児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

11月の活動 続き 3年生

2024-11-01 17:23:45 | 学校での活動について
 すでに11月になってしまいましたが、11月の、中・高3年生への対応の活動について記してきませんでしたので、ここに記してみます。
 全体的には、1年生と2年生の項目を参照していただけるとよいと思いますが、3年生にはそれなりの特性もありますので、それらの点について、簡単にですが触れてみたいと思います。

 人間には予期不安と言うことがありまして、例えば受験などが近づいてくると、自然に不安が大きくなるというようなことです。組織では、プレゼン等の前になると、食べ物ものどを通らないという方もおられるかもしれません。
 高校3年生の11月は、生徒に寄っては、その予期不安が一番大きくなることがあるということです。時期的に受験が近いが、本当にその時期ではない。いざ受験のころになると覚悟も決まって不安も和らぐことがあるのですが、11月は期間的に微妙な時期です。
 それで、生徒の情緒的な安定を図ることが一番の課題と言うことになると思います。心が安定するのは、理解者が近くにいるとき、わかってくれる人が欲しいということですね。それと、自分と同じような心持になっている人がいて、その人もそのような状態ではあるが、頑張っていることがわかるというような状態だと落ち着くかと思います。
 孤独な中での不安が一番対応しにくい状態だと思います。それで、クラスの中の生徒間の健全な交流があると救われて安定すると思います。ここがこの時期の学級運営のポイントかと思います。支援者のやるべきことは、構成員の精神的な安定を図ることを考えて実行することかと思われます。
 やはり観察は大切です。観察に基づいて支援者が近づいて人的交流を図ること、それを地道に継続することがポイントと思います。面談でも、個別に雑談のできる機会でも、小グループに分けての交流会でもよろしいと思います。

 さらに積極的な場合には、メンタルトレーニングの方法を教えるとかもあると思います。生徒を対象にしたトレーニングの本も出ていると思いますので、読んでみることを進めたいと思います。
 自律訓練法と言う心理学の知見に基づいた練習法もあります。詳細はここでは述べられないので、調べてみていただければと思います。SCの方は各種のリラックス法を知っていると思いますので、個人、あるいはクラスでやり方を教えてもらう機会があるとよいと思います。
 学習に集中できないで悩む生徒も多いと思います。ふらふらとした状態が続く生徒もいると思います。それらの生徒への具体的な対応が必要かもしれません。支援者の経験も生徒にとっては大きな情報です。自己開示して知らせてみることもよいかもしれません。
 いろいろな方法を調べて見たりして、伝える努力を行うのがよいと思います。支援者のそのような思いは必ず相手に伝わります。本当にやってみる価値のあることと思います。

今回はここまでに致します。
また、生徒指導の考え方や技術に戻って次回以降に触れていきたいと思います。
今後もよろしくお願いいたします。では、また。

 


 生徒が予期的な不安を持ちやすいので、面談をまめに行うことや短時間でも気の休まる時間を作る等、情緒の安定を図る活動を行う。自律訓練法の継続やメンタル・トレーニング等を行う。学習に集中できない生徒への対策を行う。ストレス・コーピング・スキルを教えるのもよい。



11月の活動 続き

2024-10-27 17:29:14 | 学校での活動について
こんにちは。いつも見ていただいてありがとうございます。

投稿主の都合で、UPの間が空いてしまいましたが、また続けますので、よろしくお願いします。

学校の中のいろいろな分野の活動で、生徒指導の活動について記してきていたのですが、気が付けばもう少しで11月ですね。
そこで、先に11月の活動についてUPすることにしました。了承をお願いします。

1年生
 二学期になってから2か月近くの時間が経過しましたが、生徒の様子はいかがでしょうか。適応的な生活ができているでしょうか。1年生はこのころからになると、それぞれの個人の持ち味や特性、能力の差等が現れてきます。多くの生徒が学校生活に適応して、それぞれなりに充実感を持って生活できるといいのですが、それが難しい生徒も現れてくるのが現実です。それぞれの生徒なりに目標や役割を考えて与えて、その実現に少しでも向かえるように気持ちを支える活動が必要と思います。細かい声掛けや促し、できたことはきちんと認めること、などが日常的に大切になると思います。それから、落ち込みそうな生徒を支えるのは学級の構成員の生徒の力ですから、学級の雰囲気もとても大切です。相互に親和的な雰囲気があって、豊かに交流できること、共通の目標等や学級の進むべき道がはっきりとしていること、自分勝手さが少なくて、協力的であること等がすべての生徒を支える力ですので、支援者は、そのことも自覚しながら集団の運営を行うのがよいと思います。リーダーの力も大きいです。複数の良きリーダーを育てる努力をしていくと、彼らが本当に力になってくれます。
 個への支援と集団の扱い、両面からの工夫と努力が大切です。支援者は日常の忙しい生活の中で、以上を行うのですから大変です。時間がどれだけあっても足りません。まあ、あまり力みすぎると失敗しますので、可能な部分で工夫することでよいと思われます。
 こんな感じで考えながら、前月に引き続いて、生徒が充実した学校生活を送れるようにしていきます。
 それから先のことも少し頭の中においておく必要があると思います。中学生も高校生も、まだ自分なりの生き方を発見するのが難しくて、特に中学生は自分の生き方もふわふわな状態であると思います。
 でも支援者としては、先のこともきちんと意識の中において、ある程度の期間を自覚して支援を行うのがよいと思います。
 以前に書いてきましたが、進路指導の活動を少し思い出していただいて、生きることと職業の関係について考える機会を与える。誰か適当な人がいれば、「職業人に聞く」機会を持たせる。上級学校についての情報の収集を自分で行うように話しておく。呼び水として、多少、調べ方や資料を提供してみる、部活等の先輩等に進路のことを聞いてみるように促す、等々も行わせるのもよいと思われます。
 今の生活と将来の生活が密接につながっていることを、生徒がきちんと意識できて自覚的に生活できるようにしていくことが大切なことと思われます。
 支援者がいろいろな方向に目が向いていて、今のことから将来のことまで意識できていて支援が行われていると素晴らしいことと思われます。また、その面で、支援者が自分の中に多くの興味深い話題を持っていることも大切なことと思われます。生徒の心を刺激できる支援者でありたいと思います。


