまだ。)



『ダム!』


空斗の鋭い切り返しと同時に。



『ガッ!!』



「!!!」


「!!!」



「黒川ちゃん!」


岩のような黒川のスクリーンが炸裂。



「やばっ!」


足止めを喰らう山岡。



『ダム!』



『シュパ!』



インサイドを真っ二つに裂く空斗のドライブが成功した。



「リベンジ成功。」

「黒川ちゃんを使うなんて、ずるいな。」

「何いってるんですか。山岡さんだって、大泉さんを巧く使ったくせに。」

「あっ!そういえば・・・。」

「ほらね。これで、ジュースはチャラですから。」にこ。

「次は2人まとめて、抜いちゃうから覚悟しろよ。」


「望むところです。」

空斗と黒川の声が揃う。



その光景を微笑みながら、眺める田岡。


この陵南トリオの微妙な師弟関係が今の陵南を支えている。




(山岡。お前がこんなにも頼もしく思える日が来るとは・・・。
そして、上杉、黒川がそんな山岡を慕ってくれるとは・・・。
この田岡茂一、ジュニアハンター冥利に尽きる。)

田岡は、自分のスカウトに酔いしれていた。




青 4
白 4




青チームのオフェンス。



『シュパ!!』




(はっ速いで!!あの清田さんを一瞬で!!)




「スピードだけは、譲れませんよ。」

「いい根性してるぜ。」



小刻みに繋いだパスワーク。


天沼からのリターンパスを受け取り、躊躇するなくドライブを発動した柳。


清田を一瞬にして抜き去った。



(さすが、春風。清田さんを一瞬で抜き去るとは・・・。おっ、俺もそろそろ、のんびりしてられないな。)

と海斗。




続いて、白チーム。


右手を高く伸ばし、余韻に浸る姿が時間を止める。


神の意思を受け継いだ海南の長距離シューター上杉海斗。



「まあまあかな。」



『ザシュ!!』



リングに触れることなく、ネットを通過する。


ドライブを得意とする弟空斗とは、反対にアウトサイドのシュートを得意とする兄海斗。


3Pシュートの完成度では、山岡をも上回る。



「天沼さん、スタメンは俺がいただきます。」

「生意気な。」にや。



流川不在の正SFのポジション争いは、まだまだ続く。




青 6
白 7




その後、各選手が自分の持ち味を存分に発揮した。



青チーム。


スピードで白チームをかき回す柳は、宮城を髣髴させる。


山岡は、空斗とのマッチアップを楽しんでいるが、どこか余裕さも感じられた。


俺が県内No.1スコアラーといわんばかりに、天沼は内外から果敢にリングを攻めた。


大泉は、ゴール下で献身的なプレーに汗を流し、青チームを支える。



対する白チーム。


2年生を巧く誘導し、確実にシュートまで持ち込む清田は、遺憾なくリーダーシップを見せる。


得意の3Pを2本沈め、存在感を見せる海斗と先輩山岡をも抜くドライブを見せる空斗の双子対決も見逃せない。


巧みなステップと、左右から繰り出される白田のフックシュートが桜木の手のひらを超える。


黒川は、大泉、桜木に臆することなく、ゴール下でそのパワーを見せつけた。



そして、桜木は・・・。








続く。

#402 【3年生の実力】

2011-01-15 | #13 神奈川 国体編
【青】

PG…柳 春風 172cm/2年/湘北
SG…山岡 拓真 185cm/3年/陵南
SG…緑川 航 185cm/2年/湘北
SF…天沼 健一 182cm/3年/翔陽
 C…桜木 花道 196cm/3年/湘北
 C…大泉 大丸 191cm/3年/海南



【白】

PG…清田 信長 182cm/3年/海南
SG…清田 秀吉 175cm/1年/海南
SF…上杉 海斗 186cm/2年/海南
SF…上杉 空斗 186cm/2年/陵南
PF…白田 豊 195cm/2年/湘北
 C…黒川 大蔵 193cm/2年/陵南




青 2
白 0




桜木、大泉がインサイドのスペースを作り出し、SF天沼が先制点を挙げた。

3年生が2年生を技でねじ伏せる。


「ふむ。沼っち、なかなかよいスジをしているな。」

「ふっ、桜木も頼もしいぜ。」

「トーーゼンだ。」


「ディフェンス止めるぞ。」

「おうよ!!」



白チームのオフェンス。


青チームも白チーム同様、ハーフコートマンツーで迎え撃つ。

柳と清田、山岡と空斗、天沼と海斗、桜木と白田、大泉と黒川の戦い。



『ダムダム!!』



トップの清田が、レッグスルーの連続。



「柳、神奈川No.1PGを決めようじゃねぇか。」

「いいっすよ。」


「オラ!いくぜ!!」



『キュッ!!』



『ダム!!』



レッグスルーから、重心を低く取り、柳を抜きにかかる。



『キュッキュ!!』




(巧い!!さすが、柳君や!)




