ナポレオン・ボナパルトの又甥の邸宅を改装した、シャングリ・ラ ホテル パリの外観 |
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シャングリ・ラ ホテル パリ
http://www.shangri-la.com/jp/property/paris/shangrila
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「ル ロワイヤル モンソー ラッフルズ パリ」
http://jp.franceguide.com/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E%E5%88%A5%E3%81%AE%E6%97%85/%E6%96%B0%E7%94%9F%E3%83%AB-%E3%83%AD%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AB-%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC-%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%BA-%E3%83%91%E3%83%AA.html?NodeID=112&EditoID=227816
アジアと中東資本が激突、豪華絢爛さ競う!
2011.02.16(Wed) JBプレス 鈴木春恵
昨年8月の記事で、パリの超高級ホテルの盛況ぶりをご紹介した。世間一般の不景気な話題とは対照的に、1泊100万円クラスの部屋が連日満室であるというものだったのだが、その高級ホテル事情が、ここへきてまた大きな動きを見せている。
エッフェル塔のはす向かいにシャングリラが開業!
パリは今まさに、空前の高級ホテル開業ラッシュなのである。
その中でも最も新しいのが、昨年12月にオープンした「シャングリ・ラ ホテル」。セーヌをはさんで、エッフェル塔のはす向かい、16区の高級住宅街に隣接するエリアにある。
街の景観そのものが歴史遺産、観光資源になっているパリの常として、更地に全く新しい現代建築が建つというのは稀である。
このホテルもまた、もともとあった歴史的建造物を生かしつつ、内部に大幅に手を入れて完成させたもの。
そのもともとの建物というのが、皇帝ナポレオンの甥の息子、プリンス ロラン・ボナパルトの館として19世紀末に建てられたものであり、ギリシャ、デンマークのプリンスと結婚した娘の婚約式の舞台にもなったという由緒がある。
その後、この館の持ち主は、金融会社、国と変遷し、2006年に政府がこれをシャングリ・ラ グループに売却し、新たなホテル開業に向けての準備が始まったというわけなのだった。
いかにも格式ありげで、しかも瀟洒なたたずまいの門構え、正面玄関を入れば19世紀の建造物としてのしつらえは健在だ。
さらに、上階に上れば、ベルサイユ宮殿かオペラ座にでも来てしまったかというような天井の高い豪奢なサロン。
かつては、それこそプリンセスの婚約披露もここで行われたという場所で、当時、パリの中でも最も美しい広間の1つに数え上げられていたという。
ホテルとなった今後は恐らく、コンファレンスをはじめ、オートクチュールショーなどの会場としても活躍するに違いない。
最上ランクの部屋は1泊200万円!
客室の方はと言えば、全81室のうち、27室がスイートルーム。お値段は、1室1泊750ユーロ(約8万4000円)からで、スイートは1565ユーロ(約17万5000円)から。
最上ランクの「スイートインペリアル」が1万8000ユーロ(約200万円)となっている。
ちなみに、ホテルの売りの最たるものの1つが、少なくとも4割以上の部屋からエッフェル塔が見えるというもの。
スイートルームの一室に案内してもらったが、2方向に開けた大きなガラス窓に、セーヌ河を従えたエッフェル塔の眺めが広がっている。
おまけに、バスルームにも大きな窓があって、つまり、湯船につかりながら、エッフェル塔のパノラマを眺められるというなんともぜいたくな設定になっていた。
また、アジア人の1人として楽しみなのが、ここの中華レストラン。中華街もあるくらいのパリだが、良い中華料理を食べさせる店というのが、東京に比べるとケタ違いに少ない。
というわけで、香港から5人のシェフが来て、この春にオープンが予定されているこのホテルの高級中華は、恐らくパリのガストロノミーの貴重なアドレスになることは間違いない。
さて、この「シャングリ・ラ」に先がけて昨年秋にオープンし、高級ホテル開業ラッシュの口火をきったのが「ロワイヤルモンソーホテル」だ。
こちらは、凱旋門とモンソー公園を一直線につなぐオッシュ大通りにあり、在仏日本大使館のご近所という立地になっている。
もっとも、同名のホテルは、1920年代から同じ場所に存在し、しかも既にパリの一流ホテルとして名をはせていた。
作家ヘミングウェーが滞在し、戦後すぐには、連合軍の最高司令官だったドワイト・アイゼンハワー元大統領をはじめとする米軍参謀首脳を招き入れ、新しいところでは、マイケル・ジャクソンやマドンナも顧客リストに名を連ねているというもの。
カタール資本でラッフルズホテルが運営!
