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児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

意欲の元を育てる 2

2025-06-12 17:19:58 | 学校での活動について
今回も表題の通りで、その続きです。ライブも含んでいると思いますので、よろしくお願いします。

 意欲を育む4つのポイントを出してみましたが、その4番目にありました環境の影響が一番大きいかもしれません。特に親子関係を含む家庭の影響は一番大きいかもしれないです。
 家庭の中で親と接しいる部分が、小さい子どもほど大きく深いのですからその影響は本当に強いと思います。あまりよくない環境の中で育てられれば、やはりやる気はそがれてしまうことになると思われます。

 今回は親子関係の在り方については、深く述べてみる気持ちはあまりなくて、そもそも意欲と言うのはどのような基盤の上に立っているのかについて考察してみたいと思います。

 意欲の元になるのは健全なエネルギーでしょうし、活力がないと活発な行動も行われないのですから意欲の元は育たないでしょう。では活力はどのような環境の中で生まれるのかですが、それは、少し抽象的ですが、生まれた子どもが一人の大切な存在としてきちんと扱われることから生じると思います。生まれたばかりの子どもでも、その感性はとても敏感でまわりの雰囲気をきちんと感じ取っていると思われます。いやむしろ赤ちゃんは自分では何もできず、生命の維持もできないのですから、周りが自分をどのように扱ってくれるかを、本当に敏感にシビアに気にかけていると思います。
 やはり大切にされずに、自分が、所属する集団の中で価値ある存在として扱ってもらいないような状況では、心の中に不安や不信等の気持ちばかりが育って、活力などは生まれないことでしょう。この漠然とした感情は、ある意味でその子の基盤として存在することにもなってしまう可能性があり、その影響は大きくなっても続くこともあると思われます。
 生まれた時からしばらくの間の状況、環境は本当に影響が大きく、場合によってはその子どもの一生に影響を与える可能性もあると考えられます。
 このように表現されると、運命論的な考えを持たれることがあるかもしれませんが、でもそれだけと言うことでもありません。人間は本当に可塑性が大きくて、変化することができる存在なので、その後の人間関係、社会的関係の中で持たれる環境等によって、大きく成長する可能性もありますので、小さい時の環境がすべてを決めるということでもありません。但し、やはりその影響は大きいと言わざるを得ないとは思います。

 物理的環境と心理的・人間関係的環境とどちらが大きな影響力を持つかと言えば、それは人間関係的環境かもしれませんが、そのことも物理的な環境の影響も受けますので、どちらの影響も受けるというのが本質かもしれません。

 少し難しい概念的に表現すれば、活力の元は、その個人が「深く受け入れられる」ということかと思います。良い環境の中で、親をはじめとして、周囲の人たちからきちんと深く受け入れられて、安心して存在することができ、気持ちも落ち着いて過ごせるとき、人が本来持っている活力、成長力が表現されると思います。このような関係がある程度安定的に継続的に与えられれば、その子どもの中には人や社会を信じる肯定的な感覚が育ち、その子の成長力を最大限に育てる力が強く備わると考えられます。自信や自己肯定的な感覚や価値観と言ってもよいかとも思われます。人は基本的に安定や安心を求める存在とも思われます。

 逆に、そのような環境が得られにくかった、得られなかった場合には、基本的な基本的な欲求が十分には満たされなかったことになると思われますので、やはり活力、エネルギー感が弱くなるかもしれません。
 但し、弱くなったからと言って、そこであきらめる必要もありません。人は大きな可塑性を持つ存在ですから、親でも先生でも、その他の人でも、その子どもの特性に気づいたときに可能な形で、その時まで不十分であった部分を与える活動を行うことで、少しずつでも本来的な活力、エネルギー、意欲を取り戻すことができるようになると思われます。

 その具体的なやり方も考えることができると思いますので、次の機会に触れてみたいと思います。今回はここまでにさせていただきます。またよろしくお願いいたします。
 






























意欲の元をどのように育てるか

2025-06-07 14:04:34 | 学校での活動について
久しぶりに投稿したいと思います。
年度の始まりから、子どもへの対応について、ライブ的にとか記してしまいましたが、その後投稿主の私的部分が非常に多忙になってしまいまして、とてもライブ的には不可能になりました。

今回は、少し時間がありますので、ライブ的とはなりませんが、意欲の元、意欲の素について記したいと思います。

どのようなときに子どもの意欲が高まるかと考えると、以下のような点があげられるかもしれません。


(1)興味や関心
  何かに強く興味を持つことで、自然と学ぼうとする気持ちが生まれる。
(2)目標と動機づけ
   自分が達成したい目標や夢があると、それに向けて努力する意欲が高まる。
(3)自己効力感
  「自分ならできる」と信じる力が学習へのモチベーションを後押しする。
(4)周囲の環境
   応援してくれる人々や快適な学習環境は、やる気を引き出す大きな力になる。

(1)については、人が、特に子どもが何らかのきっかけで、興味を持つ対象を見つけたり、自分で経験することで、もっと追求してみたいという気持ちが強くなると思います。
 子どもや青年には、興味や関心が持てそうな多様な場面、経験を持たせることが大切と思います。偶然の経験と本来その児童生徒が持っていた資質が触れ合うと大きな成長動機になると思います。
 場面を整えることは大人や先生の役割だと思いますので、それを意識していて、日常生活の中で場面等を作りたいものです。と言うよりも、先生や親にできることはそれくらいしかないのではないかと思います。馬を川辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできないという話がありますが、水辺に連れていくことさえも意識されていないことが多いのが現実かなと思われます。水を飲む馬もいれば飲まない馬もいる。それでよいかと思います。場面を作る努力が一番大切なことと思われます。