柳は清田のマークを外さない。



だが。



『ドン!!』



「!!!」


「!!」


清田の肩と柳の胸が接触。


(力技っすか!)


(牧さんのプレーを間近で見て来た俺は、そこらへんのPGとは訳が違う!)



『ドン!』



なおも接触する清田と柳。


オフェンスともディフェンスとも獲れるファウル。


だが、審判素人の彦一には判断がつかない。



(どっちのファウルや!!わからへん!!)




「清田のやつ、審判が相田なのを考え、強引にいったか。」

と高頭。




「柳のやつ、彦一が審判なのをいいことに、ファウルで止めたか。」

と田岡。




力技の激しい攻防戦。


(ちぃ、パワーじゃ分が悪い。)


(力だけじゃないんだぜ!)



『キュン!!』


「!!!」


「!!!」


『ダム!!』



「春風!!」


(抜かれた!)



清田は一瞬のキレを見せた。

通常なら、柳でも止められるスピード。

だが、パワーに対抗するため、どっしりと構えていた足腰では、
清田の一瞬のキレに対応することはできなかった。


柳を抜き去った清田。


目の前には、カバーリングにきた桜木。



「きやがれ!野猿!!叩き落してやる!!」


「やれるもんならな!」にかっ。



そういうと、清田は桜木の前で、高い跳躍を見せる。



『ダン!!』



『キュ!!』



「くらえーー!!ゴリ直伝ハエタタキ!!!」



『ビィ!!』



「ん!!」



『パシ!!』



「隙だらけだぜ!」



ドライブからパスを捌いた清田。


ボールは、フリーの白田へ。



『バス!!』


跳んで来る大泉を交わし、ゴールにねじ込む。



「いいぞ!白田!!」

「ナイスパスです。」


「コラァ、野猿!!逃げやがったな!」

「誰が逃げるか!てめーなんぞ、勝負するまでもねぇってことだ!!」

「なにをーー!!!」




「どうだ!!赤毛猿!!お兄ちゃんは、お前なんかに負けるわけがないんだ!!」


「牧にはほど遠いが・・・。」

『パタパタ・・・。』

「悪くない。」にやり。

(1年ぶりのチームで、あぁも簡単にコンビプレーを成功させるか。)



高頭をも唸らせる清田のドライブからのパスアウト。

清田、白田ラインで、2点を返した。




青 2
白 2




青チームのオフェンス。


柳、天沼と繋いだボールが山岡へ。

目の前にはチームメイトの上杉空斗。



「勝ったほうが、ジュースね。」

陵南キャプテンであり、県2位の得点を誇る山岡拓真。


「ええ、もちろん!!」

ドライブを武器に相手ディフェンスを切り裂く上杉空斗。



『キュッ!!』


『ダム!』


『キュキュ!!』



激しい攻防。


そして。



『ビィ!』



インサイドへ投げ入れる。


自身は、中へ。


パス&ラン。



『ダン!!』



ボールは大泉を経由し、再び山岡へ戻る。



受け取ると同時に、クイックリリースのシュートを放つ。



『シュパ!!』



軽やかなジャンプシュートが決まった。



「まず1本!!」

「すぐに返しますよ。」

「へっ。楽しみだね。」



ここまで、3年生が下級生を押さえ込むプレーを見せ付けている。



翔陽スコアラー天沼の個人技。


インサイドで見せた大泉、桜木の献身プレー。


オフェンシブPG清田のドライブ。


全国クラスのシューター山岡のジャンプシュート。



そして、次は2年生がその実力を発揮する。




青 4
白 2







続く。

#401 【紅白戦開始】

2011-01-13 | #13 神奈川 国体編
国体出場のために集められた12名の選手で紅白戦が行われようとしていた。



「赤木君はスコアシートを、相田君は審判をお願いします。」


「はい。」

(湘北のみんな、流川君の分まで頑張って。)


「はい。」

(このメンバーの試合をコートで見れるとは。これはまたえらいことやで。)




「ほな、スタメンは前へお願いします。」



各チーム5名がセンターラインに並ぶ。



ここで安西が一言。


「本番と思って挑んでください。」


「もちろん!」

「はい!!」

「絶対勝つ!!」



「Aチームは青、Bチームは白で始めます!」




「さすが、監督。いったとおり緑川はベンチですね。」

と秀吉。

「ふっ。私は先輩の考え方が手に取るようにわかる。」

(この勝負、絶対に負けませんぞ!)

