忙中閑あり

源氏物語 水彩画 写真、旅 そして時間を追いながらの毎日を書いています。

源氏物語 夕顔(62)

2008年07月31日 13時24分28秒 | 源氏物語


夏の物語
[数日後、夕顔の宿の報告]


惟光、日頃ありて参れり。
「わづらひ はべる人、なほ弱げに はべれば、とかく 見たまへ あつかひてなむ」
など、聞こえて、近く参り寄りて聞こゆ。
「仰せられしのちなむ、隣のこと 知りてはべる者、呼びて問はせ
はべりしかど、はかばかしくも申しはべらず。
「いと忍びて、五月のころほひよりものしたまふ人なむあるべけれど、
その人とは、さらに家の内の 人にだに 知らせず」となむ申す。
時々、中垣のかいま見しはべるに、げに若き女どもの 透影見えはべり。
褶(しびら)だつもの、かごとばかり 引きかけて、かしづく人 はべるなめり。
昨日、夕日のなごりなくさし入りて はべりしに文書くとて ゐてはべりし
人の、顔こそ いとよくはべりしか。
もの思へけるはひして、ある人びとも 忍びて うち泣くさまなどなむ。
しるく見えはべる」と聞こゆ。
君うち笑みたまひて、
「知らばや」と思ほしたり。
おぼえこそ 重かるべき御身の ほどなれど、御よはいのほど、
人のなびき めで きこえたる さまなど思ふには、
好き たまはざらむも、情けなく さうざうしかるべしかし、
人のうけひかぬ ほどにてだに、なほ、さりぬべきあたりのことは、
このましう おぼゆるものを、と思ひをり。
「もし見たまへ得ることもやはべると、はかなきついで作り出でて、
消息など遣はしたりき。
書き馴れたる手して、口とく返り事などし はべりき。
いと口惜しうはあらぬ 若人どもなむ はべるめる」と聞こゆれば、
「なほ言い寄れ。尋ね寄らでは、さうざうしかりなむ」とのたまう。
かの、下が下と、人の思ひ捨てし 住まひなれど、その中にも、
思ひのほかに口惜しからぬを 見つけたらばと めずらしく思ほすなりけり。

        渋谷 栄一著    
          GENNJIMONOGATARIより


数日後惟光が参上しました。
「病人がはっきりとしませんで、、、弱弱しいもので、看病しておりました。」等
ご挨拶して、近くに上り申し上げます。
「仰せのことでございますが、隣のことを知る者を呼んで聞きましたところ
はっきりとしたことは分りませんでした、ごく内密に五月頃から通ってくる
方があるようですが、誰とは分らず家の内の人にさえ内密の様です」
と申し上げます。
時々中垣から覗き見いたしますと、若い女達の透き影が見え褶めいたものを
簡単に着けているので、仕えている主人がいるのでしょう
昨日、夕日がいっぱい射し込んでいました時に、手紙を書こうとして
座っていた女人の顔がとても美しかったです、憂いに沈んだ感じで
側に居る女房たちも涙を隠して泣いている様子がはっきりと見えました」
と申し上げると源氏の君はにっこりなさって、
「知りたいものだ」とお思いになりました。
惟光は思います、
こんなにも重々しいご身分であって、お若のに人々がなつき、褒め称える
お人柄だ、あんまりお堅いのも風情がないが、女性がお慕いしてちやほや
する事等を考えると、、、やはりしかるべき身分の人には、興味をそそられる
ものだからと内心思うのでした。
「もしか新しい事など分るかと思いまして、機会を作り恋文など出しましたら
書き慣れた筆跡で素早く返事が来ました、さして悪くない女房がいるようです」
と申し上げると
「さらに近づいてごらん、突き止めないことには物足りないね」とおっしゃる。
あの下層の最下層の住まいであるが、その中にも、意外に結構な人を
見つけられたら、と心惹かれる思いになるのでした。

