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日々の気になるニュース。ただし某NGOのお仕事が忙しい時はしばらく更新されないことも…。

あれから16年… (BBC 毎日新聞 共同)

2005-06-05 02:38:07 | 極東関連
中国で唯一の天安門事件の追悼集会がホンコンで開かれ、数万人の参加者がろうそくに火を灯し、16年前の天安門での血塗られた民主化要求運動の犠牲者を悼んだ。集会の主催者は、天安門事件の再評価を求めているが、今のところ中国当局が応じる気配はない。
北京では、当局が天安門事件16周年の6月4日を警戒し、厳重な警備がしかれた。 (BBCのサイトから)

【香港・成沢健一】天安門事件の犠牲者を追悼する集会が4日夜、香港のビクトリア公園であり、主催者発表で数万人が参加した。民主派団体が毎年主催し、15周年だった昨年は約8万2000人が参加。今年は1月に死去した趙紫陽元中国共産党総書記の写真も会場に掲げられた。会場近くでは、人権団体などが中国の公安当局に拘束されているシンガポール紙香港特派員、程翔記者(55)の早期釈放を求める署名活動を行った。(毎日新聞のサイトから)

中国の民主化運動を武力弾圧した1989年の天安門事件から16年の4日、中国政府は犠牲者の家族を自宅軟禁下に置くなど警戒態勢を敷いたが、北京の街並みは観光客や家族連れがいつも通り行き交うなど平穏で、事件の風化が進んでいることをうかがわせた。
一方、民主活動家は「現指導部は政治改革を後退させており、事件の再評価は当面不可能」と胡錦濤指導部に対する失望を強調。北京に直訴に訪れた農民らも「『親民政策』などのスローガンは心地よいが、やっていることは従来の指導者と一緒」と批判した。
この日、中国各紙に事件に関する記事は皆無。中国政府は当時の民主化運動を「政治風波(騒ぎ)」と位置付けて武力弾圧を正当化。教科書でも一切触れられておらず、事件の存在さえ知らない若者が増加している。
ある活動家の男性(36)は「胡氏にはゴルバチョフ元ソ連大統領のような政治改革を進める力量も勇気もない」と指摘。事件の再評価は「経済がマイナス成長になり、庶民の怒りが爆発するまでは難しい」と述べた。(共同の配信記事から)

16年経った。この16年間で、中国は経済発展を遂げた。しかし、すべての市民に富が行き渡ったわけではない。資本主義世界と同じく、中国では貧富の格差は拡大するばかりだ。公務員の腐敗もひどいものらしい。
中国は、国のレベルでは豊かになった。しかし、市民のレベルでは、全部がそうなったわけではない。農村部の貧しさはいっこうに解消されていない。遅かれ早かれ、中国では新たな市民の動きがあるのだろう。そういう動きがあるときに、民主主義を標榜する世界の国々は、躊躇することなく市民の側に立つことを表明しなければならない。
16年前、隣の国で起きたことに、日本政府は事実上見て見ぬふりをした。
いまだに母国に帰れずにいる人々が晴れて里帰りできる日はいつになるのだろう?

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