自信を覗かせる高頭。




「清田弟がベンチか・・・。セオリーどおりだな。つまらんやつだ。」

と田岡。




【青】

G…柳 春風 172cm/2年/湘北
G…山岡 拓真 185cm/3年/陵南
F…天沼 健一 182cm/3年/翔陽
F…桜木 花道 196cm/3年/湘北
C…大泉 大丸 191cm/3年/海南



【白】

G…清田 信長 182cm/3年/海南
F…上杉 海斗 186cm/2年/海南
F…上杉 空斗 186cm/2年/陵南
F…白田 豊 195cm/2年/湘北
C…黒川 大蔵 193cm/2年/陵南




ジャンプボール。

センターサークル内には、桜木と白田。


「師匠にジャンプボールで勝とうとは、百年早い!!」

「勝とうとは思ってませんよ。」

「弟子は師匠には勝てぬことを理解しておるということだな。」

「さぁ、どうでしょう。」にこ。



『シュ!』


彦一がボールを宙に放った。



『バチン!!』



圧倒的な跳躍で、ボールを叩き落す桜木。



「勝ち目がないと思い、逃げたか!!」


「ええ、半分は。」


「!!」



ジャンプボール、白田は軽く跳んだだけだった。


ボールは、山岡のもとへ。


柳は前に走り出していた。


湘北、お決まりのジャンプボールからの速攻。



「山岡さん!」



(おぉ!湘北の速攻パターン!拓真も反応しておる!)

笛をくわえながら、興奮している彦一。



山岡が振りかぶろうとした瞬間。



『バッ!!』


「!!!」


目の前に白田。




「あっ!白田君!この速攻を封じるために、あえてジャンプボールを跳ばなかったんだ!」

と晴子。




(みすみす2点をやるほど、俺はお人よしじゃない。)

と白田。



前線にいた柳。

(ちっ。白田のやつ。)



「フン!小賢しい。」



「やるね。」

(でも、ここからが本番でしょ。)


山岡はゆっくりとドリブルをつくと、セットオフェンスに入った。




(この速攻を抑えたことは大きい。先制点は湘北に数倍の勢いをもたらしてきたからな。)

と高頭。




湘北の速攻の価値を一番理解していた湘北の男が、その速攻を止めた。



『パシ!』


ボールは、トップの柳へ。

サイドに山岡と天沼。

インサイドに桜木と大泉。


白チームは、予定通りハーフマンツーでディフェンスをしている。



「柳、決勝リーグの借りは返すぜ。」

と清田。


「簡単にはいきませんよ。」

と柳。



性格は違えど、プレースタイルは似ている両者。

スキあらば、得点を奪うオフェンシブなPG。



『キュッ!』


『ダムッ!!』



(相変わらず、いいディフェンスっすね!)

抜群のスピードと得点能力を誇る柳春風。


(スピードだけは、認めてやるぜ。)

その柳のスピードを身体能力の高さで止める清田信長。



左サイド。


天沼がVカット。


そこに柳からのパス。



「手加減はなしだ。」

県4位の翔陽を一人で支える万能スコアラー天沼健一。


「当たり前です。」

神奈川の誇るシュータートリオの一角を担う上杉海斗。



『キュッキュ!!』


「!!!」


「巧い!!」


『ダムダム!!』




「海斗君をあっさり抜いた!!」

「ふむ。」

安西もうなずく。




「!!!」



並走する海斗を無視するかのように、インサイドに突っ込む天沼。


そして、遠い位置からの跳躍。


腕を伸ばし、リングを狙う。



「うぉーー!」


「ちぃ!」



『バス!!』



青チーム、3年生天沼の個人技で先制点を奪う。



「まずは2点だぜ。」にや。

「さすが、県3位の得点力ですね。」

「流川がいない神奈川のスタメンSFは俺だ。」

と天沼。


「いや、俺がいただきます。」

と海斗が答える。


(いや、俺だ。)