源氏物語 夕顔(61)

2008年07月29日 10時14分44秒 | 源氏物語


夏の物語
[源氏、五条の大弐の乳母を見舞う]


前回のあらすじ
源氏は母親が亡くなり、母方の祖母に育てられますが、
その祖母も亡くなります、
源氏は父親の居る御殿に引き取られます、
そこで乳母として優しく育んでくれた人がいました、
兄弟のように親しい惟光という名前の供人の母親です。
この母親が病気になったと聞き自らお見舞いに出掛けました、
その途中、白い花が咲く小さな家に心を奪われます、
家の中から少女が白い扇子に夕顔の花を載せて
出てきました、扇子には
「もしかして源氏の君ではありませんか?」と詠われています
乳母を見舞った帰りに
「薄暗い中で私が誰だかなんて分らないでしょうに」と返歌をします
お返事がすぐに来なかったけど返歌が来たことで、
白い花の咲く家は大騒ぎです、
なんと言ってお返事しましょう
それを聞いた源氏の供の者は
「身の程知らずなことよ」と言います、

源氏はその足で先の東宮の妃である六条御息所の処に通います、
一夜を過ごし寝過ごして朝帰りする源氏の姿の
なんと美しいことよこの世のものと思えないと
六条御息所に仕える女房達が囁きます。

さあこれから夕顔と源氏の儚い夢恋が始まります。


永らく南仏が続きましたので、夕顔のあらすじを書きました。
思い出して下さいね。


南仏の旅28(最終回)

2008年07月22日 20時01分21秒 | 旅行
ホテルに戻り
5時45分空港に向けて出発です。
どうも、トランクが重いようです、
衣類などひとつ包み取り出して手荷物としました。
ボルドーメリニャック空港から、シャルルドゴール空港へ

さぁ~。


ボルドーメリニャック空港を飛び立ち暫くすると
日没のドラマがはじまりました。
感動しシャッターを切りました。
美しいグラデーションです。翼が太陽の光を受けて
オレンジ色に輝き始めました。







ほどなく月も出てきました。
美しいなんと綺麗なんだろう。


翌日日本に無事到着、我が家の近くで空を見上げました、
飛行機の中で見た月と同じ月が出ていました。


「南仏の旅」28回で終了です。
随分長く書いたものだと思います。
拙い旅行記でございましたが、心優しい皆様、辛抱してお読みくださり
有難うございました。
お励ましのmailを下さった方コメントを下さった方
本当に本当に有難うございました。
10日間の旅行記が28回になるなんて自分でびっくりです、
でもまだまだ書き足りないものがあります。
書きながら、自分が楽しくて、再度南仏に行った気分でした。

そうそうドゴール空港で荷物を預けましたとき24キロありました。
受付2人でしたがベテランさんと新入さんの為新人さんが
ベテランさんにいろいろ質問していたので、重量オーバーまで
気が廻らなかったみたいで、無事通過しました。
フォァグラ、リエット、買っていたら必ず追加料金でした。
添乗員さんだって21キロなのに、私はかなり重かったです。