今回は時間の関係で、ここまでにさせていただきます。また続けたいと思います。よろしくお願いいたします。


前回の続きを加えてみたいと思います。
前回は11月の活動として、1年生のことを記してみましたが、今回は2,3年生のことを記したいと思います。

2年生
 中学校でも高校でも、2年生の二学期は、大きな転換点になることが多い時期だと思います。
 一年生のところで記したことと同様の部分が多いと思いますので、それを参照していただけたらと思います。
 中学生の場合は、二年の二学期は、本当に転換点になることが多いと思います。いわゆる中二の壁があるのですね。
 この時期までは何とか適応状態を保てていた生徒も、そこから外れそうになることが多くなります。各種の条件に恵まれて、心身共に健全に育ってきたと思われる生徒は、この後も、年齢的な不安や悩み等も感じつつも、それなりに成長していくことができます。特に目標意識等が本人の状態にあっていて、極端な高望み等でなければ順調に伸びていけると思います。このような状態の生徒に対しては、開発的な支援を中心にい行うとよいと思います。本人の精神的な状態や願望をきちんとつかんで、それを実現するための方法について、話し合いや情報交換を継続的に行いながら、生きる意欲を一層高めることが必要になると思います。
 やはり、生徒の特性や内面状況をきちんと把握するための日常的な活動が一番大切になると思われます。この点では、生徒を放置ではなく、個別指導を必要に応じて適切に行うことが大切と思われます。干渉しすぎではなく、本人の活動を尊重しつつのかかわりになると思います。支援者がこの生徒をどのように伸ばしていこうかと考えをめぐらして、支援者の中に明確なイメージを持っていることが大切と思われます。
 伸びるべき生徒が伸びていける学級の状態であると、学級の雰囲気がよくなりますので、一層の伸張の方向に全体が向かいやすくなると思われます。支援者の意識の度合いが試されるところでもあるかと思われます。
 一般的な多くの生徒は、やはり全体の雰囲気に順応しますので、学級づくりは本当に大切と思われます。支援者と個々の生徒の人間関係がどのような関係になっているかで、学級は変わってきますので、そこを十分に考えて取り組むことが大切と思います。
 生徒は正直で、支援者の心のありかやあり方はすぐに見抜いてしまいますので、支援者の方が心を整えて活動することが必要かと思われます。一般的な生徒を軽視するわけではけっしてないのですが、やはり多くの生徒は、まだ主体性が不足ですので、右往左往しがちです。そして、場合によると不適応の方に落ち込みかねない生徒も出てきます。特に問題のない生徒と見えていた個人も、青年期の変化や家庭的条件の変化で落ち込みの方向に動き始めることも多くあります。これを防ぐ手立てを行っていかないと、いつの間にか本人や似た特性を持つ生徒が落ち込みの方向に同時に進みかねません。観察を丁寧にきちんと継続的に行うことが必要かと思います。普段と違う様子等が見えたら、心の中に残して意識して観察を続けることが大切です。
 昔あるところで、「咳一つで知れ、感受性」という言葉を教えられたことを思い出しました。咳一つでも意味するものがたくさんあり、その意味を感じ取れるようになることが必要と教えられました。感受性は本当に大切なことで、これを鋭くすることが支援者の必須の条件かもしれません。但し、神経質になりすぎるのも適切ではないことで、自然で素直な感受性が必要と言うことかと思われます。
 多くの健康な生徒は、間違った支援等をしなければ自然に成長していきますので、それを基本にしながら、個別指導を必要に応じて行うことでよろしいかと思います。
 さて、表現が適切でないかもしれませんが、いろいろな意味で特別な支援が必要と思われる生徒が存在するのも現実のことと思われます。学校の中には、非社会的な状態にある生徒、反社会的な状態にある生徒、障害を持つと思われる生徒等、いろいろな生徒がいます。これらの生徒の中に、状態が一層悪くなってしまう傾向が多くなるのもこの時期です。本人を取り巻く環境条件、生育の条件、発達特性等によって、不適応になりそうな生徒もいるのが現実です。
 これらの生徒に対しては、担任等、個の支援者としては、やはり生徒を取り巻く条件を的確に把握することが必要と思います。そのためには、個別指導を含め、把握のかかわりを継続的に行うことと、地道ながらも可能な支援を続けることが必要と思われます。但し、支援者がバーンアウトしては困りますから、そうはならないようにすることです。
 理解と共感、あるいは共感と理解を基盤において、それを基本としながら、まずは一層の落ち込みにならないようにできればよいと思います。支援者の姿勢や考えは必ず相手に伝わります。それは断言できることで、信じてよいことと思っています。可能なことで創意や工夫を行いながら支援を継続しましょう。

 何だか意識論みたいになってしまいましたが、中・高、いずれでも以下のような具体的な活動を試みることも大切と思います。
 二年のこの頃から、本格的に社会状況の理解を図る指導を行い今後の自己の方向性を真剣に考えさせます。話題も意図的に選んで話したり、職業講話等で、自己の進路目標を忘れないように指導しながら行事と学習の両立を目指すように促します。修学旅行等の機会を利用して、その意義や国際人としての条件について考えさせる活動も大切かと思います。

 文が長くなりすぎましたので、今回はここまでにしたいと思います。見ていただきましてありがとうございます。
















便り 10 心が救われる時と場の大切さについて

2024-10-14 10:16:16 | 学校での活動について
またUPしてみたいと思います。
今回で、この年の一年分が終わります。
保護者の方々にお伝えしたいことの一応の基礎は記してきたつもりでおります。
やはり基本的なことがもっとも大切と思われます。
心がどのように扱われるか、どのように扱うか、で子どもも大人もふだんの生活が大きく変わってくると思います。
学校でも、家庭でも、企業や組織でも大切にしたいところだと思われます。


