大栄 2
海南 0
牧を抜いたPG桜井が、SG小池へアシスト、大栄が先制点を決めた。
「さて。大栄は、どうでてくるかな?」
ベンチの高頭が、コートを見守る。
小池のシュート後、素早く戻って、敷いたディフェンスは、2-3であった。
「血迷ったか?土屋め。神が空くぞ。」
と高頭。
「よし!」
牧がゆっくりとしたドリブルで大栄陣内に入る。
大栄は、桜井、小池が前列、センターを赤井、後列を土屋と青島が守った。
3Pライン手前、牧が神へ、パスを出す。
桜井が前へ詰め寄るが、身長差15cm。
何のためらいもなく、3Pを放った。
だが、
『チィ!!』
「!!」
「そりゃ、わかってるで。」
桜井の後方から、土屋がジャンプ。
土屋の指が、わずかにボールに触れた。
(げっ、神さんのシュートに触れやがった・・・。)
清田は、土屋の跳躍力に驚いている。
ボールは、リングにあたり、リバウンドは赤井が掴む。
「よし。ナイスリバウンドや。」
「桜井、任せたで。」
「はい。」
ボールを運ぶ桜井には牧がピッタリとマーク。
桜井は、ボールを体で隠すように、ドリブルをしている。
(さすが、えらい威圧感や。)
Vカットから、土屋がボールをもらいにいくが、清田がしっかりとマーク。
ボールは、小池へと渡った。
時間を使い、ゆったりとしたオフェンスを展開する大栄学園。
ボールは、PF青島を経由して、再び桜井の元に。
シュートクロック残り6秒。
時間が視界に入った牧。
(来る!)
桜井の腰が沈む。
『キュ!』
ワンフェイクから、再びバックロールで抜きにかかる桜井のドリブルに手を出す牧。
(あかん!)
ギリギリのところで、牧を抜き去るも、パスコースは、海南ディフェンスにより全て塞がれていた。
ならばと、桜井はジャンプシュートを放つ。
だが、
『バシ!』
背後から強烈なブロックが炸裂。
もちろん、犯人は牧。
「牧のブロックーー!!」
「容赦ない!!」
ボールは、武藤がキャッチし、すぐに走り始めている清田にパス。
手堅く、レイアップを決めた。
「相手は牧だ。気を落とさんとな。」
軽く土屋が桜井の肩を叩く。
「はい。」
(ますます、貴方を超えたくなったは!)
ハーフコートを広く使い、高い位置で、ドリブルをする桜井。
(パス主体に切り替えてきたか。)
牧は、一歩間合いを空けた。
インサイドでは、武藤と青島が、高砂と赤井がポジション争いをしている。
『クルッ!』
ハイポから、ローポへ移動した青島が、高砂を押さえ込む。
仕方なく、ディフェンスをスイッチし、武藤は赤井をマークした。
そこに、桜井からのパスが供給される。
『シュパ!』
C赤井のフックが決まった。
(桜井の視野は広いな。だが、あのセンター、武藤相手にフックか・・・。)
牧は、高砂になにやら耳打ちをした。
「OK!」
海南のオフェンス。
再び、2-3のゾーンを形成する大栄学園。
(神さんが怖くねぇのか?)
と清田。
アウトサイドのパスワークから、再び牧にボールが渡った。
と同時に、ハイポに上がった高砂へパス。
赤井が間合いをつめる。
桜井、小池も高砂を囲みにかかるが、それよりも早く、
高砂がシュートフェイクから、ワンステップで赤井を抜き、シュートを放つ。
『シュ!』
「!!」
『バチン!!』
「甘いで!」
高砂のシュートを叩き落したのは、大阪のブロック王ことPF青島慶二だった。
弾かれたボールは、清田が掴む。
「神さん!」
清田は、素早く神へパスを供給しようとする。
(ここやろ!)
これに反応した土屋が、パスカットを狙い飛び出した。
だが、ボールはまだ清田の手の中にあった。
(フェイクか!?)
そして、ボールは優しく清田の指から離れた。
主審は、3本の指をあげる。
大栄、海南、誰もが神へのパスと疑わなかった。
神でさえ、最高の間で待っていた。
しかし、清田の選択は、自らの3P。
(ふっ、清田め!)
牧がリバウンドを取りにいく。
清田は、すぐさまトップに戻り、大栄の速攻に備える。
ボールは・・・。
『ガン!』
小さくリングに跳ねた。
高砂は、赤井をしっかりスクリーンアウトで抑えていたため、飛び込みリバウンドの牧がキャッチ。
そのまま、押し込んだ。
「いい判断だったよ。」
と神。
「まだまだこれからっすよ。」
と清田は笑った。
「よし!ここ止めるぞ!!」
「はい!」
そして、高砂が牧に報告をする。
「やはり、赤井は、神奈川のセンターたちに比べたら、それほどじゃない。
あいつなら、俺一人で抑えられる。」
「うむ。彦一のやつ、同郷のよしみで、少し過大評価してたかな。」
「ハッハッハックション!誰かわいの噂をしておるな!!って、そんなことより、はよ戻らねば!
