あの有名な書き出し
「桐壺」
いずれの御時にか、女御、更衣あまた さぶらひたまひるなかに、、、、、、
と源氏物語は始まりましたね。
悲劇の「桐壺更衣」は帝に愛されすぎて、周囲から妬まれ源氏を産んでから
3年後に亡くなりました。
帝は桐壺の更衣が残した忘れ形見の源氏を大切に手元で育てました。
12歳の元服のあと左大臣の姫葵の上と結婚します。
年上の葵の上とはなかなか上手く意思の疎通が出来ません。
葵の上も年上であることにコンプレックスを持っていますし、年上としての
プライドモあります。
「帚木」
光源氏、名のみことことしう、言ひ消たれたまふ咎多かなるに、
時が流れて源氏は17歳になって登場します、役職は近衛の中将で、
帝をお守りする役職にいるわけです。
五月雨のある夜に物忌みで源氏が宿直所いると、親友の頭の中将、
左の馬の頭、藤式部の丞が集まり、当代きっての好色者が女性談義に花を咲かせて、
理想的な女性は「中の品」にありと語られます。
紫式部自身が「中の品」と言われる環境で育っていますから、自らの
女性観ではないかと思います。
この夜の次の日、紀伊の守の屋敷を訪ねると、そこには紀伊の守の義理の母
「空蝉」が幼い腹違いの弟を連れて来ていました。
はかない逢瀬でしたが、源氏にとって初めての「中の品」の人でした。
忘れられない人となりなんとか再会したくて
幼い空蝉の弟を使って再会を試みますが空蝉は夫のある自分が
どうして高貴な源氏の君とお逢いできようかと、
闇に紛れて逃げてしまいます。
それでも一度はお逢いして、言葉で言い尽くせない「幸せ」を感じました。
逃げなくてはならない、自分の立場を悲しく思い涙で袖を濡らすのでした。
源氏物語「空蝉」が始まります