   スクールカウンセラーだより №10   保護者用

 立春の季節となりましたが、まだまだ寒い日が続いています。保護者の皆さまには変わ
らずご健勝のことと存じます。前回は、かかわり日誌の勧めということで書いてみました
が、今回は「心の居場所」について触れてみたいと思います。よろしくお願い致します。

◎「心の居場所」の意味について
 不登校やいじめの問題等、教育にかかわる問題の発生の中で、文科省も、「心の居場所」
の大切さに触れています。
 「心の居場所」とは、簡潔に表現すれば、心が休まる場所、心が落ち着く場所と考えて
よいと思います。また、特定の場所をさすだけでなく、気持ちの安定する人間関係、安心
できる人間関係と考えてもよいと思われます。さまざまなストレスにさらされる現代の社
会においては、気持ちの休まる場所や関係があることは、とても大切なことと思われます。

◎中学生たちは今
 現代という時代は、日々の変化が早く大きく、高度で複雑に発達した時代です。このよ
うな時代の中で、生徒たちも大きな影響を受けています。学習も高度になっています。人
間関係も複雑です。中学生になると、本格的な思春期となり、乗り越えるべき発達上の課
題もたくさん出てきます。
 場合によると、適応することが大変になって、ストレスを感じることもあると思います。
学校と家庭の連携を強化しながら、生徒の実態に即して援助の活動を行っていくことが大
切になると思います。

◎家庭における人間関係
 保護者の皆さんも、いろいろと工夫等をしながら、ストレスに対応していることが多い
と思います。しかし、子どもの場合、具体的な対応と言っても難しいのが現実です。場合
によると、通常では認められない方法でストレス解消を目指す例も起こってしまうことも
あります。
 子どもが、家の人と話すことやかかわりを持ってもらうことで、いろいろな対処法に気
づいたり、新たな気持ちになれたりして、ストレスの軽減や解消につながれば、それが本
人にも周囲にとっても、害のない良い方法だと思われます。
 家庭内における子どもとの関係について、ふだんから振り返って見ることが大切と思わ
れます。

◎大変さへの共感とサポート
 「心の居場所」があまりなく、つらい状態が続くと意欲が低下してくることがあります。
まず、心が落ち着いて、ゆとりを持って考えられる場所や人間関係が必要です。心が落ち
着くのは、思っていることを表現できて、理解してもらえたときだと思われます。
 子どもの心に目を向け、理解を示しながら、必要に応じて励ます等の活動が大切だと思
われます。

10月の活動 3

2024-10-08 08:11:35 | 学校での活動について
前々回、前回に引き続いて3年生の部分を記してみます。
1、2年の活動についてはすでに記しました。

3年生の活動
 中学でも高校でも、この時期になると受験に向けての活動が本格化します。中学では進学先選びが中心になるでしょうし、高校では推薦入試等の具体的な活動が始まるでしょう。
 中学でも高校選びとともに、それぞれの高校に適した面接技術等を学ばせることが必要です。これは当然です。面接時に大切なことは、姿勢と態度だと思っています。またはっきりとした言葉の使い方も重要です。見る面接官から見たらどのように見えるかを想像できるようになるよう、習熟することが大切です。明朗、快活、はきはき、 これらが概ね必要なことと思われます。それに一つ加えるとすれば、生徒本人が自分の良さを自覚できていること、自分の生かせる部分、アピールポイントをはっきりと持っていることが強みになるかと思われます。
 高校では、推薦入試等も始まっているでしょうが、改めて、面接技術や自己表現スキルの大切さが指摘されるでしょう。姿勢や態度は中学と同じだと思いますが、それに加えて、高校生では、将来への明確なビジョンが持てているか、先のことをきちんとイメージできているかが求められるでしょう。
 10年後の自分のこと等まで意識できているかが大切です。そして、それに向かって自主的・積極的・意欲的に向かおうとする意識を持てているかが問われることになるでしょう。これらは外せないポイントだと思っています。

 面接の練習では、二人程度の教職員と生徒一人で行うことが多いと思いますが、その時、その場の目立たない所に他の生徒も立ち会わせて見聞きできるようにしておくとすごく相互に役立つようです。やってみる価値はあります。プライバシーの尊重は事前に言っておきます。

 今まで学習が思うように勧められなかった生徒、今現在実際に進んでいない生徒は焦りや不安な気持ちになることがあります。学習に集中できない場合等は、個別指導が必要です。声掛けや短時間でも面接を行う等が必要です。いつも着させてもらう「情緒の安定」を図ることです。
 学級や学年全体で、SGE(構成的グループエンカウンター)等のグループ活動を行うと、生徒間の交流も図れて、孤立感や孤独感等が軽減されるかもしれません。試してみる価値はあると思います。行うことでのマイナス効果はないと思います。
 個や集団の状況を観察しながら、自律訓練法の

10月の活動 続き

2024-10-07 10:09:09 | 学校での活動について
10月の活動について、前回不十分な部分がありましたので、継続したいと思います。

2年生の活動について補充します。

2年
 中学でも高校でも、学校生活の後半を意識させ、毎日の日常的な生活の充実について考えさせる。この時期になると、これまでと同様に順調に伸び続けることができる生徒と、何となく停滞を示す生徒、明らかに停滞から低下の方向に進みかねない生徒とわかれてくることがある。順調に伸びていける生徒は、心身が安定していて、悩みや不安が少なく、自己の持っている力を十分に活用できる生徒である。
目標についても、ある程度明確に意識できている場合が多いのが特徴である。これらの生徒が多くなれば、学級の良い雰囲気も保たれやすくなる。目標のさらなる具体化も支援のポイントである。例えば受験の場合には、受験先の検討、受験先の学校情報のきちんとした収集などを行うことが必要であることを考えさせ、その対策にも触れて考えることができるようにすることが大切と考えられる。進路指導の考え方を活用して支援を行うことが大切である。