逆サイドの空斗も思った。



流川不在のスタメンSFの座を狙う熾烈な戦いが今始まった。




「桜木のやつ・・・。」

高頭が続ける。

「大泉の巧さはわかる。だが、桜木まで白田を押さえ込み、天沼のコースを作るとはな。」


(本人は無意識かもしれんが、あの献身的なプレー。IHでまた成長したようだな・・・。)



まずは、3年生主体の青チームが、下級生主体の白チームをねじ伏せる形となった。




青 2
白 0







続く。

#400 【チーム分け】

2011-01-11 | #13 神奈川 国体編
国体に優勝すべく集められた12名の選手と2名のマネージャー。


合同練習初日。

安西の提案により、5on5の試合形式の練習が行われようとしていた。



「チームは私が分けさせてもらいました。よろしいですね。」


「はい!」

「あぁ、任せるぜ。」

「お願いします。」



「では、Aチームです。監督は田岡先生、お願いします。」

「わかりました。」


「山岡君、大泉君、天沼君、柳君、緑川君、そして桜木君です。」


「桜木以外は悪くないチームだな。」にこ。

「なんだと、山猿!」


「確かに。」

「なぬ!サル風まで!」


「だが、ゴール下の桜木の頼もしさは別格だ。」

「おっ!さすが、チビ丸君(大泉)!他のサル共とは違う!」


「頼りにしてるぞ!桜木!」

「ぬっ、貴様は誰だ?」

「誰だじゃねぇよ、翔陽の天沼だ。決勝リーグで対戦しただろ!」

「・・・。言われてみれば。その茶髪見覚えがあるぞ。よし、今日から沼っちと呼んでやる。」

「相変わらず偉そうだな。」

「フン!このチームのキャプテンだからな!ハッハッハ!」


(桜木を除けば、チームワークは悪くないはずだ。
だが、桜木がいないとゴール下を圧倒される・・・。難しいチームにしましたね。安西先生。)

と悩む田岡。



PG…柳 春風 172cm/2年/湘北
SG…山岡 拓真 185cm/3年/陵南
SG…緑川 航 185cm/2年/湘北
SF…天沼 健一 182cm/3年/翔陽
 C…桜木 花道 196cm/3年/湘北
 C…大泉 大丸 191cm/3年/海南




「続いて、Bチーム。信長君、黒川君、海斗君、空斗君、白田君、そして秀吉君です。
監督は、高頭先生にお願いします。」

「承知。」


(赤毛猿と同じチームにならなかったことは何よりだぜ。)

「お兄ちゃん、絶対赤毛猿をぶっ倒すぞ!!」

「もちろんだ。練習とはいえ、負けは許されねぇ。」

(だが、秀吉と同じチームか・・・。前途多難だな。)


「同じチームになれたな。」

「柳は敵になっちまったが、大蔵と同じチームでまたやれるなんて。
1年前の国体以来だもんな。楽しみだ。」

「あぁ、白田も同じチームになったし、俺たち2年の強さを見せてやろうぜ。」

「そうだな。」


「こっちは若いチームだが、田岡先輩のチームより、チームワークはいいはずだ。
清田、巧くまとめてくれよ。」

と高頭

「OKっす!」にか。



PG…清田 信長 182cm/3年/海南
SG…清田 秀吉 175cm/1年/海南
SF…上杉 海斗 186cm/2年/海南
SF…上杉 空斗 186cm/2年/陵南
PF…白田 豊 195cm/2年/湘北
 C…黒川 大蔵 193cm/2年/陵南




