マイ・Joon・メモリーズ

🌸いつも心にはヨンジュンさん🌸

もうひとつの冬のソナタ⑤

2015-03-27 21:37:38 | ヨン様


こんばんわ

今日のこちらは 日中は良いお天気で春らしく
着る物も少し軽くなって過ごしやすい気候でした

夜になったら また涼しくなってきましたが

3月もあと約ヨン日になりましたね~

皆様 お変わりありませんか?

うちの旦那さんは 年度末ということもあって3日連続の飲み会ですが
もうそろそろ帰って来るかなぁ?
そんなことを思いながら

愛しのペ・ヨンジュンさんはどうしていらっしゃるかなぁ?かも気になって

また、今晩も読書タイムで「もうひとつの冬のソナタ」の続きをアップさせていただきたいと思います

今日のこの場面は 泣けます



会いたい、でも会えない・・・・・・交錯する思い③



 チュンサンとキム次長はレストランの椅子に座ってチョンアが来るのを待っていた。

窓の外ではしんしんと雪が降り続き、そのため道路は渋滞し車はなかなか動くことができなかった。
キム次長は時計を見ながら、雪のせいで遅れてるのかとつぶやいた。

その時、キム次長の携帯電話が鳴った。
電話にでるとチョンアだった。

 「キム次長、今、そちらに向っている車の中なんですが、渋滞でまるで動けないんです」

チュンサンは静かに笑った。
視力を失ってから とくにとぎすまされた神経のためか、電話の向こうのチョンアの声が全部聞こえた。

 「ゆっくり来るように言ってください。次長。 僕は大丈夫だから・・・」

 「わかりました。こうなるのなら、もうちょっと余裕をみて出ればいいのに・・・まったく」

キム次長は少し不満そうにチョンアにゆっくり来てもいいと伝えた。

チョンサンは、微笑みながらコーヒーカップを口に運んだ。

と、その時・・・・・。

電話から聞こえてくる別の声にそのまま凍ったように動けなくなった。

 「キム次長、ごめんなさい。すぐ行きますから」

ユジンだった。


そうだ・・・ユジンと最後に別れてから一度も聞かなかったとはいえ、その声を忘れるはずがない。

どうやったら忘れるというのだ・・・。

チョンサンは震える手でなんとかコーヒーカップをテーブルに置いた。

キム次長は適当に話して電話を切った。
もしチュンサンにユジンの声が聞こえていたらどうしようと思ったが、
すぐに何もなかったように わざと音を立てながらコーヒーをすすった。

 「ちょっと遅れるそうです。お腹がすくけど、待ってあげましょう」

そう言いながら、キム次長は何気なく窓の外の雪景色を眺め始めた。

チュンサンは身じろぎもせずいたが、やがて我に返り、ゆっくりキム次長の方を見て静かに言った。

 「キム次長・・・・、ユジンも来るんですよね?」

 「え?な・何?」 キム次長の声が震えた。

 「正直に言ってください。チョンアさん・・・今ユジンと一緒に来るんですよね?」

 「あ、それは・・・・・だから・・・・・」

 「僕、さっき次長の電話でユジンの声を聞いたんです。ユジンが来るんですよね?」

 「・・・・・。そう、チョンアさんと一緒に来るところです」

キム次長はこれ以上隠せないと思ったのか、力ない声で打ち明け始めた。


 「すみません。実はユジンさん、建築博覧会の件で数日前にパリからニューヨークに来たみたいなんです。
   それでチョンアさんと私で、理事とユジンさんが会えるようにしてあげようと・・・・」


チュンサンは凍りついたようにじっとキム次長の話を聞いていた。

さっきまでの固く冷たい顔には、わずかながら悲しみの光がさしていた。

チュンサンは席を立った。

 「理事・・・・・」

キム次長は驚いてすぐ立ち上がりチュンサンを追いかけた。

 「僕、ユジンには会いたくないんです。次長・・・・・・」

 「そんなこと言わずに会ってみたらいいじゃないですか。
    あの”不可能な家”だって、実はユジンさんにプレゼントしたくて建てたんじゃないですか。
    いつまでこんな風に過ごすつもりなんですか。
    会いたければ会って、そして生きてください。
    理事とユジンさんは・・・何もあきらめることなんかないのに、
    どうしてこんなふうに過ごさなければならないんですか?
    チョンアさんの話によると、ユジンさんもパリで死ぬほど勉強ばかりしながら過ごしたそうですよ」