注意するのは、成績が伸びている生徒の中には、成績だけにこだわっている生徒も存在することである。これらの生徒は他の活動が不十分になることもあるので、結果的に総合的な成長は遅れかねない危険もある。3年生になって伸び悩むかもしれない可能性をはらんでいるので、各種の経験、例えば学校での行事等にも意識を持って取り組むように考えさせ支援することが必要である。

 日常生活を見て、一応学校での生活に適応できている生徒もいる。この層の生徒が一番多いのが現実である。これらの生徒は心身の状態においても、学習状況においても、その他の部分においても普通的であり、その意味では問題・課題のない生徒である。
 一方で、問題なく目立たないので、そのままの状態で進んでしまう傾向がある。支援者のポイントはこれらの生徒にどのような働きかけや支援を具体的にするかである。
 以前から他の部分で触れていることがあるように、対象の生徒や人の人的成長、能力の伸張を促すのは、支援者の相手へのかかわり方や人間関係の在り方である。
 人間関係の質と内容が成長を促すポイントである。2年のこれらの生徒に関しては、いかにして、先への関心を強めるかであると思われる。現在の生き方はある程度できているので、将来に目を向けての生き方をどの程度持たせることができるかがポイントであると考えられる。
 共に歩むという言葉があり、別の記事で触れたが、人生のコーチになるという言葉がある。本人が何に着目して何をすること、目指していくことが大切であるかを、時と場を選んで共に考えることが大切である。この意味では、支援者が生徒の先を共に切り開いていこうとする明確な意識を持ってふだんの生活を送り具体的に動くことが大切であると考えられる。
 カウンセリングでのかかわり技法や言葉のやり取りでの適切な方法を意識していただく等で、相手の意識を先に向けた明確な活動にしていくように努めることが必要と考えられる。積極的、継続的にかかわりを持ちながら、相手の言葉を受け入れる応答をしながら、そこからどうするかを考えて意識化することが大切であることを伝えていくことが必要なことと考えられる。

 普通の生徒の中にも、停滞や低下に向かいそうな生徒もいる。これらの生徒は、何かはわからないけれど、心の中に何らかの課題を持っていることが多い。それは本人にも自覚しにくいことである場合が多い。何となくその気にならない、何となくやる気が起きない、やり始めても集中できないし続かない、等々である。
 人は、成長の過程で自分に取り込んだことを使いながら成長していくのがふつうである。その意味では、本人は自覚できないけれども、成長の過程で、本人にとってはありがたくない刺激や経験を得たのかもしれない、特にそれが親からの場合では、毎日毎日少しずつ継続的に与えられるので、心に沁みついてしまうことが多くなりやすい。あるいは、本人が嫌と思っても、反論・反抗等がでいない状態で来た場合には、心の中に多くのよどみみたいなもの、澱(おり、沈殿物)等が蓄積されて、それが意欲化を阻害することも多いのが現実である。
 この場合は、その状態が著しい場合には、カウンセリングや教育相談を受けて、その存在を意識でき明確にして乗り越えられるようにすることが最も効果があると考えられるが、現状、そのような機会を生徒が得ることは難しいし、得られたとしても、成長の過程では明確には意識化できない場合が多いとも考えられる。
 このような場合は、その心的課題に直接向かうのではなく、その代わりに何か十分に気持ちを向かわせることができるもの、あるいは安定した落ち着いた人間関係を経験できて、気持ちを安定的に保てるようにすること等で、課題はありながらもそれほど気にすることもなく生活できるようにすることができると考えられる。
 支援者と生徒の間でも、生徒間の人間関係でも、よい人間関係を持てていることが強い停滞や低下を予防し良い方に向かうことができる一番大切なポイントであると考えられる。この点から支援者の意識の持ち方とかかわり等の具体的な活動が大切であると考えられる。この部分が支援者が行うべきポイントである。

 著しい停滞や低下を今の状態で示している生徒等への対応については、今までに記してきたことを参照していただきながら、一人の支援者ではなく、組織内の連携を図って対応していくことが求められる。
 一人で行う場合は、個別指導が大切と思いますが、やはり集団での対応が必要で楽かと思われます。停滞状態の生徒がクラスの中に生じてしまうのが現実なので、これらのタイプへの対応がある程度できるようになっておくことが支援者の必須事項と思われます。
 学級の中には、どうしても障害的な要素を持っているように思われる生徒がいます。その障害も各種多様ですが、やはり障害の種類や基本的対応のしかたにについて知っておきできるようにしておくことが現在の学校では大切なことと思われます。 
 対応は、校内、校外等必要な機関との連携も大切になると思われます。


3年
 推薦入試等への手続きを確実に行わせ、面接技術を学ばせる。入試の現実が近くなって、学習に集中できない生徒もいるので、個別指導を強化したり、学年全体でSGE等を行い気持ちを支える活動を行う。自律訓練法
を教えたり、グループ相談の実施も効果的である。


3年への対応につきましては、次回にさせていただきたいと思います。1年、2年の部分も参照しながら活動を行っていただければと思います。
今回は、ここまでといたします。またよろしくお願いいたします。コメント等もよろしくお願いいたします。



10月の活動について

2024-10-05 14:46:14 | 学校での活動について
 こんにちは。いつもありがとうございます。

今回は、10月の活動についてという表題でUpさせていただきます。

最近は、進路指導や生徒指導について触れてきましたが、肝心の10月の活動については触れてこなかったことに気づきました。
すでに10月になってしまいましたが、遅ればせながら、10月の活動について触れてみます。

二学期は、一年の中心で、季節的にもある程度安定しますので様々な活動が行いやすくなると思います。事実各種の行事も組み込まれていて、生徒が自主的に活動する機会も多いと思います。
そのような中での今月の活動について、心理学的な側面を活用しながら見てみようと思います。