「田岡先輩、勝負ですぞ!」

「例え練習とはいえ、決して負けぬぞ!!」


『ギラギラ・・・。』


選手以上に熱い火花を散らす監督同士。




作戦タイム。


「ふむ。まずは、すんなりいくとするか。
PGは清田、上杉兄弟はスウィングマンで、インサイドは黒川と白田に任せる。」

「はい!!」

「おう!」


「監督!おっ俺は!!」

「秀吉は、様子を見て投入する。まずは、味方の動きを観察しろ!」

「ちぇ、まぁ年功序列じゃ、しょうがねぇか。」

「バカ!実力だ!!監督に一々突っかかるな!」

「はい!お兄ちゃん。」


「秀吉は、ホント清田の1年のときによく似ている。はっはっは。」

「監督、そりゃないっすよ。」


「Aチームで、怖いのは山岡と天沼の両スコアラーと桜木だ。
清田、柳は止められるだろうな。」

「当たり前ですよ。」にかっ。


「清田は柳、空斗は山岡、海斗は天沼、白田は桜木、黒川は大泉。まずはマンツーマンでいこう。
下克上といこうじゃないか。」

「監督、緑川がスタメンかもしれませんよ。」

「いや、それはない。あのチームなら、緑川は流れを引き込み始めたときに使いたい選手のはずだ。
間違いない。田岡先輩は、緑川を使わん。私には、先輩の考えなど手に取るようにわかるからな。」にや。

(練習であれ、負けるつもりはありませんよ。田岡先輩。)


「わっわかりました。」




対して、Aチーム。


(セオリーなら、大泉を抜きたいところだが、ここは・・・。)


「桜木!PFでいけるか!」


「ん!!」

「!!」


「じじぃ、何をいう。天才桜木に愚問だぜ。どのポジションも問題ねぇ。」にや。


「よし、わかった。その言葉、忘れるなよ。天才桜木の実力とやらをみせてもらうぞ。」

「おうよ!!」


「最初は、柳、山岡、天沼、桜木、大泉で行くぞ。
こっちは、3年が4人もいるんだ。下級生たちに負けるわけにはいかんぞ!」

「おう!!」

「はい!」


「諸君、この桜木がいる限り、チーム桜木は決して負けん!!
大船に乗った気でいなさい!ハッハッハ!」

「へいへい。」

「いつのまに、チーム桜木・・・。」




対して、Bチーム清田。

(3年は俺一人・・・。俺のリーダーシップを計るつもりってか。
OK!しかと見せてやるぜ!安西先生!)




こうして、選手、監督の様々な思惑が飛び交う中、国体出場メンバーによる5on5が開始された。








続く。

#399 【合同練習初日】

2011-01-07 | #13 神奈川 国体編
海南大附属高校体育館。



国体優勝に向けて、バスケットボール部専用の体育館に集められた12名の選手と2名のマネージャー。


そして、安西、田岡、高頭の監督、コーチ陣。


総勢17名の神奈川県代表。



「かっかっか!よく来たな、貴様ら!ここは常勝海南の体育館だ!!
どうだ、すげーだろ!!」



『ガン!』



「バカやろー!何だ!その態度は!海南の恥をさらすな!!」



「おっお兄ちゃん!いってーー。」


両手で頭を押さえる選ばれた12名の中で2番目に小さな男。



「ハッハッハ!口だけなところは、野猿そっくりだな!」


「うるせー!赤毛猿!!」

「お兄ちゃんを侮辱するな!!」


「フン!野猿なんぞ、侮辱する価値もないは!ハッハッハ!」


「今のうちにほざいていろ!あとで痛い目に見せてやるぜ!」

と清田に叩かれた男が叫ぶ。



「胸を借りるつもりでかかってきなさい!小猿!ハッハッハ!」



「おい!秀吉!いいか、お前はこの中で、一番の年下なんだ。
大人しくしていればいいんだ!決してでしゃばるな!海南の、清田の恥をさらすな!!」


「はい!お兄ちゃん!!」


「ふーー。」

(まさか、秀吉が召集されるとは・・・。嬉しいような悲しいような複雑な気分だぜ。)



「おい!赤毛猿!!」


「なんだ、小猿!」


「てめーは、この海南のスーパールーキー清田秀吉がぶっ倒してやるからな!!」



「フン!野猿以下の小猿には無理だ!!!ハッハッハ!」

余裕の表情を浮かべる桜木であった。




清田 秀吉

今年、海南大附属に入学した清田信長の実弟。

兄にも勝る勝気な性格を持ち、なぜか桜木をライバル視している。

海南のスタメンSGで、175cmの小柄な選手であった。




「というか、オヤジ!!!なぜ、小猿がいやがる。いや、野猿もいるのがおかしい!」


「なんだと!ガルルルル!!」

「おい!秀吉!!よせ!」

(牧さんの苦労がわかるようになってきた・・・気がする。)



