酒田 31
湘北 27
湘北のオフェンス。
SG新山、SF田中は、柳、流川のディフェンスを一向に緩めない。
むしろ、その動きは、第1Qを超えるほど、激しいものとなっていた。
『キュッ!』
『キュッキュ!!』
(地味な顔して、なんてしつこいディフェンスしてんだ!)
第2Q、柳は仕事らしい仕事をしていない。
「いくらスピードがあっても、身長、リーチの差をカバーするのは、困難・・・。」
「全国Aクラスのディフェンダーを前に、柳君もだいぶ苦労しているようですね。」
「試練・・・というところかな。」
心配する彩子ら。
コート上では、田中のタイトなディフェンスをくぐり抜け、流川がドライブからのレイアップを決めていた。
「ここにきて、流川君の動きがよくなってきましたね。」
「彼がノッている今、湘北が是が非でも追いつきたいところね。」
酒田 31
湘北 29
酒田の反撃。
PG松山のパスは、パウエルを囮に使った頭脳プレー。
SG新山が、フリーで受け取る。
柳の前から放つ3P。
『シュ!』
(やっべ!)
思いがけないところから、放たれたシュートは、青森酒田のテンションを高める。
『スポ!』
「うぉぉぉーー!!!」
「酒田の3P!!」
「地味に巧い!!」
「痛い!」
と湘北ベンチ。
「いいど!!」
と酒田ベンチ。
酒田 34
湘北 29
第2Qもまもなく5分を迎えようとしている。
この試合、未だ0得点の桜木。
「サムラギハゼロ。」
「ぬっ!」
「カマタヨリシタ。」
「なぬっ!」
パウエルは、桜木に言葉を発すると、ゴール下にポジションを取った。
オフェンス能力の低い桜木をディフェンスするよりも、インサイドで得点をあげる流川のカバーに回る。
これが、パウエルの作戦であった。
この上ない屈辱を味わう桜木。
(おのれ!バイエルン!この桜木をフリーにするとは!!)
「リョーちん!パス!パス!」
3Pライン上、ノーマークの桜木が、パスを要求する。
(花道がそこにいたって、何もできないだろ!!)
だが、他の3人には激しいディフェンスにより、パスが出せない。
(くそう。一か八かだ!)
『ダム!』
宮城のバウンドパスは桜木の元へ。
(へへっ。いいぞ、リョーちん!)
「この天才を甘く見ていたことを後悔させてやる!!いくぞ!バイエルン!!」
『ダム!』
ドリブルで間合いをつめる桜木。
「オッ!」
パウエルが機敏に詰め寄る。
「だりゃーー!!合宿シューーート!!」
パウエルの前から放つ桜木のジャンプシュート。
『ダン!』
『バチィン!!』
「!!!!」
「花道!!」
「高い!!」
「あの桜木をブロックした!!」
パウエルに完璧と言っていいほどのブロックをされた桜木。
ボールは、バウンドすることなく、コートの外へ大きく弾かれていった。
195cmの桜木がブロックされたことで、ざわつく会場。
「すげーー!!ブロックーー!!」
「バレーのアタックかよ!!」
「ミーカラノトクテンナシネ。」
笑うパウエルの白い歯が光る。
「・・・。」
「バカ!てめーより巧いやつに真っ向勝負するやつがあるか!」
と宮城。
(・・・。)
無言の桜木。
(さすがの桜木さんも今のは、ちょっと堪えたかもしれないな。)
サイドラインから桜木を心配する柳がボールをノールックパスで放る。
受け取ったのは、ミドルでポジション取りをしていた白田であった。
『クルッ。』
白田は、受け取るや否や、第1Qで幾度となく成功させていたフックシュートを放った。
だが。
「もうそれは、わがっでる!!」
吉田のファウルギリギリのパワープレーがシュートの軌道をずらす。
「ファール!!」
思わずベンチから声を出す彩子。
審判は首を横に振る。
(ぐっ。)
「リバウンドー!!」
叫ぶ白田。
「オフェンスリバウンドだ!桜木さん!!」
「獲られるでねー!!」
声を出す両ベンチ。
『ガシ!』
『ガン!』
(にゃろー!)
(ヌオッ!)
戦場と化すゴール下で、流川とパウエルが激しいポジション争い。
桜木は、後方から跳び込みリバウンドを狙う。
『ガコン!!』
「花道!!」
宮城が叫ぶ。
「おうよ!」
助走をつけ、ハイジャンプを見せる桜木。
「リバウンドだけは、誰にも譲らーーん!!」
ボールに近づく3本の腕。
『バシ!』
掴んだのは、褐色の腕だった。
「うぉぉぉーーー!!!」
「あぁぁーーーーーー!!!」
「ナイスリバウンドだ!パウエル!!」
「いいど!!」
着地する桜木と流川。
「サムラギ、ムカワ。ポイント、リバウンド、アゲナイ。」
「バイエルン!!!」
(にゃろーー!!)