1年

 入学、進級からの本格的な活動の時期ですので、以下のような点に気づけるように支援をします。
 発達課題としての今の自己の課題について、何をどのように行うことが課題であるか、どのように取り組んだらよいのかについて意識をきちんと持てるように支援します。
 自己の課題に自力で着実に取り組むことが自立の第一のポイントですから、これをきちんと意識させることが大切と思います。
 学習が学校生活の中心的な部分ですから、それに対して、効率的・能率的な学習の仕方を考えさせること、あるいは場合によっては教えることも必要になると思います。
 その時に、一方的に教え込むのではなく、自分の学習の仕方や時間の使い方について、自己の状態を振り返らせること、セルフ・モニタリングさせること等で、学習の準備、目的性、計画性、持続性、創造性等の分野をそれぞれ明確にすることが大切である。自分で自分の学習体制を作り上げる意識を育てることが必要である。そうしないと依存的な状態になり、自主性が育たない。

 1年では、学習と部活の両立も一つの課題である。部活も本格化して、1年も中心に近づくので、学習との両立もしにくくなる可能性がある。やはりこの点の両立を図ることができるように、生活を見直して継続的に両立できる体制を発見させることが大切と考えられる。

 学級や学年のうちに、孤立的な生徒がいないかどうか確認をする。生徒間の人間関係は、生徒の学校生活の充実に大きな影響を持っているので、よく見ておくことが大切である。それは、各種の問題の予防的な活動としても大きなポイントである。孤立的な生徒に対しては、支援者がまずは近寄り働きかけを行うことが必要である。孤立している生徒の内面的な状況には特別な感情世界があることが多く、そのことで、人に近づきにくくなっていることがあるので、支援者が外套の生徒の内面的な世界を把握できるように近づいて、人間関係を作ることが必要である。
 近づくことで、人間関係が安全・安心であることを実感することができれば、そのことが他者への近づきを促すことにつながると考えられる。孤立的な生徒を少なくするように努めることが支援者の大きな役目である。
 友人関係ができている場合には、その深化についても考えさせることである。行事の機会等を利用しながら、生徒間のの自然な交流を増やすように努力していくと、関係の深化が実現されると思われる。
交流が進化すると、生徒は相互に学ぶようになるので、その学びを元にして、自主的に活動できるようになる。相互の自然な交流ができるようになると、学級は自然に融和的・親和的になり、良い雰囲気になって、学びの空間として適した状態になる。自然に学習体制がよくなるので、学習成果も自然に高まる可能性が多い。

 また、不登校校も本格化しやすいのもこの時期である。不登校は、その背景に複雑な要因を擁していることが多く、一面的な見方はできないので、注意が必要である。生徒本人の資質、家庭の状況・人間関係。学級の状況、あえて言えば、支援者の特性も影響することがある。
 多様な要因があり、根深い問題を抱えているケースもあるので、注意をしながら支援を進めることが大切である。特にSCやSSW等との連携による支援が必要な場合も多い。校外の関係機関とも連携する必要があることも多い。
 不登校で一番避ける必要があるのは、本人や家庭と学校・学級との関係が疎遠になってしまうことである。こうなると、本人の回復と再登校まで多くの時間がかかってしまう。そうならないようにしていくことがとても大切である。

2年
 中学でも高校でも、学校生活の後半を意識させ、毎日の日常的な生活の充実について考えさせる。順調に伸長する生徒と停滞を示す生徒に分かれやすいので、個別指導を充実させる。学習セルフ・モニタリング等の実施によって、自己の学習法について改めて考えさせる。引き続き集団活動で生徒を育てる。

3年
 推薦入試等への手続きを確実に行わせ、面接技術を学ばせる。入試の現実が近くなって、学習に集中できない生徒もいるので、個別指導を強化したり、学年全体でSGE等を行い気持ちを支える活動を行う。自律訓練法
を教えたり、グループ相談の実施も効果的である。


2年、3年への対応が不足になってしまいましたが、1年の部分も参照しながら活動を行っていくことが大切と考えられます。内容の細かな点については、次回以降に触れてみたいと思います。
今回は、ここまでといたします。またよろしくお願いいたします。コメント等もよろしくお願いいたします。




生徒指導の活動 続き

2024-10-03 16:44:35 | 学校での活動について
こんにちは。
前回は生徒指導について、ガイダンスの活動であることを中心に考えてきました。
今回もその続きとして、生徒指導の考え方と具体的にどうするのか等について考えてみたいと思います。

学校は、教務部、進路指導部、生徒指導部等々の組織編成で活動していることが多いと思います。最近は、部の範囲をなるべく幅広く考えて総合的に活動するところも存在しているかと思います。例えば、進路指導部と生徒指導部の垣根を取り払ってしまって、ガイダンス部あるいはガイダンス係として活動しているところもあるかと思います。進路指導はキャリアガイダンスですからガイダンス活動の一種です。生徒指導は文字通り、ガイダンスの活動ですので、両方ともガイダンスの活動であることは明白なことと思います。
各種の方法を用いて、なるべく科学的なエビデンスに基づいて行う活動ですから、行う内容と行う方法があるわけです。
従来の学校は、経験主義的な考え方が強くて、以前に行っていた方法をそのまま継続的に行うことによって教育活動を進めるという側面が大変強い状態でした。
そのため、学校の行うことは、以前から行っていたことがいつまでも同様に続くというような状態になり、社会の変化や児童生徒、学生の変化に柔軟に応じることができなくなり、その結果、多様な問題を抱えることになってしまいました。しかも、その解決方法を従来的な方法に頼って行ったために、いつしか問題・課題がとても複雑にしかも深くなってしまいました。
そして、そのままの状態が続くようになり、現在でも苦しみながら、きしみながら何とか活動を続けているというのが現実ではないかと思われます。
最近になって、ようやく、特に都市部の学校等、私立の学校等を中心に、科学的なエビデンスを持つと思われる方法で教育活動を展開しようとする学校も現れてきて、ようやく少しずつ変化がみられるかとも思われます。
しかし、全体的には、従来の方法が強くて、問題を抱えたままになっているのが現実かと思われます。課題に適切に対応できる方法もあるようにも思われるのですが、なかなか学校の中に浸透していかない部分があるように思われます。
これらの点を何とか考えていかないと、児童生徒も、それを指導支援する先生も、双方ともに苦しい状況が続くと思われるのですが、教育界の保守性が強いためか、変化が起きないようです。
教育心理学、学習心理学、臨床心理学、社会心理学等々の学問や知識がどんどんと学校の中に入っていくような状況にならないかなと思い、それを望んでいるところです。