 「だめなんです、次長」

混乱したチュンサンが務めて平静に言った。

キム次長は唖然とチュンサンを見つめた。チュンサンは静かに席に戻った。

キム次長もつられて席に座ると 次の言葉を待つかのようにじっとチュンサンを見つめた。

 「キム次長・・・・。僕、ユジンと最後に会った時、お互いに二度と会わないようにしようと言ったんです。
   今までのいい思い出だけで幸せだから・・・・・幸せになれるから・・・・・」


 「理事!」キム次長はこんなチュンサンが哀れで、耐え切れずに言った。

 「嘘をついちゃいけない!ユジンさんなしでどうやって幸せになれるんですか!!」


 チュンさんは返す言葉がなかった。


 「理事がユジンさんに会わずにいる理由、それは今の自分の姿を見せたくないからじゃないですか。
   ユジンさんの負担になりたくないから・・・・・・・・・。 そうでしょう?」

 やるせない思いでチュンサンを見つめていたキム次長は興奮する気持ちを押さえるように窓の外を眺めた。

するとチュンサンがゆっくりと話始めた。

 「そうです・・・。僕、ユジンの負担になりたくないんです。あの人を・・・これ以上苦しめたくないんです。
   何も見えない僕のためにユジンの人生を犠牲にしてほしくないんです」

チュンサンの言葉を聞くキム次長の心は張り裂けそうなのに、チュンサンは淡々と話続けた。

 「僕たちの愛は韓国を離れた時に完成したんです。
   僕はふたりが愛し合っていた事実だけで幸せなんです。本当です。」

 「・・・・・私が余計なことをしたってことですね」

 「そんなことないですよ、次長。僕、次長の気持ちはわかります。
  それから・・・チョンアさんの気持ちもわかります。
   ありがとうございます。でも、僕、ユジンに会ってはいけないんです。」


再びユジンに会ってしまえば二度と離れたくなくなる自分の気持ちを知ってか、
チュンサンは急いで席を立った。


その時、、キム次長の携帯電話が鳴った。

 「あ、チョンアさん・・・何?今着いたって?遅れると言っていたのに・・・・」


キム次長よりチュンサンの方が驚いたのは当然だった。

チュンサンは頭の中が真っ白になったまま動くことができない。

どこかでチョンアの声が聞こえる。


チョンアとユジンは もう1階ホールに来ていた。

2階の窓辺に座っていたキム次長とチュンサンは チョンアの声を聞いて
お互いに目を合わせたまま しばらく凍りついたようになっている。

キム次長が1階を見下ろすとチョンアとユジンがマネージャーの案内で2階に上るらせん階段の方へ向っている。

キム次長が急いで言った。

 「今、ふたりが2階に上がってきてますがどうしますか?」

 チュンサンは店を出るにはもう遅いと直感した。 そして立ち上がって言った。

 「次長、すぐ後ろの席には誰もいないでしょう?」

キム次長は振り返った。空席だった。

このレストランの1階ホールは広くオープンになっているが、
2階はテーブルごとに区分けされていて他の席は見えなかった。
そのため2階ではビジネスの重要な打ち合わせや恋人たちのためにはもってこいの造りになっている。