これから又源氏の世界に戻ります、
どうぞまたお越しくださいますようお願いいたします。
     u-ko

南仏の旅27

2008年07月22日 19時57分03秒 | 旅行
9日目
今朝はのんびりと朝食バイキングを摂り、
ホテルの前にある湖に小さいスケッチブックと
水筆を持って出掛けました。
白鳥が二羽優雅に泳いでいました。
桑の木が沢山あり湖を囲んでいました。
木の根元には桑の実が沢山落ちています。
子供の頃に桑を食べて口を紫に染めてしまい
母から叱られた事を思い出しました。
お母さんどうしてるかなぁ~。
ここで一枚描きました。
描き終えてホテルに戻り、これからボルドー市内の見学です、
今日は帰国日なのに
考えてみたらはじめての観光?かしら。
バスと電車に乗って18世紀に出来たオペラ座前まで行き説明を聞きます
サンタンドレ大聖堂の中を見学します、
此処まで歩くとオペラ座周辺の地図は簡単に分りました
集合場所はオペラ座
自由行動になりました。
私はサンタンドレ大聖堂のスケッチをしました。
小さいスケッチブックにペンで描きました。簡単に
色を置いて完了
さぁ~お土産買わなくては、
夕べあんなに捨てたのに何で買うのか??
自分でも良く分かりませんでしたが、孫たちの
喜びそうな装飾品を購入して、オペラ座の前に行きましたが
皆さんまだ来ておらず一人でボンヤリしてしまいました。
こんな時にスリに遭うのかなと思い「しっかり」
と自分を励ましました。
雨が降り始めて、ボルドーの街はしっとりと濡れてきました。
こんな雨のボルドーを描けたらいいなぁ~と思いました。
  

素敵なボルドーともお別れです

南仏の旅26

2008年07月21日 08時13分07秒 | 旅行

とうとう今日が最後の夜です。
と言いましても、まだ陽が高く日本ではpm3時頃の感じがします。
明日の夕方にはボルドーを飛び立ち、国際空港ドゴールへ向かいます、
フランス最後プルコンホテルです。
 四ッ星ホテルです、さすがに立派 調度品も高尚で垢抜けている感じです。
    ホテルのロビーです。






   


これは陶器でした
可愛いくて、ユーモラスでしょ。


   この夜のディナー
◎ボルドープルコンホテル最後のディナー◎★皆さん華やかにドレスアップして
まるでフォォーマルディナーでした。
決まりが在った訳ではなく、期せずしてそうなりました。
なんて素敵なんでしょう。
★今夜のディナーは旅行社の負担です、
ご馳走になりました。
◎これが鮭のリエットです◎
◎やっぱりワインを戴きました◎★テーブルが綺麗に飾られて、パンバスケットもお洒落です。


◎レストラン前の壁絵◎★この絵の前で各教室別に先生を囲んで記念撮影がありました。


ホテルの部屋に戻り荷物の整理と廃棄をします。
エールフランスは重量制限が厳しく20kgを超えると、
1kgオーバーに対して5,000円支払わなくてはいけないと言われていました、
2kオーバーしたら10,000円の支払いです。
パンフレットの関係は必要なところのみ残して、捨てました、
お世話になったスケッチ用の椅子も捨てました、
洗面用品も捨てました、いらないものは総て廃棄しました。
これ以上は捨てられないところまで整理して
トランクを閉めて
ベッドに
この8日間の出来事が、頭の中をグルグル廻りなかなか寝付かれません。
うとうとしたらもう夜明けでした。

南仏の旅25

2008年07月20日 12時43分31秒 | 旅行
サテミリオン(ST・EMILION)
今朝は9時出発
世界遺産の街へと向かいます、ここも坂が多い街でした。
お昼近くに着いたため、カフェでジュース等飲み早速スケッチを
始めましたが、さすがにここは街です、観光客が多くて描きたいポジションが
取れませんでした、
仕方がなく今ジュースを飲んだ建物だけ描いてきました、
あとは写真で描こうと決めました。

暫くすると小さな子供が側に寄ってきました、
なんて可愛いのかしらと思い、笑ってみましたら、
その子もにっこり笑ってくれました、
暫く側に居ましたので、画用紙を一枚剥がして彼に(多分男の子)
渡して、鉛筆を持たせてみました
すると画用紙を地面に置いて何やら描きはじめました、
「お上手ねぇ~」と笑顔で手を叩くと彼は満足そうに更に
描きはじめました。
すると遠巻きしていた、ママが近寄ってきて、彼の作品を
褒めていました、
私は筆にピンクの絵の具を付けて彼に渡すと嬉しそうに
塗り始めました、
グリーンを渡しますとこれも喜んで塗ります、傍らでママが
「これはグリーンよ」と色の説明をし始めました。
なんと楽しいひと時でしょう、
知らないうちにパパも現れて、お話していました、
パパが
「写真を取らせてもらえないか?」と言いますので
「どうぞ」と言いますと、自分のカメラで息子と私を撮っていました。
「貴方はカメラお持ちですか?」と聞かれ
「はい」と答えると、私のカメラで私と子供を撮りました。
     
