山王 33
海南 25
河田の3連続ダンクにより、海南はタイムアウトを取った。
「さすが、山王だ。2つも3つも上をいっているな。」
と冷静さを取り戻した高頭。
重苦しい海南ベンチ。
こういうときは決まって、神が口を開いたが、さすがの神も言葉が出ない。
牧も同様であった。
神の連続3Pと河田の3連続ダンクは、同じ得点なのだが、インパクトは河田のほうが数倍上であった。
『パタパタ・・・。』
「高砂。」
「はっはい。」
「河田は凄い選手だ。パワーもあり、スピードもあり、スキルもある。
大学生を入れても、学生センターのトップ5に入ると思われる。
ましてや、1on1で太刀打ちできる選手など、高校生のなかには見当たらん。
だがな、全てがお前に勝っていると俺は思わん。
俺は思っているぞ。技巧派センターとしてなら、お前がNo.1だ。」
「かっ監督。」
「パワーで、スピードで、スキルで勝てないなら、お前の勝てるところで、勝負してみろ。
全て勝てとはいっていない。
一矢報いるんだ!その一矢が、徐々に広がり、やがて致命傷となるはずだ。」
「・・・。はい。」
「高砂さんなら、大丈夫っすよ。だって、河田よりもデカい品川や真壁を抑えたんですから!」
「そうだ!」
「そうですよ!」
高砂に対して、海南ベンチから、声が上がる。
「高砂。根性を見せてみろ!そのために、あんなに練習したんだろ?」
「牧・・・。」
「あぁ。やってやる。1本でも、2本でもいい。あいつのシュートを止めて、俺が決めてやる。」
一方、山王ベンチ。
「河田。いい調子だ。」
と選手を迎え入れる堂本。
「河田さんの中の、モンスターが大爆発ですね。」
と沢北。
「誰がモンスターだよ。だが、今は気分がいいぜ。うしっ。」
「河田。油断はしてはいけないジョ。」
「あぁ。わかっている。神奈川のやつらは、何を仕出かすかわからないからな。」
「それでいいんダジョ。」
「よし。このまま、河田中心でいくが、松本がベンチにいる分、今はオフェンス力が欠けている。
柳葉、お前も狙えるときは狙っていけ。」
『コクッ。』
「柳葉、代わりたくなったら、代われ。」
『ブルブル。』
沢北の言葉に首を振る柳葉。
「ぬっ。生意気な。」
『ビィーー!』
タイムアウト終了のブザーがなる。
海南のオフェンスから始まる。
「今のタイムアウトで、流れは変わるかな。」
「わからん。だが、高頭監督が、何もしないで、タイムアウトを終えるとは思えん。」
観客席の三井と赤木が話していた。
牧のドリブル。
深津が徹底マーク。
息を呑む激しい攻防。
このPG対決に終わりはない。
だが。
(キレが増したジョ!)