(2)については、目標や夢のことですが、これは多く語られることが多いですね。早い子は、本当に小さい時から職業や自分の興味ややりたいことについて自覚ができて、具体的なイメージも作られるのですが、たいていは何となく過ぎていくのが大多数かと思います。
 これもやはり場面や経験が大きな影響を与えることになるでしょうから、(1)と同様のことが言えるかと思われます。やはり多様な経験が影響をすることでしょう。
 同時に周りの人がその人物の特性や良さの部分をきちんと見抜くことが大切と思います。見抜いて、相手の特性に合った形で伝えることで相手がそれを受容していくと思われます。
 人をきちんと見る、しかも継続的に注意を払って見続けることが大切と思います。関心を持って接することが必要です。リソース(資源・良いところ)を見つけ出すかかわりが必要です。肯定的な目をもって、良いところに目を付け見出す努力を続けることと思います。

(3)については、児童生徒が自分に自信を持てるようにしてあげることです。自信は、やってみてできたという経験を積み重ねていくことで身につけられるようになります。対象の子の実情に合わせて、課題を設定したり、目標の明確化を図ったり、場合に行ってはやり方の手順を示唆する程度までのことはやって、その後は本人にチャレンジさせて、本人が、「やったー」「できた」「よい成果が出た」等の感情を持てるように導いてあげることが大切です。答えを教えることがよいわけではありません。やったー、できたー、うれしい等の感情体験、これらは至高体験といいますが、それを感じられるようにしてあげることが大切です。但し、毎回うまく行くわけではありませんので、失敗したときの対応も考えておく必要はあると思います。再チャレンジしたくなるような対応をしたいものです。
 至高体験の積み重ねが自身の元、自信の素です。これも指導者の論理と感性に基づいた地道な支援が大切なことですね。

(4)最後に周囲の環境のことですが、これが一番大切かもしれません。小学生から高校生まで、あるいは近年では大学生や大人まで、その周囲の環境が大きな影響を与えます。
 小学生等の小さな子どもの場合は、特にその影響が大きいです。その中でも親子関係の影響は特に大きいです。あるいは親子関係次第と言ってもよいかもしれません。親の子どもへのかかわり方次第で、子どもの意欲が決まってしまうかもしれません。誤ったかかわり方を長年にわたって続けると、まず基本的な成長欲求が弱まってしまします。生きることへの前向きな姿勢が弱くなってしまいます。全体的な活力、エネルギーが少なくなるのですから、学習意欲の元は育てられません。活力が少ないと、脳の活動も低下しますので、耳から入ってくる話、視覚情報も素通りになる可能性が高まります。いろいろなことができにくくなりますので、自信も欲求も出てきません。悪循環になることが多いです。
 この循環を何とかしないと、先生の努力も水の泡になることが多いと思います。本当に何とかしたいところです。学校では、現実的に見ると、学習意欲の低い子どもの多くが環境の影響を受けた、このパターンが多いと思いますので、これへの対策を考える必要があるわけです。
 学校として、支援者として何ができるだろうか。これを次に考えてみたいと思います。

年度初め 児童生徒 学級の取説 前回の続きです。

2025-04-30 08:45:35 | 学校での活動について
年度の始まりから1か月程度です。連休にも入りました。
この時期に必要と思われることについて、ライブ的に順を追ってUPしています。
今回は先のまとめをしながら、次のライブに続いています。
着実な実践で効果が出ると思います。

◎原理原則がなるべく生きるように工夫する。
 60~70パーセントでも理解している状態を作り出す。原理原則と言うような固いことばで表現しましたが、児童生徒の行動する基準と言ってもよいと思います。こう行動することがよくて、この行動はだめと理解し認識しているということです。対象が子どもですから、完全にそうなるわけではありませんが、基本的に守られるようになっているということです。

◎これを作り出すのは、先生の心持ち、意識・考え方が大きな影響を与えると思います。
 先生はモデルです。特に小さな子どもほどモデルにします。そこで、先生の人となり、態度や動きの在り方、基本的人間観、人間と言う存在をどのように見るかです。人間をいずれも成長する存在と考えるか、管理の対象とみるかで大きな違いが出ると思います。
 現実には、一定の管理も必要ですので、どちらか一方に全面的に傾くことではないと思いますが、基本的に人間は成長を志向する存在であるとの考えが大切と思います。これらがあいまってクラスづくりの基本になると考えられます。

 少し具体化しますが、本来成長を志向するのが基本である子どもが、意欲も少なく学習にも興味を示さないような状態が見られれば、それは何らかの成長阻害の要因が背景に存在すると考えられるのではないかと思われます。
 できればその背景要因を見つけ出したい、気づきたいとの意識を持っていることが必要になると思われます。背景要因を見つけ出すには、子どもとの関係を深くして、子どもの内面を見ることができるようになることが必要です。内面の理解なしに子どもの理解はありません。熱い心と冷静な目で対象をきちんと見ること、感受性を研ぎ澄まして見ることが必要になります。昔、心理学を勉強しているときに、大先輩から「咳一つで知れ感受性」と言う言葉を教えられました。咳一つにも多くの意味が込められている、あるいはこもっている、あるいは状況が示されているというような意味かと思いますが、先生は、一つの考えにこだわりすぎることなく、偏った見方になることなく、冷静に適切に相手を見てありのままの相手を感じることが大切だ、と言うような意味かと思っています。

 ◎名前は一番大切な固有名詞ですので、名前を読んであげる。
 このことで、相手への関心も示すことができますし、相手が求めている承認の欲求も満たすことができるので、とても良いかかわりだと思います。
 名前を呼ぶのは平等にすることも大切です。目立つ生徒、学習ができる生徒、何かと先生に近寄ろうとする生徒の名前を多く呼んでしまいがちになると思いますが、静かで目立たない生徒、何となく気になる生徒等の名前を、他より多めに呼んであげることが大切と思います。
 週に一度も名前を呼ばれない、声を掛けられないような生徒がいないようにすること。
机間巡視も適切にきちんとしましょう。教壇の上から見るばかりでは生徒の本当の姿は見えません。
机間巡視で生徒の状態を確認すること。
生徒の状態をきちんと見ようとする意識がある机間巡視が大切。
細かい指摘も机間巡視の中で、そっと落ち着いて行うこともできます。静かに生徒に近寄ることもできますので、この方法はとても大切な方法と思います。