話が少しずれたかと思いますので、生徒指導について戻りたいと思います。
ガイダンスとしての生徒指導について、何をどのようにするかについて考えてみます。ガイダンスは、導く活動ですから、何をどのようにして導くかを考える必要があると思います。

何をの部分についていえば、児童生徒の人間的な成長を実現するように導くことであると思います。時代が多様な内容を含みますので、児童生徒も多様な状態です。それらの状態や一人一人の状況に着目しながら、個の良さを一層発揮させていくことが大切なことと思われます。個の人間的な成長を促すことが、何をの部分かと思います。
どのようにしての部分について考えてみれば、了解しやすいのは、同じガイダンスの活動である進路指導の内容を見てみることが参考になるかと思います。
進路指導の6つの活動の最初に出てくるのは、児童生徒の理解でした。それぞれの生徒の特性、実情、知識や能力をきちんと把握することでした。
生徒指導も、進路指導と同様に、各個の生徒の現実的実情をきちんと理解することが導くことの前提になると思われます。特に成長期、青年期の場合には、心理的な実情を知ることなしに導くことはできないと思います。知らずにすることは支援者の思い込みになることがあり、効果的な活動にはなりにくいと思われます。

個を知るための方法等につきましては次回以降にさせていただきまして、今回はここまでにさせていただきます。











自立 自律した子どもを育てる 生徒指導の考え方

2024-09-26 15:26:45 | 学校での活動について
 こんにちは。
 少し時間があいてしまいましたが、また続けたいと思います。
学校での生徒指導のことを中心にしていきます。また、これは家庭でも同様かと思われますし、企業や組織でも、下の人を育てようとしたら同様の考えになるかと思われます。
 何か参考になりそうな部分がありましたら、生かしていただけると幸いです。
 よろしくお願いいたします。

 振り返りみたいですが、少し前は、主に進路指導のことについて触れてきました。進路指導の目的は、人が将来の自分の生活の在り方をイメージし明確化したり、生き方をはっきりさせる活動でした。
 進路指導は、キャリア・ガイダンスと言います。キャリアとは簡単に表現すれば、その人の生きてきた中で経験したことすべてのことを言うと思います。特に経験してできるようになったことやわかったことが中心になると思います。キャリア試験というと、試験を受けて合格すると、合格することで仕事に必要とされるキャリア(経験、体験、できること)が満たされているということかと思います。
 進路指導、キャリアガイダンスは、先に必要になることを身につけられるように導く活動と言えると思います。経験を積み重ねることができるように導き、先の在り方を考えられるようにすることを進路指導と言うと思います。
 具体的な中身は、以前に触れましたので省略させていただきます。

 さて、自立と自律した生活を営むことができるようにする活動が生徒指導です。これが本当に意味でガイダンスですね。人が自分の足で立って、自立して、しかも自分の人生を自分の適切な正しい判断で生活して行けるように導くことが生徒指導ですね。自律はセルフコントロールができるという意味ですから、自己を自分の力で統制することができるという意味です。

 子どもでも、大人でも、それぞれの環境の中で、自立的、自律的に生活できればそれはすばらしいことと思います。
子どもの場合には、学校や地域で正しく適切な生活ができること、例えば学校の中では、その人なりに意欲的に前向きに学ぶことができ、周囲から孤立したりせずに必要な協調的交流ができることが自立でしょうし、大人の場合も、組織や環境の中で、必要な行動ができることが自立・自律かと思われます。

 これらの能力を身につけることができるように導く活動が生徒指導の本来の活動と思います。生徒への指導、生徒に対する指導のみと言うことではなく、対象の生徒にさまざまな経験を持たせて、考える機会や感じる機会を持たせて、その中で必要なことに気づき学ぶ機会を与える活動が生徒指導と言うことかと思います。

 上に記してきたことから考えれば、子どもたちが学校の中で経験するさまざまなたくさんの活動が理解や気づきの機会ですから、日常の活動そのものが生徒指導の機会であることもまた当然のことと思います。
 中学校以降に始まる生徒会活動や部活動も、さまざまな活動をする中で、生徒の経験や気づきの機会になるわけですから、充実して行われることがとても大切なことと思われます。
 受験の状況が著しく重視されるようになってきていて、学校での各種の活動がなかなか十分に行いにくい状況になっていることが生徒指導の機会の不十分さにつながっているようにも思われることもあるようです。

 生徒指導の各種の方法があると思いますが、それに気づかないでいると、生徒指導は生徒への指導の観点ばかりが強くなってしまって、活動として不十分なものになる危険性があると思われます。
 生徒への指導と言う観点では、何を目標に何をしなければならないかがはっきりと決まっているわけではないので、してもしなくてもわからないので、結果的に何もしないで、生徒に対する厳しい対応だけをすることが生徒指導と受け取られてしまっているのが現実と思われます。
 そのようなことから、生徒指導は一部の厳しい先生等が行うものとなってしまっていて、学校全体の、生徒を導くガイダンスの活動としての生徒指導が少なくなってしまっているのが現実かなと思われる部分です。
 ガイダンスの目標や方法についての知見が必要になり、学校全体として、適切な理解のもとに行われることが大切と考えられます。