そのような歴史を持つホテルだが、シリア人からカタール人オーナーへと所有者が代わるのを機に、いったんその扉を閉め、2年半の大改装ののち、新たなスタートを切ったというわけ。
運営を任されたのは、ラッフルズホテル。シンガポールを基盤とするホテルグループである。
ところで、「シャングリ・ラ ホテル」もまた、香港資本。さらに、今後オープンが予定されているのが「マンダリン オリエンタル」「ペニンシュラ」と聞けば、そのアジア色の濃いのが印象的だろう。
「シャングリ・ラ」の場合、このパリでのオープンがヨーロッパ初の試みということだが、今年はウィーン、来年にはロンドンでのオープンも控えているそうだから、アジアパワーの席巻は、パリに限らず、ヨーロッパ全域に及ぶ勢いなのが分かる。
こうなると、既存の高級ホテルもうかうかとはしていられない。例えば、コンコルド広場にほど近い「ル・ムーリス」の場合。
ここもパリで十指に入る格式を誇っているホテルで、数年前には、メインレストランに若手のスターシェフ、ヤニック・アレノ氏を招聘し、三ツ星に上りつめ、一時の話題をさらった。
次いで、フランスデザイン界の大御所、フィリップ・スタルクの手で、グランドフロアに思い切った改装をするなどして、つねに大胆な手を打ってきている。
また、そのネームバリューにさらなるアイデンティティを持たせるべく、「ムーリス賞」と銘打ったコンテンポラリーアートのコンペティションを創設し、今年で4年目を数える。
つまり、ホテルによるアートのメセナ活動というものだ。
絵画、彫刻、写真などの幅広いジャンルが対象で、アーティストの国籍は問わない。
1ギャラリーが1アーティスト推薦したものを、ルーブルのプレジデント、ファッションデザイナーのカステル・バジャック氏、フランスきっての富豪にして、美術品のコレクターとしても知られるフランソワ・ピノー夫人ら、そうそうたる顔ぶれからなる審査グループによって大賞作品1点が選ばれる。
賞金は20000ユーロ(約224万円)で、ギャラリーとアーティストが半分ずつという配分になる。
名門でも歴史・格式にあぐらをかくことは許されない!
アートイベントがとりわけ華やかになる秋の発表が常で、ことしもまたその予定だが、先頃、ギャラリー関係者やプレスを集めて、開催予告の記者発表が行われた。
私の知るところでは、受賞式のパーティーに招かれることはあっても、数カ月も前ににぎにぎしい記者発表に呼ばれるというのは初めてのこと。
たまたま同席していたジャーナリストの方も同様の意見を持っていた。察するに、鳴り物入りのアジアホテルグループパワーだけに話題をさらわれてはかなわんというところ。
とにかく常に話題づくりをして衆目をひきつけておかなくてはならないのではないかと思う。
世界中からわんさか観光客が押しかけるパリの老舗、名門でも、歴史、格式の上にあぐらをかいてはいないということだろうか・・・。
さて、強力な新顔も出そろってのパリの高級ホテル。今年の夏もまた満員御礼となりますかどうか・・・。
ル ロイヤル モンソー - ラッフルズ パリ
ホテル写真 |
EXTERIOR | SUPERIOR ROOM | RECEPTION | ||