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日々の気になるニュース。ただし某NGOのお仕事が忙しい時はしばらく更新されないことも…。

黙殺されるマリの食糧危機 (BBC)

2005-08-05 10:36:17 | アフリカ関連
マリ共和国が直面している食糧危機を「裕福な支援国」たちは無視しているとOxfam(NGO)が警告している。
昨年12月、国連は100万人以上を対象にした700万ドルの食糧支援要請の声明を発したが、わずか14%しか実現していない。
隣国のニジェールの窮状がメディアに取り上げられ、国連に千六百万ドルの支援が集まったことと対照的な状況だ。ただしニジェールでも、必要とされている額の3分の1しか集まっていない。
昨年の旱魃とイナゴ害は西アフリカのサヘル地帯を襲い、現在の悲惨な状況を生み出している。
「メディアのスポットライトはニジェールを照らし、世界はついにニジェールの危機に応え始めた。しかし、これはニジェール1国だけの問題ではない」とOxfamのナターシャ・コフォウォローラ・キストは述べ、マリ政府と国連が食糧の配給を始めたが、危機を回避するには不十分だと指摘している。
最もひどい地域は、ティンブクトゥ、ガオ、キダルなどの北部地域だとOxfamは報告している。

気象条件やイナゴには国境はない。ましてや旧宗主国の都合で直線で区切られた国境などまったく意味が無い。サヘル(サハラ砂漠南部の乾燥地帯)は、最も苛酷な地域だ。
世界の穀物市場を動かしているシカゴの食糧倉庫には、サヘルで上に苦しむ人々を救うのに必要で十分な食糧が眠っている。この眠っている食糧は、投機の対象であり、ひたすら値上がりを待ち続けている。
現在の経済の仕組みは決定的な不公平を生み出しているということに、世界は気がついていながら改めようとはしない…。
デズモンド・ツツ大司教は、今のグローバリズムは、強者が弱者を食い物にするものだと述べているが、そのとおりの状況が続いている。

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