2月2日(土)、きのうに続いて今日も山形に行ってきた。
写真家・内藤正敏先生と交流があり、日ごろは私が写真でご指導をいただいているS・R先生からの声掛けで、一緒に内藤正敏写真展「神々の異界」を見てきた。タイトル〈豊齢パワー〉にUpした写真展だ。
1. 写真展会場
会場の東北芸術工科大学のギャラリー(7F)では、デッかいタイトルとシンボリックな2枚の写真が迎えてくれた。
ギャラリー正面の大きなパネル。
2.写真は
作品としての写真は大半がローキーで重く、被写体も非現実的な感じの「内藤ワールド」だ。その半分以上のプリントは以前に見ているが、初めてのものも多くあった。内藤先生の数十年にわたる民俗学の立場で蓄積した、膨大な撮影活動の極々一部だろうと思う。
被写体は「因習や行事」「ミイラ」「森や岩石」「修験道」「日・月・星」「…」などだ。写真を「生命の思想」「マンダラ宇宙」を主題として、民俗学を視覚をとおし説明する手段(道具)としている。
会場風景と写真はつぎのようなものだ。
ギャラリーの左手(上)と右手(下)のようす。この裏側にもある。
内藤先生の代表作のひとつ「婆(ばば)バクハツ」のモノクローム作品。
不気味な「求菩提山の犬岳」。(右上方に室内のライトが写り込んでしまった)
即身仏・忠海上人(左) 鉄門海上人(中) 鉄龍上人(右)のミイラと解説。
題名「満月の月山山頂」。左手奥に月読命を祀る月山神社が見える。(写り込みあり)
3.民俗学としての「月山修験」の魅力
● 先生は実際に修験道を体験しているし、全国の霊地を訪れては教義や縁起を解き明かし思想の原点を探ってきたという。中でも月山の研究については多くの論文・写真集などで発表。学術的信頼を得てますます研究に拍車がかかったようにお見受けしている。
● 先生の研究は難しくてわたしにはとても理解に苦しむが、現世社会の今を中心にした「過去」と「未来」の研究ではないかと思う。これは「マンダラ世界」の研究であり「生命の思想と宇宙観」のことのようで、ZAMACはすっかり惹きこまれてしまっている。
● 庄内浜の八乙女に打ち上げられた「蜂子皇子(はちこのおうじ)」は、「八咫烏(やたがらす)」に導かれて羽黒山を聖地と定め、荒行で知られる「羽黒修験」を開いたという。羽の黒いカラス=羽黒、蜂子皇子は能除太子(のうじょたいし)ともいい聖徳太子の従弟だとか。
月山は月読命(つきよみのみこと)を祀るので、「阿弥陀如来」だと… 聞いていくだけで興味津津でおもしろくなってくる。
そんなことを講座で話してくれた内藤先生は一昨日、芸工大を退官し離れられたとのこと。内藤先生とお会いする段取りをされたS・R先生とともに、残念に思った。そう思うとこの「写真たち」は先生の分身のように思えてならない。
そしてS・R先生曰く 「内藤先生の写真は深層心象(しんそうしんしょう=S・R先生の造語)だ」 と。
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