『キュ!』
深津を抜き去る牧。
一之倉は神から離れることはできず、清田は柳葉を抑えていた。
武藤は野辺を引き連れて、大きく外で待機している。
『ダムダム!』
中央突破を図る牧。
「こい!」
河田が迎え撃つ。
『キュ!』
河田が一歩踏み込んだ瞬間に、高砂にクイックパスが放たれた。
逆をつかれた河田。
「まだまだ!」
河田は高砂を狙う。
ボールを受け取った高砂は、ステップインでゴールを襲う。
「だらぁぁ!!」
高砂のステップにあわせ、河田がブロックに飛んだ。
だが。
『クルッ。』
「なっ!?」
高砂は空中で体勢を変え、バックシュートを放つ。
虚をつかれた高砂の動きに対応できない河田は、そのまま高砂と接触。
主審の笛を鳴らした。
『ピィーー!!』
『ガン!!』
シュートは惜しくも外れたが、絶好調の河田から奪い取ったファウル。
何かが変わろうとしていた。
「いいぞ!高砂!!」
「おっおう!!」
牧と高砂のハイタッチ。
「あのセンター、河田相手に挑んでいったぞーー!!」
「センターらしからぬ軽い動き!!」
「なんか、応援したくなるなーー。」
河田の声援一色だった会場から、海南#5番を応援する声が聞こえ始めた。
「おし!」
高砂は気合で2本のフリースローを沈めた。
「河田。気を…」
「わかってる。一切油断はしない。」
(本気で叩き落すつもりだったが・・・。なんだよ、お前巧えじゃねぇかよ。
少しは楽しめそうだぜ。)
河田が不適に笑う。
山王 33
海南 27
だが、
『ピィーー!!』
「なっ!?ファウル??」
主審のほうを振り返る河田。
にやけながら、起き上がる高砂。
高砂は2つのプレーで、河田から2つのファウルを奪った。
清田の際どいチェックで、柳葉のシュートは外れた。
ゴール下のリバウンド争い。
神は野辺をスクリーンアウト、武藤と高砂が、2人がかりで河田をスクリーンアウトしていた。
ボードにあたり、跳ね返ってきたボールは、ちょうど高砂と河田の前に落下。
リバウンドを奪おうと河田がジャンプしたとき、高砂は河田に押されるような格好で前に倒れた。
河田は、確かに高砂に触れたが、ゴール下においては、当たり前といっていいくらいの接触だった。
だが、主審の口からは、ファウルがコールされた。
高砂によって、巧みに生み出されたファウル。
仕方なく手をあげる河田。
「高砂。」
「ん!?」
「熱くさせるじゃねぇか?好きだぜ、そういうの。」
「ありがとよ。」
「ただ、立ち向かってくるやつには手加減できねぇんだ、俺は。」
「あぁ。持てる全てのものを出して、お前と戦う。」
「うし!いっちょ、楽しもうぜ。うはっ。」
牧と深津
神と一之倉
清田と柳葉
そして、ここにも
高砂と河田
熱い火花を散らす。
目を合わせる武藤と野辺。
「俺らは・・・。」
ロールプレイヤーの戦いも始まる・・・??
山王 33
海南 27
続く。
海南 25
河田の3連続ダンクにより、海南はタイムアウトを取った。
「さすが、山王だ。2つも3つも上をいっているな。」
と冷静さを取り戻した高頭。
重苦しい海南ベンチ。
こういうときは決まって、神が口を開いたが、さすがの神も言葉が出ない。
牧も同様であった。
神の連続3Pと河田の3連続ダンクは、同じ得点なのだが、インパクトは河田のほうが数倍上であった。
『パタパタ・・・。』
「高砂。」
「はっはい。」
「河田は凄い選手だ。パワーもあり、スピードもあり、スキルもある。
大学生を入れても、学生センターのトップ5に入ると思われる。
ましてや、1on1で太刀打ちできる選手など、高校生のなかには見当たらん。
だがな、全てがお前に勝っていると俺は思わん。
俺は思っているぞ。技巧派センターとしてなら、お前がNo.1だ。」
「かっ監督。」
「パワーで、スピードで、スキルで勝てないなら、お前の勝てるところで、勝負してみろ。
全て勝てとはいっていない。
一矢報いるんだ!その一矢が、徐々に広がり、やがて致命傷となるはずだ。」
「・・・。はい。」
「高砂さんなら、大丈夫っすよ。だって、河田よりもデカい品川や真壁を抑えたんですから!」
「そうだ!」
「そうですよ!」
高砂に対して、海南ベンチから、声が上がる。
「高砂。根性を見せてみろ!そのために、あんなに練習したんだろ?」
「牧・・・。」
「あぁ。やってやる。1本でも、2本でもいい。あいつのシュートを止めて、俺が決めてやる。」
一方、山王ベンチ。
「河田。いい調子だ。」
と選手を迎え入れる堂本。
「河田さんの中の、モンスターが大爆発ですね。」
と沢北。
「誰がモンスターだよ。だが、今は気分がいいぜ。うしっ。」
「河田。油断はしてはいけないジョ。」
「あぁ。わかっている。神奈川のやつらは、何を仕出かすかわからないからな。」
「それでいいんダジョ。」
「よし。このまま、河田中心でいくが、松本がベンチにいる分、今はオフェンス力が欠けている。
柳葉、お前も狙えるときは狙っていけ。」
『コクッ。』
「柳葉、代わりたくなったら、代われ。」
『ブルブル。』
沢北の言葉に首を振る柳葉。
「ぬっ。生意気な。」
『ビィーー!』
タイムアウト終了のブザーがなる。
海南のオフェンスから始まる。
「今のタイムアウトで、流れは変わるかな。」
「わからん。だが、高頭監督が、何もしないで、タイムアウトを終えるとは思えん。」
観客席の三井と赤木が話していた。
牧のドリブル。
深津が徹底マーク。
息を呑む激しい攻防。
このPG対決に終わりはない。
だが。
(キレが増したジョ!)
