頭の回想の部屋を・・・

頭の回想の部屋をうかがい見れば、クモはこうだった。あの罪と罰は過去の愛とセックスから生まれた、傷だったのだ！・・・・・・と。
ある日、クモとその先妻は朝の食卓ごしに、子のない若い夫婦の仲睦まじさとは似ても似つかなかった。クモが悪いといってしまえばそれまでだが、事実悪いのは妻でないとクモ自身が胃痛を覚えるくらいだった。ここ六月も性交もなく、こじれた間でとりつく術をしらないのだった。

（つづく）