不利の状況で、リバウンドを奪ったパウエル。
シュートブロックに続き、リバウンドを奪われた桜木は、
今までに感じたことのない屈辱感・敗北感を感じていたのであった。
(やろー、どうすれば勝てる・・・。)
酒田 34
湘北 29
続く。
湘北 27
湘北のオフェンス。
SG新山、SF田中は、柳、流川のディフェンスを一向に緩めない。
むしろ、その動きは、第1Qを超えるほど、激しいものとなっていた。
『キュッ!』
『キュッキュ!!』
(地味な顔して、なんてしつこいディフェンスしてんだ!)
第2Q、柳は仕事らしい仕事をしていない。
「いくらスピードがあっても、身長、リーチの差をカバーするのは、困難・・・。」
「全国Aクラスのディフェンダーを前に、柳君もだいぶ苦労しているようですね。」
「試練・・・というところかな。」
心配する彩子ら。
コート上では、田中のタイトなディフェンスをくぐり抜け、流川がドライブからのレイアップを決めていた。
「ここにきて、流川君の動きがよくなってきましたね。」
「彼がノッている今、湘北が是が非でも追いつきたいところね。」
酒田 31
湘北 29
酒田の反撃。
PG松山のパスは、パウエルを囮に使った頭脳プレー。
SG新山が、フリーで受け取る。
柳の前から放つ3P。
『シュ!』
(やっべ!)
思いがけないところから、放たれたシュートは、青森酒田のテンションを高める。
『スポ!』
「うぉぉぉーー!!!」
「酒田の3P!!」
「地味に巧い!!」
「痛い!」
と湘北ベンチ。
「いいど!!」
と酒田ベンチ。
酒田 34
湘北 29
第2Qもまもなく5分を迎えようとしている。
この試合、未だ0得点の桜木。
「サムラギハゼロ。」
「ぬっ!」
「カマタヨリシタ。」
「なぬっ!」
パウエルは、桜木に言葉を発すると、ゴール下にポジションを取った。
オフェンス能力の低い桜木をディフェンスするよりも、インサイドで得点をあげる流川のカバーに回る。
これが、パウエルの作戦であった。
この上ない屈辱を味わう桜木。
(おのれ!バイエルン!この桜木をフリーにするとは!!)
「リョーちん!パス!パス!」
3Pライン上、ノーマークの桜木が、パスを要求する。
(花道がそこにいたって、何もできないだろ!!)
だが、他の3人には激しいディフェンスにより、パスが出せない。
(くそう。一か八かだ!)
『ダム!』
宮城のバウンドパスは桜木の元へ。
(へへっ。いいぞ、リョーちん!)
「この天才を甘く見ていたことを後悔させてやる!!いくぞ!バイエルン!!」
『ダム!』
ドリブルで間合いをつめる桜木。
「オッ!」
パウエルが機敏に詰め寄る。
「だりゃーー!!合宿シューーート!!」
パウエルの前から放つ桜木のジャンプシュート。
『ダン!』
『バチィン!!』
「!!!!」
「花道!!」
「高い!!」
「あの桜木をブロックした!!」
パウエルに完璧と言っていいほどのブロックをされた桜木。
ボールは、バウンドすることなく、コートの外へ大きく弾かれていった。
195cmの桜木がブロックされたことで、ざわつく会場。
「すげーー!!ブロックーー!!」
「バレーのアタックかよ!!」
「ミーカラノトクテンナシネ。」
笑うパウエルの白い歯が光る。
「・・・。」
「バカ!てめーより巧いやつに真っ向勝負するやつがあるか!」
と宮城。
(・・・。)
無言の桜木。
(さすがの桜木さんも今のは、ちょっと堪えたかもしれないな。)
サイドラインから桜木を心配する柳がボールをノールックパスで放る。
受け取ったのは、ミドルでポジション取りをしていた白田であった。
『クルッ。』
白田は、受け取るや否や、第1Qで幾度となく成功させていたフックシュートを放った。
だが。
「もうそれは、わがっでる!!」
吉田のファウルギリギリのパワープレーがシュートの軌道をずらす。
「ファール!!」
思わずベンチから声を出す彩子。
審判は首を横に振る。
(ぐっ。)
「リバウンドー!!」
叫ぶ白田。
「オフェンスリバウンドだ!桜木さん!!」
「獲られるでねー!!」
声を出す両ベンチ。
『ガシ!』
『ガン!』
(にゃろー!)
(ヌオッ!)
戦場と化すゴール下で、流川とパウエルが激しいポジション争い。
桜木は、後方から跳び込みリバウンドを狙う。
『ガコン!!』
「花道!!」
宮城が叫ぶ。
「おうよ!」
助走をつけ、ハイジャンプを見せる桜木。
「リバウンドだけは、誰にも譲らーーん!!」
ボールに近づく3本の腕。
『バシ!』
掴んだのは、褐色の腕だった。
「うぉぉぉーーー!!!」
「あぁぁーーーーーー!!!」
「ナイスリバウンドだ!パウエル!!」
「いいど!!」
着地する桜木と流川。
「サムラギ、ムカワ。ポイント、リバウンド、アゲナイ。」
「バイエルン!!!」
(にゃろーー!!)
不利の状況で、リバウンドを奪ったパウエル。
シュートブロックに続き、リバウンドを奪われた桜木は、
今までに感じたことのない屈辱感・敗北感を感じていたのであった。
(やろー、どうすれば勝てる・・・。)
酒田 34
湘北 29
続く。