この写真です。
物静かなお若いご夫婦でしたが、最後に
「ありがとう」と云って乳母車に子供を乗せて遠くなりました。
フランスでスケッチしていて気が付いた事は、
スケッチしている側に寄ってこない
覗かないと言う事でした。
この時は子供でしたけど珍しいと思いました。
英語を話していたので、フランスの人ではないかもしれませんが。
どちらにしても、日本に居る孫達を思い浮かべたひと時でした。

8世紀の聖人エミリオンがこの街に来て大きな大きな一枚岩に庵を造り
ました。後にこの建物が教会となって、
モノリス(一枚岩)教会となりました。

世界遺産に登録されている街モノリスから奥に広がる葡萄畑、
ここはなんと言ってもワインが有名でした
そしてカヌレ、マカロンボルドーのホテルに美味しいカヌレが
沢山あり食べ放題でした。
がそんなに食べられる物でもなくて、一つ包んでバックに入れておきました、
日本に帰りバックの整理をしていいたら出てきました、
コーヒーと一緒に美味しくいただきました。

サンテミリオン
デジカメの底力を感じます。遥かに葡萄畑、山並み


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◎笑顔が素敵です◎★美しいウエイトレスさん写真の許可を戴くとき真っ赤に頬を染めていました
日本の若いお嬢さんとは違う初々しさと清潔感を感じました★。
私たちが一番客綺麗にお掃除されていて気持ちの良いお店でした。◎12時ではこんなに空いていました◎
◎目の前がレストランです◎★左側に腰掛けて小さい紳士と遊びました。


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教会の回廊、回廊からの塔、ステンドグラス、石造、教会を出た所の家並があり、
ゼラニュームが咲くバス停 
バス停後ろにある城塞
 
   

今夜のホテルは4ツ星ホテルのプルコン、
ホテルの前に湖がありました。
お天気に恵まれて

南仏の旅24

2008年07月19日 10時25分36秒 | 旅行
7日目は
サン・アマンド・コリーでスケッチして
ラ・ロック・ガジャックでクルーズ、スケッチ、昼食
そして30分ほどバスで

サルラに来ました。
ペリゴール地方の中心都市。
これまでと比べたらかなり賑やかでした。
旧市街には500年まえの建物が多く、50号、100号を描く方々には
絶好のスケッチポイントになったようでした。
ここで、添乗員さんから。フォァグラ、リエットのお土産を買う
gooサインがでました。
私は小さな孫にお洋服を買い、ベルトバック等雑貨を買いました、
缶詰めの物は重いので買いませんでした、
後々これが正解となりました。
この夜の食事はホテルのレストランを使いました、別行動で
隣のホテルへいった人お部屋で済ませた人、色々でした、
この時の赤ワインは事のほか美味しくて、お話も楽しく、満足でした。
やはり楽しいお話が 何よりのご馳走です。
知らないことが多い絵の世界を、いろいろ学ぶ事が出来ました。
中でも先生が何気なくお話なさる事の中に、感動することが多く
目から鱗が取れる様な場面が、幾度となくあって、有難い事と
思いました。



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6月9日サルラの街。


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メモリーが残り少なくなりました。
サルラの街も素敵で写真に残したい所が多く在りましたが、
意外に、撮った枚数が少なかったです。
サルラの街を少しご紹介できましたかしら?
三連泊したキリアド ブリーブ オスト とも今日でお別れ
明日はボルドーへ行きます 
トランクの整理、、、どうしましょう?。
とうとうあと一日となりました。