50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

つきあいが深まるほどに、言葉がていねいになっていく。

2016-02-18 16:11:37 | 小説
つきあいが深まるほどに、言葉がていねいになっていく。そういう間柄を夏子に求めても、とても無理。幸男はテレビの前で幼い春子を、買いものにでかけた妻の留守の膝上に遊ばせている。
「なあ春子」
テレビのマンガに釘づけされた春子だが、
「夏子おばさんを好きかな?」
「わからないかな」
と幸男は言って小さな頭を撫でる。

(「おしのび」つづく)