年度初めの学級(組織も)等の運営の具体化

2025-04-14 09:00:25 | 学校での活動について
今回も今の時期に必要なことをライブ的に記していきましょう。


 前回は、まず原理・原則をきちんとさせることが大切と記しました。おおむね80%程度の生徒がこれを理解してこれに従って行動しようとする状態になれば良いと思います。80点は5段階評価で「5」ですから、もうそれで充分です。100点取ろうなどと無理をしないことが大切ですよ。
 適度に適切な状態になっていればよいと思います。この理解を図る方法は、対象の年齢と先生の創意や工夫で行えばよいと思います。

 次は親和的なクラスですが、温かみと親しみ感のあるクラスは最高ですね。こうなると、自然に子どもの動きが多く活動的になって意欲的にもなると思います。子どもが自主的に動くので、先生もいろいろなことがやりやすくなると思います。ただ子どもですから時に行き過ぎになることもあるので、そこは原理原則に戻すことが必要です。
 雰囲気の良いクラスを作るには、まずは先生がいろいろな活動と働きかけをする必要があります。放っておいてもクラスは作れません。ある意味先生次第です。先生の考え方や行動、一挙手一投足で少しずつ作っていくのだと思います。けっこう大変かと思いますが、学期・学年の始めなのでやむを得ないかもしれません。ここできちんとできると、後が少しは楽になると思いますよ。冷静に着実に進みましょう。がむしゃらに力で押すことではないですよ。

 まずは考え方と目標ですが、前にこの時期に一番大切なことは「適応指導」であると記しました。適応指導は子どもを所属する集団になじませることでした。各子どもが居場所があって、話せる人がいれば適応していると考えてよいと思います。クラス集団が安定していて人間関係があり、相互の会話が適切にできているかと言うことと思います。
 この状態を作るために先生が動いていくことになるわけです。子どもたちにとって先生は一つのモデルですから、先生の状態や動きが子どものモデルになり、子どもが模倣していくわけです。
 それで、先生の意識や行動について触れていきましょう。意識の面では、少し抽象的ですが、先生は子どもたちに「積極的に関心を持つ」ことが大切と思います。この意識がきちんとあるかないかで、子どもの反応は大きく違ってきます。あれば子どもは積極的に先生に反応してきますし、なければぼんやりとした反応しか示さないと思います。先生が何をどのように考えているか、何を実現したくて何を実現したくないか考えていれば、それは即座に子どもたちに伝わってしまいます。子どもの心は思いのほか敏感で率直です。先生も人間で、表も裏もあるのが普通だと思いますが、「思い」の内容と質がとても大切だと思います。上に掲げたような良いクラスを作ろうとする意図は子どもにすぐに伝わります。
 先生が、子どもの成長力を信じて、各子どもを肯定的に見ようとすることもとても大切なことです。「肯定的な人間観」です。プラスもマイナスもあるのが人間ですが、プラスの点を見つけ出そうとして頑張り、プラスを活用しようとする子持ちも子どもにすぐに伝わります。子どもに積極的に肯定的に関心を持つことが極めて大切なことです。 
 まずは行動ではなく考え方や意識が大切です。それが先生の姿、行動に自然に現れてくるわけです。そして大切な栄養素のようにじんわりと子どもに効いてくるわけです。

 まだ具体的な行動ではありませんが、考え方や意識のことについて触れてみました。これを行動化するとすれば、今の時点では子どもをきちんと自覚的・意識的によく見ることだと思います。毎日、各子ども・生徒をよく見つめることが大切と思います。どのような特性を持ったせいとか、どんな良さを秘めている子どもか等を見つめる目をもって子どもにきちんと接していくことがまずは大切なことと思います。
 できれば視線を交差して見ることが大切と思います。

 今回はここまでにさせていただきます。次回からさらに少しずつ具体的なポイントに触れていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

年度初めの学級等(組織も)の運営について

2025-04-10 12:15:35 | 学校での活動について
年度初めの学級運営(組織運営)のポイントについて

 新年度、新学期になりましたので、今の時期に必要と思われる児童生徒への働きかけについて触れてみようと思います。良かったら参考にしてみてください。
 また時期が変わりましたら、ライブ的にその時期その時期に必要と思われることを記してみたいと思っています。よろしくです。

 今日は、年度、学年の始めですので、今の時期に必要と思われることをUPしてみます。 学年・年度の始まりは、担任・児童生徒(以下生徒とします)共に初めての出会いの場合が多いですね。出会いは大切だと思います。
 人の印象は最初の6秒間ぐらいで70パーセントが決まるといいますから、本当に最初の出会いが大切です。
 先生の中には、最初にすごく厳しい面を無理に見せて、それで対象をコントロールしようとする人もいます。おっかないと見せて生徒を動かそうとすることですね。
 これはさてどうなのかですね。これも一定の程度効くのも学校と言うところの現実ではあるでしょう。体育会系の先生には、こんな人が多い印象ですね。ただこれは本来の教育目標からは外れているでしょうね。
 教育の目標は、自立的・自律的な生徒を育てることだからですね。この辺をきちんと理解しておくことがある程度の長い期間の場合に生徒が育つポイントだと思います。ただ言うことを聞くだけの生徒を育てても仕方ないですからね。

 本題に戻りましょうか。新しい出会いの中で、生徒は不安な気持ちになる、なっている生徒も多いでしょう。新入学の場合は特にそうですね。友達、会話のできる人ができるかどうかは、控えめな性格の生徒にとっては本当に心配なことと思います。
 ですので、この時期の最初の目標は、なるべく早く親和的なクラスを作るように努めることだと思います。親和的とは何となく互いに親しみ感が感じられて安心できるような状況のことです。ぎすぎすしたような状態が長く続くと、なかなか望むようなクラスにならないですからね。
 但しあまりに早く慣れなれしくなってもいけませんね。目立つ自己顕示的な生徒がクラスのリーダーシップをとってしまうのも長く見ると困ったことになります。
 程よくみんなが次第に打ち解けてくるのが大切と思います。浮き上がった子が目立つようにならないようにするには、
 先生が、クラス全体の動いていく「原理や原則」をきちんと出して、子どもたちの理解を促していくことが大切と思います。原理原則が無い、弱いと混乱したクラスになってしまう可能性があります。小さい子の場合が先生から出してもよいと思いますが、学年が上がるにつれて生徒の話し合いでこれが決められて互いに理解できるようになると一番強いと思います。ここはどのようにして理解を図っていくか、先生の工夫が大切なところだと思います。
 なるべく多くの生徒が参加して、考え、それで決められるとよいと思います。程よい適切な先生のリーダーシップが必要です。
 学級運営における先生の考え方をきちんと確認しておきましょう。但し非民主的なのは望ましくないのは当然ですよ。生徒が育ちにくくなりますから。粘り強く実践しましょう。

 次に、親和的なクラスを作ることですが、原理原則をきちんと出しながらも、時にユーモア感のある話を少しすることも必要です。先生の味を少し出しましょう。生徒がホットできる感じを大切にしてあげましょう。先生の人間味が大切ですね。ちょっと役立ちそうな世間話でも良いでしょうし、先生の経験談でも良いと思います。多すぎるのは良くないですよ。まだ学期の始めですからね。先生の個性はこれからも出せますから・・・。

 さて、生徒間の親和性を高めるのに必要と思われることは、互いに声掛けができることです。目立ちたがり屋さんは、すぐに声が出せるでしょうが、おとなしい気味の生徒はそれが難しいのですね。それで引っ込んでしまうわけです。この時期に声が出せないと後々までマイナスの影響が及ぶことがあります。生徒からすればクラスの中に居場所が無くて、交流する生徒もいないことは孤独の極みですから、本当にさみしいことですね。独りぼっちはつらいです。これが長く続くと、不適応の状態になりかねず、結果的に5月から6月頃になって不登校になることもあるかと思います。
 不登校の種はこのころから育っているのですね。不登校と言う種が育たないようにすることが先生の役割です。不登校が発生すると、先生は精神的にも日常の活動的にも制約や負担が生じて気苦労と余計な活動の苦労をすることになりますので、どちらも大変になりますので、不適応の状態を示す生徒がなるべく少なくなるように意識して活動指定ことが大切と思います。
 但し、不登校等の不適応の生徒が出てもそれは先生のせいではありませんので、ご自分を責めないようにしてくださいね。
 今の時代は、子どもが年齢に応じた発達が実現していない場合も多くあり、どれだけ注意しても不登校が生じる場合もあるからです。
 生じてしまったとき、生じそうな時のことはまた後で触れます。適応指導が大切ですね。

 親和的なクラスを作るポイントは、何と、「子どもが互いに話を聞きあえる」ことです。話をすることができるではないのですね。
 会話は、話をすることと、聞くことで成立します。話をするだけでは会話にはならないのですね。話をする人の話を、聞く人が最後まできちんと聞いてくれて会話が成立するのですね。話すことよりも聞くことの方が大切で、よい人間関係をつくる効果もあるのですね。
 話すのは「話をする」であって、一見すると能動的のように見えますが、能動的ではないのですね。
 聞くのは、よく考えると「聞いてあげる」ということで、聞いてやるすなわち能動的な行為なのですね。聞くのは何もしていないように見えて、しかしよく考えるとしてあげていることになるわけです。
 聞くことで相手の存在を認め、なお且つ相手をきちんと理解しようとする積極的で肯定的な関心・態度を示していることになるわけです。

 きちんと対応してもらえて、きちんと理解しようとする態度を示されることは、話す人にとってはこれ以上ない貴重な時間でかけがえのない経験と言うことですね。心地よい関係と言っても良いかと思います。

 先生は、生徒に「相手の話をきちんと最後まで聞こう」と言ってくださると、それを生徒が互いに行うことによって、生徒が互いに受け入れ認め合う関係ができますので、クラスの雰囲気が自然になごんで親近感を感じあえるクラス、良い人間関係のあるクラスになる出発点になるかと思いますので、これを進めていただくのが良いかと思います。

 尚、聞いたことの内容を相手に伝え返すことができると、(フィードバックすること)さらに良い関係になるのですが、それは少し難しいのでそこまでは求めなくてもよいかと思います。
 年度初めは忙しいですが、先生がそれを行うように心がけていただきますと、それが一つのモデル(モデリング)となって、子どもにも広がっていくと思います。ここでも、先生は無言ですがリーダーですね。
 聞きあうまで少し慣れが必要かもしれませんが、地道に推進していくと、良いクラスができると思います。

 ちなみに心理学の世界で、「人は、話す人の話をよく聞いてくれる人の話を、最終的に聞くようになる」と言う言葉もありますので、紹介しておきたいと思います。
 少し長くなりましたが、今回はここまでにしたいと思います。今後もライブ的に、その時期に合わせた話をUPしたいと思っていますので、良かったら見てみてください。よろしくお願いいたします。 できましたら周りの人に紹介していただけると読者も増えますので嬉しいです。

学校での一年間の活動

2025-04-08 08:32:46 | 学校での活動について
今回は学年の始めですので、一年間を見通した教育の活動について、生徒指導や教育相談を中心の視点にしながら、一般的にできる活動について掲載してみます。参考になれば幸いです。


◎教育活動の目標

 教育の活動は、学校の中で子どもたちにいろいろな体験を持たせ、その中で考えさせたり、感じさせたりしながら、人間性の成長を図る活動だと思います。
1年間、子どもを担任したり、授業や部活の中で覚醒との特性を把握し、それぞれの生徒との人間関係を持ち、各生徒のよさを一層伸ばしたり、逆に、そのままの特性では生徒にとってマイナスの影響があったり、集団にとっても負の影響があるような点を、例えば自己中心性が強すぎる等を可能な限り改善して次の年度に渡すことであると思います。

 今日では、社会の変化や豊かさの広がりの中で、本来ならそれぞれの年令で経験してほしいことや、親の口出し手出しによって年令に応じた発達上の課題を克服できていない生徒も見られます。発達的に未熟な生徒も多くなっています。特に共感性が十分に育っていないために他者の気持ちが理解できない生徒、自分の考えや気持ちを上手に適切に表現できない自己表現力の乏しい、対人関係能力の低い生徒が多くなってきているのが現状だと思われます。

 担当した生徒が、教員との出会いやふれあいの中で、人間的に成長していくことができるように、時期や特性に応じて、生徒指導や教育相談の考え方や技法は生徒の成長を促すのに大いに役立つと思われます。

 1年間の生活を生徒指導・教育相談の実践期間ととらえ、その中で、教育相談の考え方や技法を活用して生徒の成長を援助していく活動を行うための基本的な例を表にしてみました。(表は掲載できないので文で参照してください)
 
 同じ年齢で同じ時期にある生徒たちは、共通する課題を持っていることが多いので、課題克服の援助として、時には個別指導を行い、時には集団活動を行っていくのがよいと思います。
 
 表の中にある実践項目は、筆者がこれまでの教育職の中で実施して、自分なりに良い成果を得られたものを中心に、わずかなものはこれを実践してみるのも良いのではないかという試案も記述してあります。

◎一年の初めに

 はじめに適応指導と特性把握及び信頼関係をつくる。
 年度の初めは、生徒が、学校、学年、学級になるべく早くなじみ、「心の居場所」を得られるように適応指導を行います。その中で、各生徒とかかわりを持ち、それぞれの特性把握や理解に努めながら、生徒との人間関係を形成し深めて信頼関係を形成することに努めます。具体的な活動については表の参照をお願いします。

 個別の生徒に必要なかかわり、指導を行います。教育の活動は、やはり信頼関係がある程度形成されていないとなかなかうまく行きません。先生に対する反感、不信感等が強すぎると、教師が何を言っても生徒は受け入れません。受け入れない場合が多くあります。また、教師の言うことが教師の都合や一方的な思いこみによる場合も、生徒の共感を得られ
ず、話しが伝わりません。やはり信頼関係が基本で大切です。
 
 中には信頼関係が形成しにくい生徒もいるので、生徒指導・教育相談の基本的な技法を活用しながらねばり強く、時間がかかっても信頼関係をつくる活動を行う必要があると思います。生徒を肯定的に見て、心情を受け入れ、配慮することが大切です。悪い状態であってもこれまでの事情の中でそうなっているだけであり、どの生徒も変容するし成長する力を持っています。また、そう思ってやることが大切だと思います。

 関係がある程度できたら、まずは生徒のよさを指摘してやることが大切だと思います。この活動、集団での活動を利用しながら生徒の成長や変容を促します。これはやはりある程度時間がかかることなので、2学期の活動になるかも知れませんが継続的に行う必要があると思います。


◎2学期は学校生活の深化と発展の時
 学年、時期で多くの生徒に共通の課題があるので、それを明確に意識しながら克服を援助するための技法を活用します。具体的な内容は表を参照してください。
 表には、1学期に、あるいは違う学年で示されていても、実態や必要に応じて、違う時期や学年で、あるいは毎年行っても当然よいと思います。
2学期においては、それぞれの生徒の特性を活用しながら、各生徒の個の伸長を図る活動を行います。

◎3学期は総まとめと次のステップへの意識を育てる時

 3学期は期間も短く入試の影響等もあって、あわただしく過ぎる時期であると思います生活リズムをきちんと維持させたいと思います。この時期には、ここまで順調に伸びてきた生徒はそのまま成長して行けると思いますので、次のステップに移行するための各生徒の学年の課題を示してやればよいと思います。

 順調な成長を示すことができなかった生徒、教師から見て十分に成長を促すことができなかったと思われる生徒に対して、時間は短いですが、もう一度これまで行ってきたことを再点検しながらやってみるのがよいと思われます。

 年の初めの計画、意識をつくる指導から始めて、各生徒が自分の現状を自覚できるような指導を行いたいと思います。特に、集団で各生徒に年初の思いを表現させるのがよいと思います。それぞれ表現して、相互に学ぶことが多いと思います。
 指導をしながら生徒の内面に入っていき、関係をつくりたいと思います。関係ができれば言葉のやりとりができますので会話し、次年度の課題をはっきりと示してやり、取り組みを促せばよいと思います。取り組みを認めながら、承認欲求を満たしながら自信を持てるように指導できればよいと思います。

2学期、3学期はまたその時期に詳しく示してみたいと思います。よろしくお願いします。






 

学校等での3月の活動 

2025-03-09 09:32:22 | 学校での活動について
 少し時間的に遅れてしまいましたが、一応3月の活動について、概略的ですがUPしておきたいと思います。よろしくお願いします。

1年生

 年度のまとめを行う。自立的・自律的な生活をしているか確認させる。
 自分の成長した点を確認させ、本年度、実現できた点や不十分だった点等を明らかにし、次年度への課題を明確化する。
 学年学級通信等を発行して、担任の思いを伝えたり、次年度への期待を述べる。
 上級生の合格体験談等を聞く活動を行う。

2年生

 2年生を振り返って3年への自分の抱負をきちんと持てるように指導する。
 3年後、5年後、10年後等、未来の私について考える機会を与え、将来への展望も含めて人生設計について考えさせる。
 

3年生

 中・高校生活の総括を行わせながら、卒業式を自信を持って迎えられるよう指導し、社会生活への意欲を育てる。
 在校生に対して、卒業生の中・高校生活や受験体験について話す機会をつくる。
 追指導の必要な生徒にはていねいに追指導を行う。
 

自死について 3 対策の続き

2025-02-05 15:33:04 | 学校での活動について
前回の続きです。

いつも見ていただきましてありがとうございます。
少し前に、メディアで青少年の自死が最多になったと報道されました。投稿主の少し関係しているところでも、そんなこともありそうな部分もありまして、自死について、何とかできれば予防をしたいなあと思うところですので、自死に触れながら考えてきました。予防としての方途について全体的に記してみましたが、具体的な方策も必要かと思われ、少しではありますが、記してきました。前回は心を健康に保つ方策や、いざというときの話の聴き方等に触れてみました。

 今回は、続きで、
対策について、少し具体的に触れてみたいと思います。
心理教育の推進はとても必要なことです。相談窓口や相談を受けてくれる人の配置、その組織に属している人が誰でも聴いてくれる人になれるようにすることも大切です。

 今回は、自死の念慮や意図や企図につて、できる限り早くに気づき発見できるようにすることの意義について触れてみます。自死に至る場合は、そのかなり前から何らかの信号を出している場合が多いと考えられます。その信号には、気づきながらもそのままに放置されている場合や、まったく気づかれない場合や、何となくおかしいかな等を思いながらも組織の中等では共有されずに、そのままになっている場合が多いと思います。もっとも、最近は孤独・孤立で生活している人も多く、人との触れ合いもない場合が多くありますので、何とも言えない所です。孤独・孤立の人が突然に衝動的・突発的な出来事を生じさせる場合もあるので、対応が難しいところです。やはり行き過ぎた個人主義や相互に無関心が広がりすぎると大変な状況にもなるかと思います。

 該当の人への気づきを得るためには、やはり人間関係が存在することが必要です。物理的な距離が遠すぎれば、心理的な距離も遠くなり、気づくチャンスが失われてしまいます。
 一緒に生活していても気づけないこともあるので、大変です。学校でも企業でも、いい意味でプラスの意味で相互に関心を持つことは大切と思います。
 最近もメディアで、おかしなことがあるようですが、人権に関しても鈍感さが支配しているようではだめです。変な事件が起こります。「のり」を重視していて、「のり」が支配的な人間の集団は、付和雷同的な雰囲気が支配するようになりますので、いつかおかしなことになります。上司が「のり」だけで活動しているようでは、勤務者は大変です。
 
 少しずれましたが、ある有名な哲学者が、「観察と実験だけが真理に近づく方法だ」と言っているようですが、本当に良い意味で観察することが極めて大切と思います。観察とともに必要なのは健全な「感受性」です。「共感力」といってもいいのかもしれません。「共感力」の大切さは、何度言っても言い切れません。人を人としているのは「共感力」だと思います。単純に言えば、人の気持ちがわかるということかと思います。
 共感力と言うことは簡単なのですが、残念ながら共感力を発揮するのはかなり難しいことと思います。特に優れた共感力は難しいです。
 と言うのは、人は他の人の気持ちに気づくよりも、あるいは気づくように努力するよりも、自分の気持ちの方を、どうしても優先してしまいがちになるからです。共感ができるようになるには、自我・自分をコントロールできる節制力がとても大切です。

 そしてこの「節制」が極めて難しいことなのですね。聴く人が自己を節制して聴くと、相手は自分の思いを表現することができるようになります。この自己表現が大切なわけですね。そして表現に共感してもらえると救われたような心情になりやすいのですね。
 救われるということは、そこに自分以外の人が確実にいるということを実感することですから、孤独や孤立から離れることができるチャンスになることも考えられるわけです。
 孤独な人の心には「鬼」が住んでいて、それが暴れまわるようになるとさまざまなことが起こってくるわけです。孤独・孤立が長く続いて、他の人からの関心がなくなるということは、人間と言う存在にとって一番いやなことなのだと思います。

 周りの人が、共感力を自覚しながら該当の人をきちんと見ていて、必要に応じてそれを発揮できるような状況になっていると、救われる人が多くなると思います。
 そして共感力の発揮に到達するまでに必要なことは「観察力」だと思います。観察こそが人への関心をもたらすことであり、相互に人間になれる貴重な機会であると思われます。マイナスを探す観察はダメですが、プラス、あるいはプラスを探すということでなくても、自然で素直な心から生じる観察が本当に大切と思います。
 
 人間は正直な存在ですから、こころの中にあることは、自然に外部に出てきます。その出方に着目して見ていれば、自然に相手の状況に気づけると思います。
 「手は外部脳」と言う話を聞いたことがありますが、手の動き一つでも心の中のことが表現されています。ずうっと昔のことですが、「咳一つで知れ、感受性」と言う言葉、当時の学び集団の標語を聞きました。咳一つでもその様によって心の内がわかるということかと思います。あるいはわかるくらいになりなさい、と激励された言葉かと思います。
 これは名人技ですが、そのくらい人の内情がわかるようになると素晴らしいということでしょう。なかなか難しいことですが・・・。

 発見は、発見しようとする心の働きによって可能になると思いますが、そうでなくても自然で素直な純粋性のある心でも可能と思います。専門的な知識や技術よりも、一般的な人の素直で純粋な心の方が発見に役立つことは多いと思います。但し、一般的な発見はそこで止まってしまう可能性があるので、その先に進む専門性等があると思われます。
 
 要約してみると、人と人の自然なかかわり、サポートしあおうとする心の働きの実行、互いに個性等を尊重しながらも親和的な人間関係が保たれていると、観察も共感もしやすくなると思われます。人の心の働きが自然に発揮できることが一番大切なことと思われます。このような働きが回復できるように望んでいるところです。

