きょう2月1日、山形蔵王の樹氷撮影に行ってきた。
期待
朝6時15分、漆黒の空に煌々と輝く月齢20日位の月を見上げて、コリャーいけそうだ! 星もない透明な黒い空に頭の中では「青空」になった。歓びいさんで東北自動車道を南下していると、東の空が白んできた。こうなるとZAMACのいつもの癖で気持ちが逸(はや)る。つまりスピードの出すぎだ。
さらに山形道の宮城川崎ICあたりで屏風岳の白壁はモルゲンロート。路肩に車を止めて今朝一発目のシャッターを切ってみた。
ちょっと心配
蔵王温泉には7時40分ころ着いてしまった。「蔵王ロープウェイ」山麓線の始発は8時20分なので、防寒装備をしてしばらく待った。始発のケーブルは込むのかと思っていたらなんとゆったり乗車。
山頂線のフニテル(自動循環式ロープウェイ)に乗り換えて窓を開け、樹氷帯の撮影をしたが、なにか嫌な予感がした。樹木の雪が落ちて絵になりそうもない。心配?心配! いや、高度が上がれば大丈夫? …
山頂駅に降り立つと真っ青な青空だ。彼方に目をやったら、月山は霞んで見えない。朝日連峰もグレーでぼんやり。仙台方面はと振り返るとモノトーンの暗い色だ。例年なら厳冬のキリっとしたに風景のはずが、3月初旬の風景だった。
樹氷の様子
定番の地蔵岳に登ってみることにした。9時ころでは頂上に向かう人はあまりいない。駅周辺の客もいつもの半分くらいか。
登り始めてカメラを出したが、登山コースは樹氷の東側。落雪がひどくアオモリトドマツの葉や枝が見えている。それでも観光客は感激して盛んにシャッターを切っている。もっとキレイナ「樹氷」を見てもらいたいものだと、心でつぶやいた。
日本海風が吹きつける西側はまずまずのモンスターに。
そのモンスターたちも東側から見るとほとんどが枝葉を見せている。(山頂駅の上方)
予期せぬ収穫
地蔵岳頂上に着いた。福島の山々を探したりしてずいぶん長い時間を頂上で過ごしたが、相変わらず遠望は効かない。しかしだいぶ登ってくる人が増えてきた。
地蔵岳から熊野岳に向かう登山者と標柱・雪庇(せっぴ)の道。
そこに「モーターパラグライダー」というのだろうか。扇風機を背負って目の下から頭上に上昇してきた。樹氷原をなめるように滑空をしながら、また上がってくる。ムービーで風景を撮影をしているようだ。
ZAMACはすっかりこちらに目移りしてしまった。今回ほどカメラの「AI SERVO」機能の便利さを感じたことはない。ただし被写体の操縦者がAFエリアから外れるとダメ。こんなことで「今日、来てよかった」とよろこんでいる。想定外の収穫というのかな。
連写でずいぶん撮った。(カメラを三脚に装着していたので頭上の至近距離では撮れなかった)
肝心の「樹氷」は涙
頂上から社友のY・Sさんにロケーション報告の電話を入れてから、きれいな姿の「樹氷」を探しに下山を開始。途中なんどか圧雪をブチ抜き空洞に落ちた。三脚を雪の上に寝かせて、ヨイショとやれば脱出しやすいことにも気づいた。これも今日の収穫だ。
ところで、これはいい樹氷! というのを見つけることができなかった。目を引いたのは崩れるわが姿に涙する『樹氷』だった。しずくをよく見ていたら一定のリズムで、ポタン…ポタン…とずいぶん落ちるものだ。樹氷の嘆きを見たような気がする。
そういえばZAMACも暑くて防寒着を脱ぎ、ザックにくくりつけていたくらいだからこれは当然か。ちなみに山形市の気温は、季節はずれの8℃だとか。
この冬にもういちどくらい撮影のチャンスはあると思う。またカメラマンの欲張り根性がもたげてきた。 雪よ降れ!! 寒くなれ!! …… と。