姉ちゃんにどつかれるーー!!」
トイレから駆け出す彦一であった。
大栄 4
海南 4
続く。
海南 0
牧を抜いたPG桜井が、SG小池へアシスト、大栄が先制点を決めた。
「さて。大栄は、どうでてくるかな?」
ベンチの高頭が、コートを見守る。
小池のシュート後、素早く戻って、敷いたディフェンスは、2-3であった。
「血迷ったか?土屋め。神が空くぞ。」
と高頭。
「よし!」
牧がゆっくりとしたドリブルで大栄陣内に入る。
大栄は、桜井、小池が前列、センターを赤井、後列を土屋と青島が守った。
3Pライン手前、牧が神へ、パスを出す。
桜井が前へ詰め寄るが、身長差15cm。
何のためらいもなく、3Pを放った。
だが、
『チィ!!』
「!!」
「そりゃ、わかってるで。」
桜井の後方から、土屋がジャンプ。
土屋の指が、わずかにボールに触れた。
(げっ、神さんのシュートに触れやがった・・・。)
清田は、土屋の跳躍力に驚いている。
ボールは、リングにあたり、リバウンドは赤井が掴む。
「よし。ナイスリバウンドや。」
「桜井、任せたで。」
「はい。」
ボールを運ぶ桜井には牧がピッタリとマーク。
桜井は、ボールを体で隠すように、ドリブルをしている。
(さすが、えらい威圧感や。)
Vカットから、土屋がボールをもらいにいくが、清田がしっかりとマーク。
ボールは、小池へと渡った。
時間を使い、ゆったりとしたオフェンスを展開する大栄学園。
ボールは、PF青島を経由して、再び桜井の元に。
シュートクロック残り6秒。
時間が視界に入った牧。
(来る!)
桜井の腰が沈む。
『キュ!』
ワンフェイクから、再びバックロールで抜きにかかる桜井のドリブルに手を出す牧。
(あかん!)
ギリギリのところで、牧を抜き去るも、パスコースは、海南ディフェンスにより全て塞がれていた。
ならばと、桜井はジャンプシュートを放つ。
だが、
『バシ!』
背後から強烈なブロックが炸裂。
もちろん、犯人は牧。
「牧のブロックーー!!」
「容赦ない!!」
ボールは、武藤がキャッチし、すぐに走り始めている清田にパス。
手堅く、レイアップを決めた。
「相手は牧だ。気を落とさんとな。」
軽く土屋が桜井の肩を叩く。
「はい。」
(ますます、貴方を超えたくなったは!)
ハーフコートを広く使い、高い位置で、ドリブルをする桜井。
(パス主体に切り替えてきたか。)
牧は、一歩間合いを空けた。
インサイドでは、武藤と青島が、高砂と赤井がポジション争いをしている。
『クルッ!』
ハイポから、ローポへ移動した青島が、高砂を押さえ込む。
仕方なく、ディフェンスをスイッチし、武藤は赤井をマークした。
そこに、桜井からのパスが供給される。
『シュパ!』
C赤井のフックが決まった。
(桜井の視野は広いな。だが、あのセンター、武藤相手にフックか・・・。)
牧は、高砂になにやら耳打ちをした。
「OK!」
海南のオフェンス。
再び、2-3のゾーンを形成する大栄学園。
(神さんが怖くねぇのか?)
と清田。
アウトサイドのパスワークから、再び牧にボールが渡った。
と同時に、ハイポに上がった高砂へパス。
赤井が間合いをつめる。
桜井、小池も高砂を囲みにかかるが、それよりも早く、
高砂がシュートフェイクから、ワンステップで赤井を抜き、シュートを放つ。
『シュ!』
「!!」
『バチン!!』
「甘いで!」
高砂のシュートを叩き落したのは、大阪のブロック王ことPF青島慶二だった。
弾かれたボールは、清田が掴む。
「神さん!」
清田は、素早く神へパスを供給しようとする。
(ここやろ!)
これに反応した土屋が、パスカットを狙い飛び出した。
だが、ボールはまだ清田の手の中にあった。
(フェイクか!?)
そして、ボールは優しく清田の指から離れた。
主審は、3本の指をあげる。
大栄、海南、誰もが神へのパスと疑わなかった。
神でさえ、最高の間で待っていた。
しかし、清田の選択は、自らの3P。
(ふっ、清田め!)
牧がリバウンドを取りにいく。
清田は、すぐさまトップに戻り、大栄の速攻に備える。
ボールは・・・。
『ガン!』
小さくリングに跳ねた。
高砂は、赤井をしっかりスクリーンアウトで抑えていたため、飛び込みリバウンドの牧がキャッチ。
そのまま、押し込んだ。
「いい判断だったよ。」
と神。
「まだまだこれからっすよ。」
と清田は笑った。
「よし!ここ止めるぞ!!」
「はい!」
そして、高砂が牧に報告をする。
「やはり、赤井は、神奈川のセンターたちに比べたら、それほどじゃない。
あいつなら、俺一人で抑えられる。」
「うむ。彦一のやつ、同郷のよしみで、少し過大評価してたかな。」
「ハッハッハックション!誰かわいの噂をしておるな!!って、そんなことより、はよ戻らねば!
姉ちゃんにどつかれるーー!!」
トイレから駆け出す彦一であった。
大栄 4
海南 4
続く。