酒田 66
湘北 68
湘北ベンチ。
「流川のやつ・・・。」
苦笑する彩子。
「えっ、なんですか?」
晴子が尋ねる。
「桜木花道をノらせたのよ。」
「ノらせた?」
「ええ。桜木花道にとって、一番テンションのあがるプレーは、流川からのパスを受け取り、シュートを決めること。
流川が今、演出したプレーよ。」
「っていうことは、流川君が桜木君をノらせるために、パスを出したってことですか?」
「そうね。はっきりいって、今のはパスしなくても、流川なら決められたはず。
仲がいいのか、悪いのか。」クスッ。
「流川君も桜木君を認めているってことですよね。なんか、嬉しいな。」
嬉しそうな晴子。
安西もまた嬉しそうな表情を見せていた。
(いい選択でしたよ。流川君。)
「ハッハッハ!流川ぁーー!もっとパスしてこい!!」
「・・・。」
(もうやらねぇよ。)
「オラァー!いくぞーー!!ディフェンスだーー!!!」
彩子の予想通り、桜木はノっていた。
ただのワンプレーであったが、流川からのパスを決めるということは、
桜木にとって、それほど大きいものであった。
『キュッキュ!!』
桜木は、パウエルに当たる。
「湘北は、オールコートマンツーだ!!」
「再び勝負に出たーー!!」
「いや、違うぞーー!!!」
他の4人は、自軍コートに戻り、ハーフマンツーの構え。
「桜木だけが、オールでパウエルについている!!」
「パウエルに仕事をさせないということか!!」
「なにもオールであたらなくても・・・。」
「体力勝負。どちらかが、倒れるまで走り抜く。湘北は、賭けに出たわね。」
青森酒田の反撃。
パウエルには、今まで以上に桜木がタイトにあたる。
パスをもらえる状態にはない。
(ぜってー、パスはいれさせん。そして、リバウンドは俺が全て奪う。)
『キュッキュ!!』
桜木は、腰をかがめ、パウエルの目線を追うフェイスガードで、完璧に抑える。
(ぐぞ。パウエルは使えねぇが。)
攻め倦む松山のドリブル。
(へっ、どうやら、花道のディフェンスが効いているようだな。)
そこへ、柳。
「松山!」
新山の声。
だが、松山の耳に入ったときには、すでに遅かった。
『パシ!』
「!!」
パウエルと宮城に気を取られていた松山のドリブルを、柳がスティールする。
「いいぞ!柳!!」
ルーズボールを拾い上げた柳は、そのまま酒田ゴールを目指す。
松山、新山は、決死の形相で、柳の背中を追うが、差は見る見る広がっていった。
『パサ。』
柳のワンマン速攻が決まる。
「はえーーー!!」
「湘北が底力を見せてきた!!」
「この時間帯で、あのスピードとは、やるな。あいつ。」
と山王烏山。
(春風・・・。)
今まで沈黙していた山王福原が柳の姿を嬉しそうに見つめている。
「第4Qで仕事をするやつほど、怖いものはない。
そういった意味で、湘北のメンバーは全員が怖い存在ダス。」
「ナイッシューだ!もう1本いくぞ!!」
「宮城さん、ぜってぇ勝ちましょうね。」
「へっ、当たり前だ!!」
酒田 66
湘北 70
「松山、気にせんと。」
「あぁ。」
桜木のパウエルへの捨て身のディフェンスにより、歯車がかみ合わなくなりつつ、青森酒田。
(勝負は、ここだ!!)
宮城の眼が光る。
「花道!ぜってー、そいつにボールを持たせるな!!」
「愚問だぜ!リョーちん!!」
「ディフェンス集中だ!!」
「はい!」
「うす。」
桜木を初め、湘北選手は、この試合最高の集中力を発揮していた。
『キュキュッ!』
「What a persistent defense it is!」(なんてしつこいディフェンスだ!)
パウエルも桜木のディフェンスに驚きを隠せない。
この時間帯で、桜木のより一層の激しい動きにパウエルの動きが止まる。
(へっ、オヤジのいうとおりだ。バイエルンは、明らかに動きが落ちている!)
さすがの松山も攻め倦む。
だが、その瞬間。
『クルッ!』
「マッサン!!」
桜木を背負い込み、裏のパスを要求するパウエル。
「しまった!」
(油断した!!)
