50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

帰り路が遠く感じられる。住宅の風景を、・・・

2016-03-02 19:47:38 | 小説
帰り路が遠く感じられる。住宅の風景を、幸男の目は避けていっている。
幸男という小さな家に、中山理恵という春の嵐が襲ってきていた。幸男にも、夏子や伝言板のように自分が大事と思う思いが当然あるし、情に流されればその小さな家が崩れる。
「思い出のままがいい。彼女もそうきっとだ」

(「おしのび」つづく)