 今回はここまでにさせていただきます。また見ていただけますようよろしくお願いいたします。




自死について 3 対策を考えてみると・・・

2025-02-03 17:32:05 | 学校での活動について
自死について 3 具体的な方策を考えてみると・・

今回は表題のようにしました。見ていただければ幸いです。

 前回で1の項目としてあげた心の健康に関する教育の活動で、できそうなことやこうし
てみたらどうかと言うようなことについて触れてみます。

 ストレスがとても強い状況ですので、それらへの対処の方法を知ることが必要と思いま
す。
 ストレスの強さは、睡眠の質と大きな関係を持っていると思います。過剰なストレスで
睡眠が浅くなったり眠れなくなったりします。その状態が続くと、そのこと自体がストレ
スになったり不眠の状態になったりします。それで、良くない方への循環が始まり強くな
ってしまいます。
 眠りたいのに眠れないのが続くと、衝動的や突発的な行動に出てしまうことがあります
ので、十分な注意が必要と思われます。ストレスの影響を強く受けていると思われる人の
周りにいる人は、相手の人が眠れているかをきちんと確認する必要があると思います。
 眠れていなそうに見えれば、その時は、多くの周囲の人がフォローする必要も出てくる
と思います。
 但し、多すぎる言葉、多すぎるかかわりは相手を追い込む危険性もあると思いますので、
十分に注意をする必要があると思います。学校ではSC等との連携が必要でしょうし、会
社等では、専門職との連携が必要かと思います。
 受容的な雰囲気や親和的な関係が大切です。孤独・孤立ではないことを相手が感じ取れ
るようにしていくのが基本と思います。医療への受診も必要なケースがあるとも思われま
すので、風邪で受診するのと同様な感覚で、受診を勧めることも考える必要もあると思い
ます。

 話が具体策から少し離れましたが、具体策としては、医療の受診と服薬とは別に、以下
のようなことが考えられると思います。但し、これも該当者がもうすでに追い込まれてい
る状態だと、実施しようとしてもうまくできずにストレスがかえって増すことも考えられ
るので、留意が必要と思われます。

 適切な呼吸の仕方、落ち着いたある程度深い呼吸法を身につけること。呼吸法ですね。
それから身体をリラックスさせる方法を知ること。この方法はネットにも多く紹介されて
いますので、検索で調べられると思います。ストレッチや体操は、自分に適したものを知
っていると、いつでもできて良いと思います。

 自律神経は、心の働きを正常に保つのにとても大切です。ふだんは自律的に働いていま
すが、ストレスや不安、心配、イライラ等が長く続くと、自律神経の分野まで影響してき
ます。これが乱れると心身に不調が現れやすくなると思います。継続的に必要な実施しや
すいストレッチ運動を知らせることも必要です。身体に良いことは心にも良いことが多い
と思いますので、予防の点から教えておくことも大切と思います。
 支援者もやってみて経験しておくことがよいと思われます。その他として、自律訓練法、
リラクセーションの方法、ヨガ、マインドフルネス等々、多様な方法を伝えておけると良
いと思いますが、専門性の高いものは多少の練習や研修が必要な場合もあると思いますの
で、留意が必要です。

 感情の取り扱いの方法も大切な知識だと思います。時々の自分の気持ち・感情をきちん
と自覚することができ、状態に合わせて解放しやすくするようにしておけると良いと思い
ます。
 感情の解放に必要なもっともよい方法は、話をきちんと聴いてくれる人がいることです。
さらに共感してくれれば、それはとても助かることです。共感は一番良い援助法です。何
もしてくれなくても、傍に人がいて、共感的に話を聴いてくれれば、それが不安やいらい
ら等の中にいる人にとっては一番ありがたい人です。共感力は最大の援助力です。
 相手の話を評価をせずに、真摯に耳を傾けて聴く、余分なことは言わないことが相手を
再起させるコツと思います。但し、あまりにも落ち込みすぎている、すでにひどい不眠に
なってしまっているような場合には、医療の力を借りることも必要になります。

 心療内科や精神科は、身近な診療科です。いつでも利用可能です。医療が必要な人が偏
見を持たないように適切に知らせておくことが大切と思います。但し、医療に任せきりで
は良くならないことが多いです。少しずれますが、不登校でも医療の力だけで再登校に至
った例は多くないのではないかと思われます。周囲の人の力が本当に大きいと思います。
医療をはじめとして、各種の相談機関、カウンセリングルーム等と、学校その他組織の連
携が一番大切なことと思います。
 
 感情、特にマイナス感情が内にこもってしまうと、動けなくなります。マイナス感情が
自分を責めるからです。責め始めたらそれは循環してさらに強くなりさらに動けなくなり
ます。マイナスに焦点化すると、マイナスの循環になってしまいます。ルソーが「手を洗
えばさらに汚くなる」と言いましたが、汚さにとらわれてしまうと、汚さから逃れられな
くなってしまうこともあります。
 ある中学生は、一度制服を着ると、それをすべてアルコール消毒しないと二度と着られ
なくなりました。どこかに汚れが付いていると思って着られないわけです。そのような例
もあります。普通の清潔度で十分なのですが、気に病むとそうなるわけです。この循環か
ら抜け出すのは本人だけの力ではけっこう難しいです。
 ですので、その現状を受け入れつつ、そこから抜け出られるように、相手のペースを尊
重しつつ、回復できることも尊重しつつ、あきらめずに適切に歩むことが必要と思われま
す。

 当人が感情を解放できるようにするには、聴く人が必要と思われますが、加えて、当人
の、感情処理に関する知識も必要です。自己表現をしてよいこと、する方が良いこと。聴
く人がいること。話し方、話す方法を教えることも必要です。自己表現のソーシャルスキ
ル(生活技術)を学ばせることが、予防としても大切です。これは方法があるのですが、
ここでは書ききれません。あらかじめ場面を設定して、それぞれの場面での表現法を考え
させる、教えることが必要です。後に余裕があれば触れてみたいと思います。