 今回はここまでに致します。次回以降はガイダンスの目標や方法について触れてみたいと考えています。





子どもの能力を育てる方法

2024-09-15 14:12:20 | 学校での活動について
 こんにちは。しばらく間が空きましたが、また投稿してみたいと思います。よろしくお願いします。

 これまで、けっこう長く進路指導について記してきましたが、今度は、生徒指導について考えてみたいと思います。

 以下の文章は、文部科学省の資料から、生徒指導に関する部分を引き出したものです。文章は、公的な機関が出しているものらしく、どこからも過不足を指摘されないように、いろいろな要素を一文に盛り込んでいます。そのため、少しわかりにくいように感じられます。でも必要な内容はすべて網羅されているということでしょうか。
 
 「生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことです。すなわち、生徒指導は、すべての児童生徒のそれぞれの人格のよりよき発達を目指すとともに、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを目指しています。
生徒指導は学校の教育目標を達成するうえで重要な機能を果たすものであり、学習指導と並んで学校教育において重要な意義を持つものと言えます。」

 上の文章について筆者なりに簡潔に説明したいと思います。
「児童生徒の人格を尊重し」とは、それぞれの子どもの人間性を大切にするということです。人間性に反する指導の活動はやってはいけないことと思います。
 「個性の伸長を図りながら」は、それぞれの子どもの持つ特性、特に良さを伸ばすようにしながらですね。
 「社会的資質や行動力を高める」は、社会に適合して生きる力や適切に行動できる力を育てることです。
 本人が自分らしく、自分にとって良い生き方ができることです。
 学校生活の中で、充実した生活ができ、その人らしく生活できるようにするための活動を行うことですね。

 その意味では、生徒指導は、人がその人らしく生活し、「自分の力で立って、自律的に生活していく能力を育てる活動」と端的に表現してよいかなと思っています。
 人が自分の年齢や環境等の様々な条件の中で、自立してしかも自律的に生活していければ、それが素晴らしいことで最終的な目標と思います。そのことに必要ないろいろな知識や技術を教えたり、引き出したり、自ら気づくことができるようにする活動が生徒指導と考えています。

 最も端的に表現すれば、「自己指導能力」や「自己統制力」(セルフコントロールする力)を育てる活動と言えるかと思われます。自分で自分を指導できる、セルフコントロールして行動できるようにすることが大切と思っています。

 ここで、少し話が変わりますが、「生徒指導」という言葉の意味について記しておきたいと思います。そうしないと生徒指導の本当の意味を理解できないかなと思われます。
 生徒指導は、生徒への指導とか、生徒に対する指導とか、指導を行うという意味ではありません。本来は。「ガイダンス」の言葉を訳したものです。生徒指導という言葉の本来の意味は「ガイダンス」ということです。
 ガイダンスは「導く」という意味を持っています。一方的に生徒に対して、ああしなさい、こうしなさい、これはしてはダメ等と「指導する」のではなく、いろいろな場面や方法を用いて、生徒が自分の力で適切な行動をとることができるように導く、あるいは、適切なあり方について気づく機会を与えて導く、という意味です。
 生徒が主体になっているわけです。支援者指導者は、相手を尊重しながら相手が自身でわかって行動できるように導く、あるいは促すことを行うということです。

 我が国の教育では生徒指導というと、教員から生徒への一方的な生徒への指導が生徒指導とされていることが多すぎるようです。生徒指導がガイダンスであることを理解しないで進められていて、時には、指導と称して体罰が行われるような状況になってしまっているようです。
 教育の活動が極めて経験主義になってしまっていて、教職員になった時、あるいは自分が生徒であった時に、教員から行われたようなことを引き継いで同様に行ってしまっているようです。
 本当に、学問的な科学的な側面はほとんど見られず知られずに生徒指導が行われているようです。本来、ガイダンスの意味を持つ生徒指導には、たくさんの科学的な知見や方法があると思われるのですが、そのような方法等はほとんど取り入れられずに無視されて行われているのが我が国の生徒指導かと思われます。

 このような状態では、いつまでたっても自立的で自律的な生徒、人間を育てることはできずに、人からの指示や命令、その場の様子や大勢を見て行動することしかできない大人になっているのではないかと思われてしまいます。

 今回はここまでにさせていただいて、次回からガイダンスである生徒指導の実施方法等について触れてみたいと思います。

 今回は、表題を子どもの能力を育てる方法としていて、ブログの中身と違うとの指摘を受けそうですが、その点お許しください。
 これから、子どもを元気に活力のある、しかも行動できる力を育てることについて触れていきたいと思いますので、今回はまだそこまでいきませんがお許しください。
 意欲的に前向きに行動できる力を育てる活動について今後触れていきたいと思います。
 では、また。







問題の解決法 事例研究の大切さとやり方

2024-09-06 11:16:51 | 学校での活動について
こんにちは
また、よろしくお願いします。

今日は、前に記しました事例研究の仕方について補充的に触れてみたいと思います。

 事例研究の手順はある程度一定の手順が考案されています。その手順については、以前の投稿を見ていただければ幸いです。
 ここでは、事例研究の簡単な方法、筆者は自分では簡便法と言っています。いつでもどこでも、誰でも、一人でもグループでも集団でも、どのような課題を対象にしても、事例研究的な探求をできる方法という意味で言っています。

 この方法は、ある時、ある人の講演を聞いているときに、こんな方法もあるではないかと思って、いろいろなケース、場面で、個人でもグループでもやってみたらそれなりに機能して、しかも参加する人の負担も少ないし、日常的なこと、課題もすぐに検討できるので、本当にやりやすいと思ってやっていることです。