「ぬお!」
「パウエル!!」
松山が、湘北ゴールに向かって、大きくパスを放り込む。
「!!!」
「!!」
「パウエルだーー!!!」
「桜木、抑えろーー!!!」
パウエルに向かって、跳び込むボール。
『パシ!』
「!!」
「!!!」
「るっ流川!!!」
叫ぶ桜木。
「やられてんじゃねぇよ!どあほう!」
「流川君!!!」
晴子が叫ぶ。
「流川がまたナイスカットだーー!!」
「何本目のスティールだ!!!」
歓喜に沸く湘北ベンチ。
流川は、ジャンプ一番、松山からパウエルへのパスを片手で防いだ。
ボールは、白田の下へ弾ける。
「湘北が、完璧に流れを持っていったわね。」
「運も湘北です!」
中村も笑顔ではしゃぐ。
「桜木花道的にいえば、今の流川は、スティール王ね。」
「流川君・・・。」
(ディフェンスも頑張ってる。)
流川のスティールが、湘北に更なる勢いをもたらす。
酒田 66
湘北 70
続く。
湘北 68
湘北ベンチ。
「流川のやつ・・・。」
苦笑する彩子。
「えっ、なんですか?」
晴子が尋ねる。
「桜木花道をノらせたのよ。」
「ノらせた?」
「ええ。桜木花道にとって、一番テンションのあがるプレーは、流川からのパスを受け取り、シュートを決めること。
流川が今、演出したプレーよ。」
「っていうことは、流川君が桜木君をノらせるために、パスを出したってことですか?」
「そうね。はっきりいって、今のはパスしなくても、流川なら決められたはず。
仲がいいのか、悪いのか。」クスッ。
「流川君も桜木君を認めているってことですよね。なんか、嬉しいな。」
嬉しそうな晴子。
安西もまた嬉しそうな表情を見せていた。
(いい選択でしたよ。流川君。)
「ハッハッハ!流川ぁーー!もっとパスしてこい!!」
「・・・。」
(もうやらねぇよ。)
「オラァー!いくぞーー!!ディフェンスだーー!!!」
彩子の予想通り、桜木はノっていた。
ただのワンプレーであったが、流川からのパスを決めるということは、
桜木にとって、それほど大きいものであった。
『キュッキュ!!』
桜木は、パウエルに当たる。
「湘北は、オールコートマンツーだ!!」
「再び勝負に出たーー!!」
「いや、違うぞーー!!!」
他の4人は、自軍コートに戻り、ハーフマンツーの構え。
「桜木だけが、オールでパウエルについている!!」
「パウエルに仕事をさせないということか!!」
「なにもオールであたらなくても・・・。」
「体力勝負。どちらかが、倒れるまで走り抜く。湘北は、賭けに出たわね。」
青森酒田の反撃。
パウエルには、今まで以上に桜木がタイトにあたる。
パスをもらえる状態にはない。
(ぜってー、パスはいれさせん。そして、リバウンドは俺が全て奪う。)
『キュッキュ!!』
桜木は、腰をかがめ、パウエルの目線を追うフェイスガードで、完璧に抑える。
(ぐぞ。パウエルは使えねぇが。)
攻め倦む松山のドリブル。
(へっ、どうやら、花道のディフェンスが効いているようだな。)
そこへ、柳。
「松山!」
新山の声。
だが、松山の耳に入ったときには、すでに遅かった。
『パシ!』
「!!」
パウエルと宮城に気を取られていた松山のドリブルを、柳がスティールする。
「いいぞ!柳!!」
ルーズボールを拾い上げた柳は、そのまま酒田ゴールを目指す。
松山、新山は、決死の形相で、柳の背中を追うが、差は見る見る広がっていった。
『パサ。』
柳のワンマン速攻が決まる。
「はえーーー!!」
「湘北が底力を見せてきた!!」
「この時間帯で、あのスピードとは、やるな。あいつ。」
と山王烏山。
(春風・・・。)
今まで沈黙していた山王福原が柳の姿を嬉しそうに見つめている。
「第4Qで仕事をするやつほど、怖いものはない。
そういった意味で、湘北のメンバーは全員が怖い存在ダス。」
「ナイッシューだ!もう1本いくぞ!!」
「宮城さん、ぜってぇ勝ちましょうね。」
「へっ、当たり前だ!!」
酒田 66
湘北 70
「松山、気にせんと。」
「あぁ。」
桜木のパウエルへの捨て身のディフェンスにより、歯車がかみ合わなくなりつつ、青森酒田。
(勝負は、ここだ!!)
宮城の眼が光る。
「花道!ぜってー、そいつにボールを持たせるな!!」
「愚問だぜ!リョーちん!!」
「ディフェンス集中だ!!」
「はい!」
「うす。」
桜木を初め、湘北選手は、この試合最高の集中力を発揮していた。
『キュキュッ!』
「What a persistent defense it is!」(なんてしつこいディフェンスだ!)
パウエルも桜木のディフェンスに驚きを隠せない。
この時間帯で、桜木のより一層の激しい動きにパウエルの動きが止まる。
(へっ、オヤジのいうとおりだ。バイエルンは、明らかに動きが落ちている!)
さすがの松山も攻め倦む。
だが、その瞬間。
『クルッ!』
「マッサン!!」
桜木を背負い込み、裏のパスを要求するパウエル。
「しまった!」
(油断した!!)
「ぬお!」
「パウエル!!」
松山が、湘北ゴールに向かって、大きくパスを放り込む。
「!!!」
「!!」
「パウエルだーー!!!」
「桜木、抑えろーー!!!」
パウエルに向かって、跳び込むボール。
『パシ!』
「!!」
「!!!」
「るっ流川!!!」
叫ぶ桜木。
「やられてんじゃねぇよ!どあほう!」
「流川君!!!」
晴子が叫ぶ。
「流川がまたナイスカットだーー!!」
「何本目のスティールだ!!!」
歓喜に沸く湘北ベンチ。
流川は、ジャンプ一番、松山からパウエルへのパスを片手で防いだ。
ボールは、白田の下へ弾ける。
「湘北が、完璧に流れを持っていったわね。」
「運も湘北です!」
中村も笑顔ではしゃぐ。
「桜木花道的にいえば、今の流川は、スティール王ね。」
「流川君・・・。」
(ディフェンスも頑張ってる。)
流川のスティールが、湘北に更なる勢いをもたらす。
酒田 66
湘北 70
続く。