「彼らは、頼もしいチームメイトです。」


「そうよ、桜木君。清田さんはとっても頼りになるプレーヤーだよ。」

マネージャーとして招集された晴子。



「なぬ!ハルコさん!ハルコさんがいうなら仕方ない・・・。だが!!」

先ほどまで、余裕の表情を浮かべていた桜木であったが、
晴子に清田が頼もしい存在といわれたことに納得が行かない桜木。


「こらぁーー!野猿!!勝負しやがれ!!負けたほうが、即この場から退場だ!!」


「さっ桜木君!!」


「よっしゃーー!!受けて立つぜ!!」

「バッバカ!お前じゃない!!秀吉!!とにかくお前は、静かにしてろ!!!」


「赤毛猿!俺はお前にかまっている暇はない。
秀吉、いいか、とにかく大人しくしてろ、わかったな!?」

「はい。お兄ちゃん。」にこ。


(はぁーー。これでは先が思いやられる・・・。国体どころではないぜ・・・。)



『カキカキ・・・。』


(不作といわれた今年の1年生の中で、唯一例年と遜色ない輝きを出す清田秀吉君。
チェックさせてもらうで。)

彦一もまた、マネージャーとして呼び集められていた。



「今年も個性派揃いですね。」にこり。

「賑やかなでいいんじゃない。」

「ところで、サブキャプテンを任されたらしいですね。」

「名前だけのね。清田さんに任せておけば問題ないさ。」

涼しい顔で桜木たちのやりとりを聞いていたのは、陵南山岡と上杉空斗、黒川大蔵であった。






「覚悟はしていたが、このチームをまとめていくのは一苦労だな。」

と田岡。


「やはり、清田兄弟と桜木は犬猿の仲、同じチームの器用は難しそうだ・・・。」

と高頭。



反対に、安西は嬉しそうな表情を浮かべ、選手たちを眺めていた。


「全員集合したようなので、高頭先生、進めていただいてよろしいですか。」

「わかりました。」


安西の指示に高頭が答え、説明に入った。


「ここに集められたのは他ではない。すでに承知の通り、来月行われる国体に優勝するために、
私たちが選ばせてもらった優秀な選手諸君だ。」


田岡が続ける。


「一昨年、昨年もベスト4。偉大な先輩たちでさえ、未だ優勝はしたことない。
だが、今年は優勝できる。
私は、いやここにいる全てのものがそう思っているはずだ。
国体必勝!その意味を胸に刻み、練習、試合に挑むように!わかったか!!」

「はい!!」

「おうよ!!」

『コク。』



「では、安西先生も一言お願いします。」

「はい。」


選手を見渡し、一人ひとりを確認した後、話し始める。


「高頭先生が仰ったように、ここにいる君たちは、優秀な選手です。
そして、田岡先生が仰ったように、私たちは必ず優勝できると信じています。君たちはどうですか?」


「もちろんだ!オヤジ!!この天才がいれば、キツネなんぞいなくとも、優勝させてやるぜ!!」


「この秀吉が優勝に導きます!ねぇ、お兄ちゃん!!」

「あっあぁ。」


「狙うは優勝のみ!!」


「仙道さんを超える!!」



「わかりました。期待していますよ。では、早速練習を始めましょう!」にこり。


「おう!待ってたぜ!」

「はい!!」

「よし!!」

「いくぜ!!」



「赤木君、ビブスを。」

「はっはい!」


「ランニング、ストレッチのあと試合形式の5on5を行います。」


「!!!!」

「5on5!!!」

「いきなり!!」

驚く選手たち。



湘北選手たちは。


「フン!ジョートーだ!!」

「よし!!」

「そうくると思っていましたよ。」

一切、驚いた素振りを出さない。



そして、以前、ともに練習していた陵南選手たちも。


「出ましたね。安西先生のこのパターン。」

と黒川。

「さすがに、もう驚かないよ。」

と苦笑う山岡。



(早速ですか。安西サプライズですな。)