『キュ!』
深津を抜き去る牧。
一之倉は神から離れることはできず、清田は柳葉を抑えていた。
武藤は野辺を引き連れて、大きく外で待機している。
『ダムダム!』
中央突破を図る牧。
「こい!」
河田が迎え撃つ。
『キュ!』
河田が一歩踏み込んだ瞬間に、高砂にクイックパスが放たれた。
逆をつかれた河田。
「まだまだ!」
河田は高砂を狙う。
ボールを受け取った高砂は、ステップインでゴールを襲う。
「だらぁぁ!!」
高砂のステップにあわせ、河田がブロックに飛んだ。
だが。
『クルッ。』
「なっ!?」
高砂は空中で体勢を変え、バックシュートを放つ。
虚をつかれた高砂の動きに対応できない河田は、そのまま高砂と接触。
主審の笛を鳴らした。
『ピィーー!!』
『ガン!!』
シュートは惜しくも外れたが、絶好調の河田から奪い取ったファウル。
何かが変わろうとしていた。
「いいぞ!高砂!!」
「おっおう!!」
牧と高砂のハイタッチ。
「あのセンター、河田相手に挑んでいったぞーー!!」
「センターらしからぬ軽い動き!!」
「なんか、応援したくなるなーー。」
河田の声援一色だった会場から、海南#5番を応援する声が聞こえ始めた。
「おし!」
高砂は気合で2本のフリースローを沈めた。
「河田。気を…」
「わかってる。一切油断はしない。」
(本気で叩き落すつもりだったが・・・。なんだよ、お前巧えじゃねぇかよ。
少しは楽しめそうだぜ。)
河田が不適に笑う。
山王 33
海南 27
だが、
『ピィーー!!』
「なっ!?ファウル??」
主審のほうを振り返る河田。
にやけながら、起き上がる高砂。
高砂は2つのプレーで、河田から2つのファウルを奪った。
清田の際どいチェックで、柳葉のシュートは外れた。
ゴール下のリバウンド争い。
神は野辺をスクリーンアウト、武藤と高砂が、2人がかりで河田をスクリーンアウトしていた。
ボードにあたり、跳ね返ってきたボールは、ちょうど高砂と河田の前に落下。
リバウンドを奪おうと河田がジャンプしたとき、高砂は河田に押されるような格好で前に倒れた。
河田は、確かに高砂に触れたが、ゴール下においては、当たり前といっていいくらいの接触だった。
だが、主審の口からは、ファウルがコールされた。
高砂によって、巧みに生み出されたファウル。
仕方なく手をあげる河田。
「高砂。」
「ん!?」
「熱くさせるじゃねぇか?好きだぜ、そういうの。」
「ありがとよ。」
「ただ、立ち向かってくるやつには手加減できねぇんだ、俺は。」
「あぁ。持てる全てのものを出して、お前と戦う。」
「うし!いっちょ、楽しもうぜ。うはっ。」
牧と深津
神と一之倉
清田と柳葉
そして、ここにも
高砂と河田
熱い火花を散らす。
目を合わせる武藤と野辺。
「俺らは・・・。」
ロールプレイヤーの戦いも始まる・・・??
山王 33
海南 27
続く。