大栄 60
海南 62
土屋は、飛び込みリバウンドから、ティップで海南ゴールを狙った。
そして、試合終了のブザーがなった。
土屋によって、再び舞い上がったボールは優しく回転している。
選手らにとって、今までで一番長い2秒間であった。
(外れろ!!)
祈る海南選手たち。
(入れ!!!)
祈る大栄選手たち。
ボールの行方を見守る会場は、静寂に包まれている。
ボールが落下し始めた。
そして・・・。
『ガン!!』
『ガコン!』
『パサ。』
リングに2回当たったボールは、静かにネットを通過した。
大栄 62
海南 62
「うおぉぉぉーーー!!!」
「だぁーーーー!!」
「入ったーーー!!!」
「起死回生の2点ーーー!!」
「同点だーー!!!」
「延長戦ーーー!!!」
会場は、割れんばかりの歓声で一気にボルテージが上がった。
「ふーー。」
と一息つく土屋の顔は、笑顔になっている。
「土屋ーー!!」
「土屋さん!!!」
会場と同様に、大栄選手らのテンションも一気にあがる。
赤井は土屋を抱え、ベンチの選手がコートになだれ込む。
対する海南。
その光景をただただ見つめていた。
(土屋・・・。)
牧は土屋の喜ぶ姿を一瞥し、ベンチに下がる。
「しんどいな。」
と迎えいれる高頭。
「はい。だが、まだ負けたわけじゃないですから。」
「そうだな。」
「準々決勝第4試合 大栄学園高校対海南大附属高校は、2分間のインターバルのあと、5分間の延長戦を行います。」
会場にアナウンスが流れる。
「延長戦か。予想外だな。」
「あぁ。だが、今の土屋のプレーで牧も火がついたはず。
いや、更に火力が増したのほうがあっているか。」
と湘北の2人。
「延長戦とはね。」
「大さんの心臓にも悪いですね。」
「ふん。俺はいいんだよ。どっちが勝とうが。」
(牧、何やってるんだよ!お前ともあろうものが、最後のシュートを許すなんて!!)
「今大会初の延長戦だワン。」
「長い試合っすね。」
「やっているほうは、もっと長い。」
「明日まで、疲れが残りますね。これは。」
海南ベンチ。
「みんな、すまん。」
牧が高砂らに頭を下げる。
「まっ牧さん!!」
「牧!?」
予想外の牧の行動に、選手らが焦った。
土屋の最後のシュートが外れた瞬間、牧は緊張の糸を解いてしまっていた。
その一瞬の気の緩みが、土屋の同点弾を許してしまったである。
だが、実際は牧だけじゃない。
コートに立っていた5人が、一瞬の気の緩みを見せていた。
牧だけを攻められない。
「牧さん、勝ちましょう。勝って、笑いましょう。」にこり
神が重苦しい雰囲気を払拭する。
(神・・・。)
「よし!!!」
『バン!!』
牧は、両膝を叩き、ベンチから立ち上がった。
「さぁ、最後の勝負だ!!」
「おう!!」
牧を先頭に、清田、神、武藤、高砂がコートに向かう。
(土屋、負けんぞ!!)
牧の闘志が燃え盛る。
大栄ベンチ。
「5分で、決着つけたろう!」
と小池が気合をいれる。
「ここまできたら、あとは気持ちの問題や。なぁ、土屋?」
「大栄のバスケ、見せたろ!!」
「おう!!」
ここまで、40分を戦い抜いてきた大栄の5人に残された体力はあとわずかとなっていたが、
誰一人弱音をはくものはいなかった。
土屋を先頭に、小池と赤井、青島、そして最後に桜井がコートに足を踏み入れる。
(牧、最後の勝負や!!)
準々決勝第4試合、大栄学園対海南大附属、最終決戦を迎える。
大栄 62
海南 62
続く。
海南 62
土屋は、飛び込みリバウンドから、ティップで海南ゴールを狙った。
そして、試合終了のブザーがなった。
土屋によって、再び舞い上がったボールは優しく回転している。
選手らにとって、今までで一番長い2秒間であった。
(外れろ!!)
祈る海南選手たち。
(入れ!!!)
祈る大栄選手たち。
ボールの行方を見守る会場は、静寂に包まれている。
ボールが落下し始めた。
そして・・・。
『ガン!!』
『ガコン!』
『パサ。』
リングに2回当たったボールは、静かにネットを通過した。
大栄 62
海南 62
「うおぉぉぉーーー!!!」
「だぁーーーー!!」
「入ったーーー!!!」
「起死回生の2点ーーー!!」
「同点だーー!!!」
「延長戦ーーー!!!」
会場は、割れんばかりの歓声で一気にボルテージが上がった。
「ふーー。」
と一息つく土屋の顔は、笑顔になっている。
「土屋ーー!!」
「土屋さん!!!」
会場と同様に、大栄選手らのテンションも一気にあがる。
赤井は土屋を抱え、ベンチの選手がコートになだれ込む。
対する海南。
その光景をただただ見つめていた。
(土屋・・・。)
牧は土屋の喜ぶ姿を一瞥し、ベンチに下がる。
「しんどいな。」
と迎えいれる高頭。
「はい。だが、まだ負けたわけじゃないですから。」
「そうだな。」
「準々決勝第4試合 大栄学園高校対海南大附属高校は、2分間のインターバルのあと、5分間の延長戦を行います。」
会場にアナウンスが流れる。
「延長戦か。予想外だな。」
「あぁ。だが、今の土屋のプレーで牧も火がついたはず。
いや、更に火力が増したのほうがあっているか。」
と湘北の2人。
「延長戦とはね。」
「大さんの心臓にも悪いですね。」
「ふん。俺はいいんだよ。どっちが勝とうが。」
(牧、何やってるんだよ!お前ともあろうものが、最後のシュートを許すなんて!!)
「今大会初の延長戦だワン。」
「長い試合っすね。」
「やっているほうは、もっと長い。」
「明日まで、疲れが残りますね。これは。」
海南ベンチ。
「みんな、すまん。」
牧が高砂らに頭を下げる。
「まっ牧さん!!」
「牧!?」
予想外の牧の行動に、選手らが焦った。
土屋の最後のシュートが外れた瞬間、牧は緊張の糸を解いてしまっていた。
その一瞬の気の緩みが、土屋の同点弾を許してしまったである。
だが、実際は牧だけじゃない。
コートに立っていた5人が、一瞬の気の緩みを見せていた。
牧だけを攻められない。
「牧さん、勝ちましょう。勝って、笑いましょう。」にこり
神が重苦しい雰囲気を払拭する。
(神・・・。)
「よし!!!」
『バン!!』
牧は、両膝を叩き、ベンチから立ち上がった。
「さぁ、最後の勝負だ!!」
「おう!!」
牧を先頭に、清田、神、武藤、高砂がコートに向かう。
(土屋、負けんぞ!!)
牧の闘志が燃え盛る。
大栄ベンチ。
「5分で、決着つけたろう!」
と小池が気合をいれる。
「ここまできたら、あとは気持ちの問題や。なぁ、土屋?」
「大栄のバスケ、見せたろ!!」
「おう!!」
ここまで、40分を戦い抜いてきた大栄の5人に残された体力はあとわずかとなっていたが、
誰一人弱音をはくものはいなかった。
土屋を先頭に、小池と赤井、青島、そして最後に桜井がコートに足を踏み入れる。
(牧、最後の勝負や!!)
準々決勝第4試合、大栄学園対海南大附属、最終決戦を迎える。
大栄 62
海南 62
続く。