 他に、毎日の感情を記録すること、その時にあまりマイナスの感情ばかりに注目しない
で、プラスの感情を多く書いてみること、例えば今日一日に良かったこと、嬉しかったこ
と等を書いて、一つだけ、嫌だった、さみしかった、怒ったことなどを書くようにして、
プラスを多くして、一日を終える等の工夫が必要と思います。これは下がってしまってい
る自己肯定感を少しでもあげるという意味です。一日がプラスで終えれば、安眠にもつな
がりやすと思います。
 アート療法、音楽療法、などもありますので、本人の興味や関心・特性に応じて活用で
きるように伝えることも必要と思われます。他にも方法はあると思いますが、検索等をお
願いします。
 今回は、長くなってしまいましたがここまでにしたいと思います。また続きを記してみ
たいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

自死について 2 予防的な面について 

2025-01-30 11:17:39 | 学校での活動について
こんにちは。いつも見ていただいてありがとうございます。

 この記事の表題は、自死について 2 予防的な面について となっていますが、当方の不手際で、この記事を出すときに、自死についての1を削除してしまいました。

 そのため、この記事が突然に2から始まっていますので戸惑いの方もおられるかと思います。また、1の内容が不在ですので、それとの関連での3 4 がわかりにくいと思います。
 で、追加のようで申し訳ありませんが、前回の内容について、まったく同じにはなりませんが、このような内容でしたと、概要のみでもあげておきたいと思います。いきさつをご理解していただきまして、よろしくお願い申し上げます。

 前回は、1として、心の健康に関する教育の活動を、いろいろな場所で、継続的に行うことが大切と記しました。時代が複雑で進む速度や変化が大きく、ついていくのが大変です。特に青少年にとっては大変なことと思います。
 自分の心を取り扱うことも大変です。どうしてもゆがんだり圧力に押されたりしがちです。心の平衡を取り戻す具体的な方法を知っていると、何かの時に役に立つと思われます。 
 ストレス等の正体とそれへの対応法を知らせておくことが特に必要と思われます。また、その教育を行う過程で、人間関係の大切さや互いに心を大切に扱うことの大切さが学べればよいと思います。
 具体的な方法は、今ここでは触れられないので、次回以降にしたいと思います。

 2としては、話ができる場所や人がいることが大切です。孤独・孤立と不安が重なると、本当に対応が難しくなります。人間は人の間に存在するのが基本的な特性ですので、孤独や孤立は本来的なものではありません。しかし、心が健康であれば、ある程度のそれには対処できるのですが、様々な条件が重なるとわずかのことでも大きく影響することになります。孤独・孤立の継続はいずれの日にか、心の健康に大きな影響を与えることになると思われます。
 人間相互の親和的な関係が保て、自己表現が楽にできる場所が本当に必要です。必要な時代です。
 ですが、時代は自由主義、個人主義、競争主義です。これは行き過ぎると大きなマイナスの影響を人々に与えると思われます。
 関係性の確保できる場所や人が、どの組織や集団でも必要と思われます。
 もう少し具体化した部分は後に触れてみたいと思っています。


 前回からの続きです。自死は何とかして防ぎたい大きな項目であると思います。

3 早期発見が必要そうな人、自死の予防が必要そうな人を可能な限り早く見つけ出すようにすること。

 早くに発見することがとても大切なことですが、これも実際にはなかなか難しいことでもあると思われます。全体的に言えそうなことは、だんだんにエネルギー感が下がってきている人、その人の能力を生かせていないような状態にあるように見える人、逆に不自然に気分が高揚しすぎているようで、頑張りすぎ等の状況に見える人、鬱に対して躁の状態にあるような人、これらの人に留意をしていくことが必要と思います。異変に気づくことができることが大切と思います。
 集団の中で、何かちょっと違うよねと思える人がいたとしても、その集団の構成員の間の人間関係がよくないと、誰も話題に出すことができない、出さない、避けるような状況になってしまうと思いますので、ここでも集団の中の人間関係がとても大切と思っています。
 今の時代は、学校でもどこでも人間関係が表面的なものになっていることが多く、他者のことには口を出さない、関心を持たないようにする等が多くなっていると思われます。
 周囲にいる人の影響力は大きいと思われますので、日頃から、いわゆる風通しを良くしておくことは本当に大切と思われます。親和的な学級、学校、組織、集団を作るように努めることは本当に大切なことと思われます。
 具体的なことは今後に触れます。

4 社会全体で予防に取り組むこと。

 自死については、社会全体としては少なくなってきていると思いますが、それでも結構多くの事例が出ているのが現実です。予防対策は機能しているかもしれませんが、さらに一層の全体的な対応が必要と思われます。
 小中高の生徒の増加、大学生の状況等を見ても、若い人の自死の増加が問題です。企業等の場合には、最近話題のメディアのように人権感覚の欠けた組織もまだあり、前近代的な権威主義的な経営が行われている組織もありますが、それでも少しずつですが、人権感覚は広がってきていると思われます。
 学校の場合には、対象が子どもや青少年であることもあり、ふだんの指導においても、まだまだ権威主義的、上意下達的なことが行われていると思われます。子どもや青少年が自分の気持ちを指導者や上の人に伝えることはとても難しいと思います。エネルギー感の下がってしまっている子どもには特に難しいことと思われます。
 対象にかかわり、耳を傾けて丁寧に聞く、あるいは聴く活動がどうしても必要と思われます。学校はこれが行われにくい場所になっていると思われます。聞くことは一つの大きな方法です。聞けなければどうしたらよいか、対応の方法がわかりません。話すより聞く、聞けない場合は一定の時間を共有するでもいいかとも思います。場と時間を共有することで相手が情緒的に少しでも落ち着くことができれば、それが予防の活動になると思います。
 家庭も社会の構成要素ですから社会の一部です。親子関係について確認しながら進むことも大切なことと思われます。

 自由主義、個人主義、競争主義、資本主義が進みすぎた場合は、それに伴うマイナスの要素が大きく出る可能性があります。特に社会の弱い部分に出ると思われます。もう出ているとも言えると思われます。
 今回はここまでにさせていただいて、次回はそれぞれの項目についてもう少し具体的に、やること、できそうなこと、等について触れてみたいと思います。よろしくお願いいたします。