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がれきの町でマナー講習 助成金のためとはいえ…

2011年05月04日 09時04分57秒 | 日記・政治
雇用調整を行わざるを得ない事業主の方へ
 
雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金(教育訓練の判断基準)
 
2011.5.3 産経ニュース
 
がれきに埋もれた被災地で、ホテルの従業員はビジネスマナー講習を受けていた。東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町で見られている奇妙な光景は、国の「雇用調整助成金」の受給を目的とする教育訓練。講習を受け始めた約200人のうち数十人は「被災地の役に立たない仕事はしたくない」と辞めていった。助成金の申請が急増する一方、その要件は限られており、ホテルの女将(おかみ)は「がれきの撤去などでも助成してくれれば、復旧と雇用との両立ができる」と訴える。
 
 「この前と同じだ」。4月末、南三陸町のホテル「南三陸ホテル観洋」の一室で、マナー講習を受けた20代の女性社員はそう思った。「『お荷物をお持ちします』の『お荷物』の『お』は必要ありません」。講師の話は、別の講師から数日前に聞いたばかりだった。
 
 国の雇用調整助成金を受ける場合、受給額は「休業」「教育訓練」「他企業に出向」の3つの形態で変わる。休業の場合、助成されるのは休業手当(賃金の6割)の3分の2にとどまる。一方、教育訓練なら賃金の3分の2と有利で、そのうえ訓練場所によって1日につき2千~4千円が上乗せされるが、内容は業務に関係がなければならず、ホテルの従業員にがれきの撤去などを“訓練”として受けさせることはできない。
 
「こんな非常時に、マナー講習なんてしていられない」。ある20代の女性社員は、先輩にこう言い残し、次の仕事のあてもないままホテルを去っていった。ホテルでは、4月21日にビジネスマナー講習が始まってから3日間で従業員数十人が辞めた。10代から20代の若手社員が大半だ。
 
 講習は午前8時から午後5時まで。それが1年続く。連休中なら満員のはずのホテルはいまだに水が通らず、レストラン以外は休業が続く。別の20代の女性社員は「周りは店も観光地もなくなったまま。客が戻ってくるのか不安で、転職も考えている」と打ち明ける。厚生労働省は「休業したうえで復旧作業をすることはできる。そもそも、雇用調整助成金は休業中の費用を軽減するためのもの」と説明する。
 
 だが、ホテルの女将、阿部憲子さん(49)は「休業手当では足りない。南三陸町はもともと賃金が低いので、違う仕事を求めてさらに若い人が流出しかねない。町の復旧もままならなくなる」と危ぶむ。津波で家族が仕事を失い、家計を1人で支える従業員もいる。
 
 阿部さんは、やりがいのある復旧作業と賃金を確保できれば、若い人でも町に残るとみている。講習後に退職をほのめかしていた若手男性社員に避難所での手伝いを経験させたところ、「人の役に立ててよかった」と、現在も勤務を続けているという。
 
 阿部さんは「助成金を頂けるのはありがたいが、水くみでもがれきの撤去でもいいから、若い人に少しでも被災地の復旧を進めてほしい」と話している。
(荒船清太)

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