と田岡。


「なっなんと!」

「高頭、これが安西先生の練習だ。しっかり、見ておけよ。」

「常識外。」




こうして、合同練習初日の最初の練習で、5on5が行われることになった。








続く。

#398 【メンバー選考会議】

2011-01-06 | #13 神奈川 国体編
湘北高校のとある会議室。


2人の男が声を荒げている。



「キャプテンは清田です!やつをおいて、他にできるものはおりません!!」

「いや、うちの山岡だ!コーチでもない貴様に決定権はない!!」


「ぬぬぬ!」

「むむむ!」


「いくら先輩といえど、ここは譲れませぬぞ!!」

「全国にも出場できぬ監督のくせに、デカい顔をしおって!!」


「ぬぬぬ!田岡・・・先輩・・・。」

「むむむ!高頭・・・。」


睨みあう田岡と高頭。


瞳の中に炎が見える。


その視界に置物のように微動だにせぬ安西が映りこむ。


「はっ!」

「はっ!」


両者が安西に目を向ける。



そして。



『バッ!』


『バッ!』



「安西先生のご意見をお聞かせてください!」

「先生はどうお考えなのですか!!」


「キャプテンナンバーは、18年連続で海南の選手がつけてまいりました。
神奈川県の国体の伝統ということで、今年も海南から。」

「いやいや!全国にも出場していない海南の選手がキャプテンナンバーをつけるなんぞ、神奈川の恥!
今年は、陵南から山岡につけさせてもらいたい!」



「田岡先輩!!」


「高頭!!」



両者は睨みあった後、安西を見た。


しばしの沈黙。



『キラーーン。』


安西の眼鏡が光る。



「ほっほっほっ。私はどちらでもかまいません。お二人で決めてください。」



「ぬっ。二人では話がつかないから、先生のご意見を聞いているのです。」

「そうです。こやつが、非常識にも先輩である私に楯突いているので、ご相談しているのです。」



(流川がおれば、私も先輩も納得できたはずなのに・・・。)

(流川がおれば、私も高頭も納得できたはずなのに・・・。)



「そうですか・・・。では、決めさせてもらいましょう。」



「!!」

「!!」



「おぉ!!お願いします!」

「おぉ!!お願いします!」



「国体、神奈川県選抜のキャプテンは・・・。」



「キャプテンは・・・。」

「キャプテンは・・・。」



「清田君にお願いしましょう。毎年、神奈川が好成績を残せているのも海南さんのおかげです。
それに彼はいい選手です。きっと、チームを良い方向に導いてくれます。」



「そっそうでしょう!!さすが、安西先生!!わかっておられる!
どこぞこのぽっとでの監督とは違う!!」



「なっなにをーー!!」



「サブは、山岡君にお願いします。彼は、自由に伸び伸びやらせてあげたい。
いいですかな、田岡先生、高頭先生。」



「はい。問題はありません。」にや。

「わっわかりました・・・。安西先生が仰るなら、致し方ない。」



「その他の選考選手については、私のほうである程度ピックアップさせてもらいました。
こちらを見ていただければと思います。先生たちも納得のいく選手だと思います。」



『サッ。』


安西の資料に目を通す田岡と高頭。



「うむ・・・。」

「ふむ・・・。」


(各校より何遍なくピックアップされておる。)

(文句のつけようがない。)


「よろしいですか。」


「はい。問題ありません。」

「よろしくお願いいたします。」


「この中から、お二人と検討して、選抜選手を決めたいと思っています。
それと、当面、コーチはお二人にお任せします。」


「なっ!!」

「!!!」


「コーチは1名しかベンチ入りできませんぞ!」


「コーチも私が選ばせてもらいます。」


「!!!」

「!!!」



(安西先生・・・。)

「私では用が足りぬと!」


「いえ、そんなことはありません。ただ、選手たちも群雄割拠。凌ぎを削っています。
私たちも凌ぎを削るということです。」


「さすが、安西先生。器が違う。」にや。

(ふっ。ありがとうございます。高頭力、必ずこのチャンスをものにしてみますぞ!!)


「勝負ですぞ。田岡先輩!」

「望むところだ!高頭!!」



「ぬぬぬ!」


「むむむ!」


「ほっほっほっ。」



この後、安西の資料をもとに、国体出場選手の選考が行われた。



2時間後。



「ふむ!」

「いいメンバーではないか!!」

「ほっほっほっ。」


「このメンバーなら、優勝の可能性も十分にありうる!」

「甘いぞ、高頭!!優勝するのだ!!ですよね、安西先生!」

「ほっほっほっ。」


「では、来週末に合同練習、当校の体育館で。」

と高頭。

「はい。」

「田岡先生、高頭先生、よろしくお願いいたします。」

「はい。」

「承知。」




翌週、第65回国民体育大会バスケットボール競技 少年男子の部に出場するため、
神奈川県の強豪校から、12名の選手と2名のマネージャーが集められた。








続く。