 個人としては、普段の生活の中で解決が必要な状況が生じたときにもこれに従って解決法を見つけるようにしていますし、職場でも、その他の場所でも工夫しながら使っています。
 簡便法による事例研究の手順は以下のとおりです。
1 個人でも集団でも、誰かが持っている課題を他の人に提示します。他の人とは一人の人でも周りの同職あるいは異なる職種のグループでも構わないと思います。とにかく課題になっていること、問題になっていることを提示します。相談しますといってもよいでしょう。
 学校なら、ぜんぜん勉強しようとしない子がいるのだけれどどう思う?や、休みがちになってる子が出たのだけれどどうしたらよいでしょうか、等でよいと思います。
 医療であれば、咳が止まらない患者がいるとか、熱がいつまでも下がらないでも、何でもよいでしょうし、もっと重症な場合もあると思います。
 他の組織であれば、組織内の日常的な課題でもその他でもよいかと思います。

2 これらを聞いた人は、はじめは、これは何の問題だろうか、何が問題だろうかと考えます。
 例えば休みがちな子のことであれば、休みが多くなってるということが問題と考えられます。
 勉強しないは学習意欲が下がってしまっているが問題かと思います。同様に他の職場等でも課題、問題を抽出できると思います。参加の人たちがいろいろと意見を出し合っていけば、問題・課題は見つけ出せると思います。特に専門職が集まっている所ではある程度簡単にできると思います。ここでは、解決すべき問題・課題をはっきりさせることが一番の目標です。問題の明確化という作業ですね。
 問題が明確化できれば、その解決に向けての活動が、個人でも集団・グループでも、相互理解・共通理解のもとに動きやすくなると思われますので、活動が一段階進むことにつながりやすいと思われます。
 ただし、この段階では、なぜその問題・課題が生じているのか、課題の背景に何が横たわっているのかはわかりません。問題を生じさせている条件、問題を継続させている事情が分かりませんので、具体的な活動はしにくいです。
 例えば、学習意欲の低下の例では、なぜ学習意欲が低下しているのか、背景がわかりませんので有効な手が打ちにくいと思われます。もともと知的能力が低く学習についていけないのか、先生の教え方が本人に合っていないのか、あるいは学校では見えないけれど、家庭で虐待的な状態に置かれているのか、大きくなれば家庭の経済状況の影響とか、様々な事情が影響していると考えられますので、検討に参加している人々が、自由に自分の感想や感じたこと、過去の事例で経験したこと等まで、表明を行います。
 すると、その子をめぐる学校内の事情や、分かる範囲ではありますが家庭的な事情等、様々な事情が明らかになってくると思います。
 これらの中から、背景要因の大きい部分が抽出されてくると思われます。専門職の集団では、検討の中で同じような意見や判断が多く出されることが多いと思います。そして、ある程度の要員を明確化できると思います。要因は一つではなく、重なっている場合の方が多いと思いますので、それはきちんと受け止める必要があると思います。子どもの意欲低下をすべて家庭の影響というようにしてしまうことはどうかなと思われます。家庭の要因が一番大きそうなのは経験的にも理解できそうなことですが、本人要因、学校要因もある場合はあると思いますので、そこは注意する必要があると思います。

 少し話がずれますが、事例研究を行うときに一番注意する必要があるのは、事例の提供者にいやな思いをさせないことだと思います。忙しい中で事例を出したのに、指導者・支援者が悪いのだとされたら、二度と事例研究は行わないということになるでしょう。
 事例をまとめて出していただいてありがたい、課題を考える貴重な機会になった、同様な事例の解決へのヒントになった、行動指針を得ることができた、等の感謝を表明することが本当に大切と思います。ただし「おべっか」ではなく、本当に自分が感じた素直な気持ちを肯定的に表現することが大切と思われます。

3 上記と重なる部分がありますが、問題の背景要因が明らかになったら、簡単に言えば、こうなっている事情、こうなっている理由がはっきりしてきたら、ではどうしたらよいかを考える、「第3の段階」になります。問題がはっきりすれば、状態を生み出している理由がはっきりしてきたのですから、対応は、状態を生み出す理由になっている行動をしないで、
 例の学習意欲の場合には、もともと本人の知的能力があまり高くなかった、集団内での指導は難しいかもしれない、家庭は、お母さんが一人で子育てしていて経済的にも大変なので、子どもにかかわる時間が少なかった、いわゆる子どもの承認欲求等が満たされていなかった等が明らかになるかもしれません。
 現実の中ではよくありそうな事例かと思われます。良くありそうな例ですが、それではこの問題に対する対応策を考える段階ですが、このようなありがちな問題・課題への対策を考えて行動するのはけっこう難しい面があります。
 担当者として、学校として、親としてできることをなるべく手順を追って、地道に行っていくしかないのが現実かと思われてしまいます。
 学校は、校内連携が一番大切かと思います。いわゆる「チーム学校」としての活動ですね。担当者・支援者、スクールカウンセラー、管理職等々が力を合わせるのが一番効果的と思われます。と言っても忙しい中での行動ですから、可能な限りでと言うしかないとは思われます。

 他の職場、組織でも同様なことが現状と思われます。現実は只々忙しくて、あたふたと時間が過ぎていくようです。組織の協力体制が保たれていれば、多少の安心感、安定感、精神的ゆとり等は得られると思われますので、それらの部分がポイントかと思われます。

まとめですが、
課題・問題が生じたら、何が問題だろう、何の問題だろう、何を解決すべきなのだろうと、まず考えてみる。

次に、なぜこのような状態、課題・問題が生じたのだろうか、生じているのだろうかと考えてみる。

つぎに、上のことを考えながら、何ができるだろうか、何をしたらよいだろうか、考えてみて、それを行ってみる。しばらくやって解決・改善につながらない場合は、再度検討してみる。

これらの過程をとると、考えやすく、動きやすくなると思います。
個人でも集団でも行えると思いますので、よろしかったら活用してみてください、

ブログを見ていただいてありがとうございます。今後も可能な限り継続してみたいと思っています。多くの方に見ていただくのが励みになります。
よろしくお願いいたします。では、また。