50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

電車はカーブを切ると、・・・

2015-05-30 20:59:28 | 小説
電車はカーブを切ると、窓に市街地の風景をどっと流れこませていた。
「意外だな」
ビルの数に、理恵も意外感を抱く。十年ぶりの感慨が否応なくやってくるが、理恵はそれを抑える。そうしなくてはまた敏彦に叱られるだろうから、
「ほんとうに・・・・・・」
「大都会からやってきた里帰り夫婦。残念ながら、それは駅に到着するまでのお話です」

(つづく)