チュンサンはキム次長の助けを借りて後ろの席へ座った。
そうして、自分がみえないようにカーテンを閉めた。

 「どうしてもこうしなきゃいけないんですか?このまま偶然会ったようにすればいいじゃないですか・・・」

キム次長は申し訳なくもあり、チュンサンが気の毒でもあり、我慢できずに気持ちを打ち明けた。

 「僕は今日、ここの席には来なかったことにしてください。次長を信じてます。
そうしてください、次長」

 「・・・・・。わかりました。理事が本当にそうすることをお望みなら仕方ないですね。
   すみません、出過ぎたことをして・・・・・・」


チュンサンは大丈夫だからというように手を横に振り、早く行くよう合図をした。

キム次長は振り返り元の席に戻った。
複雑な表情をおさえる間もなく、チョンアとユジンはすでに2階に上がって来た。
キム次長を見つけるとチョンアが叫んだ。

 「キム次長!」

 「あ、ここです、チョンアさん・・・・・」

キム次長は務めて明るく笑って立ち上がった。

キム次長はいぶかしげにしているチョンアに目配せをし、ユジンを見てやや大げさに歓迎の意を表した。

 「ああ、ユジンさん、うれしいです。何年ぶりでしょうね?」

 「本当に何年ぶりかもわからないくらい。お変わりありませんでしたか?」

 「ありがとうございます。ユジンさんは見ないうちに綺麗になりましたね。さあ、おかけください」

キム次長は何事もなかったように椅子に腰かけた。

ユジンとチョンアも向き合うように席についた。


ユジンはテーブルにコーヒーカップと水がふたつずつ置いてあるのを見て、
はっとしたように無意識に胸に手を当てた。


 「さっきまでお客様がいらっしゃったんですね。カップがふたつあるから・・・・・」

キム次長は瞬間ドキッとした。チュンサンのカップがそのままになっていた。

 「あ、ユジンさん鋭いですね。そうです、さっき大学の友達と一緒だったのです。
   ニューヨークへ来ると必ず会う友達なんですよ」

キム次長は笑いながらはぐらかすとコップを横にどかした。


ユジンはそうですかと言いながらそのままやり過ごしたが、
先ほどのキム次長の驚いた表情からチュンサンがさっきまでここにいたことを直感した。

とはいえ、ユジンは何とか自分の直感を否定しようとした。
本当に大学の友達と会ってたということもありえるし・・・必ずしもチュンサンとは限らない・・・。
チョンアは考え込んでいるユジンをふと見て、何気なく、キム次長に笑いながら言った。


 「キム次長、ちょっと話があるんですけど・・・ユジン、個人的な話があるから、ちょっと行ってきてもいい?」

 「ええ、どうぞ」ユジンは微笑みながら答えた

 「ユジンさん、悪いですね。たぶんチョンアさんは私にプロポーズでもするつもりなんですよ。
こう見えても照れ屋でしょう」

そう言ってキム次長は席を立った。

 「まったく、冗談じゃないですよ。誰が誰にプロポーズですって?」

チョンアはキム次長に食ってかかると、キム次長とともにしばらくどこかに行ってしまい、
ユジンはひとり残された。

ユジンは震える胸をおさえながら周りをゆっくり見渡した。

テーブルごとに区分けされ人の姿は見えないが、ひそひそと話し声や低い声、
時々聞こえる女性の楽しそうな笑い声、乾杯のワイングラスがぶつかる音を聞きながら、
ここにはかなりの数のお客がいると思った。

ユジンは無意識にキム次長が横に片付けたコーヒーカップをこっそり触ってみた。

まだ温もりが残っているコーヒーカップ・・・・・。

確かにさっきまで誰かが座っていたという証拠。

ユジンのまぶたが震え、熱い涙が知らず知らずのうちにこみ上げて来る。

 「ここのどこかに確かにチュンサンがいる・・・・。私は感じる。
   私が来るということを知ってどこかに隠れてしまったんだ・・・・・。
   きっと、チョンアさんとキム次長がこの計画を立てたんだ・・・そう、きっとそうだわ」

ユジンはこの近くにチュンサンが隠れていると思うと、全身にけいれんがおこったように震え始めた。

チュンサンはどんな姿で、どこにいるのか・・・・。

こんなふうに避けるということは私に会いたくないということだろうけど・・・・・。

チュンサン、そうなの? それがあなたの気持ちなの?

ユジンは混乱する心をどうすることもできないまま考え込んでいた。

その時、遠くから何か話しながらキム次長とチョンアが戻ってきた。

 「どうもすみません、ユジンさん。あ、何を食べるか決まりましたか?」

キム次長がにっこり笑って席に座った。チョンアもユジンの横に座った。

 「ユジン、キム次長がどうしてもおごりたいって言うから、好きなだけ高いものたのみましょう。
   あなた、毎日フランスでフランスパンにバターだけ塗って食べてたって言ってたじゃない。
高いもの食べましょう」


 「そうしましょうか、チョンアさん」


ユジンは努めて明るい振りをしてメニューを手に取った。

チョンアとキム次長は、夢中でメニューを開いてはしゃいでいるように見えるユジンに目をやり、

何も気付いていないらしいと安心した。

(つづく



本日の冬ソナフォトは切ないチュンサンとミニョンさんの画像より
選ばせていただきました

























では、皆様

気づけば今週もあっという間に金曜日の晩ですが

春先の変わり目

体調にお気をつけて

素敵な週末をお過ごしくださいね

 

 


人気ブログランキングへ

 

お帰り前にくまちゃんをポチッとクリックして頂けましたら嬉しいです

今日も拙いブログにお付き合いくださってありがとうございます

 

 

 

 

 

 

 

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする