空も大地もうごめき、ウゴメク。

この世に生まれたからには、精一杯生きてみよう

DICE-K入団決定

2006年12月16日 | 松井秀喜
   

    ぼくはもともと夢という言葉が好きではない。ここで投げられると信じてずっとやってきたから、ここにいると思う。

  「大リーグで投げることを夢見てきたか」の米国記者の質問に言葉を選びながら、一方ではこの言葉を待っていたかのように逸(はや)る気持ちを抑えながら、堂々とした返事が返ってきた。

   彼は今26歳。それまでの彼は甲子園全国制覇投手、2年後には法を犯してしまう失態も演じた。2000年9月13日に当時交際中で現夫人の自宅マンション前にて、球団名義のクルマで駐車違反を犯してしまう。松坂はその年の8月に犯したスピード違反で免許停止状態になっていたこともあり、身代わりとして西武球団の黒岩彰広報課長(元スピードスケート選手・カルガリーオリンピック銅メダリスト、現同球団代表)が出頭した。 しかし、その隠ぺい行為が写真週刊誌によって報道されたことにより、松坂は道路交通法違反(無免許運転、駐車違反)、黒岩ともども犯人隠避の疑いで東京地検に書類送検されている。その結果、略式起訴により罰金19万5000円の略式命令を受けた。球団職員が駐車違反の隠ぺいに関与していたことから、当時の小野球団社長及び黒岩は責任を取って辞表を提出するにまでに至った。とある。高校を卒業して2年の間に彼は天国と地獄をみてきた。

  プロ入りしてから以降、松坂の失態はおそらくこれだけなのかもしれない。他はあってもこれだけの不祥事はないだろう。身代わりを使い、当時の松坂の“側近”が犯した罪は大きい。しかし、すでにその件は時とともに埋もれつつある。このようなめでたい時に蒸し返すこともなかろうが。

  だが、ここで松坂は世間の注目を一人で負ってしまい、取り返しのつかないことをしてしまった、しかも他人にまで迷惑をかけた、と猛省の毎日だったようだ。よりによって相手は日テレの女子アナときた。かっこうのワイドショーネタ、標的にされた。書類送検も立派な犯罪だ。

  そういった暗い過去もある松坂であるが、それはマウンドで勝ち星を上げ実力をアピールすることと、密かに別の闘志を燃やし始めた。それとそれをバネにしてきたとも言われる。何しろ松坂の同級生は和田毅、新垣渚、杉内俊哉、久保田智之、藤川球児、村田修一、森本稀哲、實松一成と、松坂世代と称され、皆が切磋琢磨している。負けられないわけだ。甲子園のトップに登りつめた選手でもあるから。

  さぁ松坂。来季は松井との対戦が楽しみだよ。君がチームメートになることを願ってやまなかった一人であるが、別のチームに行ってしまえばそれはもう仕方ないこと。悪いがヤンキース戦はそう簡単には、勝たせてはもらえないから。松井が君の前で牙を剥き闘志を燃やしていることを知っているかい。

  メジャーを楽しもうよ、DICE-K(ダイスケ)。